公開日:2017年11月22日

在宅と外来の垣根

さて今日も1日頑張っていきましょうか・・・

 

こんにちは、外来診療をやってわかったことがあります。体力的に結構落ちていても外来に通院してくる方がそこそこいらっしゃるっていうことです。下手したら在宅で診療している方よりもADL的に落ちている患者さんでも何とか頑張って来院されてきていますね。

「在宅と外来の垣根ってさほど高くはないな」

っていうのが外来診療を開始して初めてよくわかりました。そういうフレイルな患者さんに、外来であろうが在宅であろうがいつでも対応できるような診療をしなければと改めて感じている今日この頃です。

ただこのスタイルって問題もあります。今当院では来季に向けて医師の募集をまだしていますが、外来も在宅も両方できるお医者さんってまずいないんですよね。なので外来をできるお医者さんに在宅医療も学んでもらうことになりますが、この在宅医療の習得がやっぱり結構時間がかかります。自分の経験から言っても、どの病態でも問題なくやれるレベルとなるまでは大体2~3年くらいはかかるような気がします。

在宅医療の普及には、訪問看護師さんの増員もそうですが、やっぱり在宅医療のフィールドで活動する医者が増えてこそ・・・・できれば札幌でたくさん在宅で働くお医者さんが増えればいいですね。(興味のある医師の方いましたらご連絡ください)

 

さてぐだぐだと書いてしまいましたが本日の気になる医療ニュースはこちらです。大体今日の内容と同じような記事ですね。政府のバックアップは・・・・期待できるかな?どうでしょうかね。参考にしてください。

AREAより

2040年には「死に場所難民」が続出! 在宅医療現場の現実

好きな場所で家族に囲まれながら穏やかな最期を迎えたい。そう希望する人たちの一つの選択肢となっているのが在宅医療だ。

中でも医療法人社団悠翔会は10の診療所を有し、常時3500人もの患者の往診等を行っている首都圏最大級の在宅医療専門クリニック。その多くは末期がんや老衰で人生の最終段階にある人たちであるため、毎年800~900人もの患者を看取っている。自らも多くの患者を看取ってきた佐々木淳理事長は「残された家族が納得できる死に方が、私が考える“いい死に方”」と話す。

「印象に残っている患者さんの一人にフリーのSEの方がいます。末期がんを患っていたのですが、患者さんは『今、請け負っている仕事だけはやり遂げたい』と希望されました。奥様も本人の希望をかなえたいという。私たちは例えば腹水がつらいときには水を抜いたり、だるさが強いときにはステロイドを投与するなど在宅で緩和医療を提供し、ご家族のほうでは寝たきりでもパソコンが打てるような設備を整えていき、亡くなる3日前に見事に仕事をやり遂げられたんです。最期は奥様が友人・知人にお声掛けされ、多くの方に見守られながら息を引き取りました」

だが思い通りの最期を迎えるためのハードルは低くない。

「2040年以降は年間170万人が亡くなり、そのうち70万人を自宅で看取らないと死に場所がなくなると言われています。しかし現状はご自宅で看取られる方は年間10万人程度。圧倒的に在宅医療に携わる医者が足りない」

政府のバックアップが欠かせない。(構成/ジャーナリスト・田茂井治)

 


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