公開日:2017年11月21日

新聞各社の医療ニュースなどなど

今日も1日がんばりましょうか・・・

 

こんにちは、早朝から往診対応して7時からの外来に直接診療所に向かおうか考えていたのですが、朝焼けの色がきれいだったので写真とってみまし・・・・

まぁ相変わらず写真下手ですみません。

なんてしながら診療所に向かって車走らせていたら事故現場にすれ違いました。やっぱりこの時期は注意が必要ですね。皆さんも気をつけてください。

さて本日1回目の更新は簡単に気になる医療ニュースを各種新聞などからいくつかご紹介してみたいと思います。診療報酬がらみや医療の方向性についてなど色々この時期はでてきますね。皆さんの参考になればと思います。

最後に今井の感想も簡単に載せます

①産経ニュースより

医療用保湿剤「保険外さないで」  乳がん患者会が国に要望

美容など不適切な使用が広まり、処方に制限を設けることが議論されている「ヒルドイド」などの医療用保湿剤について、乳がんの患者団体が20日、従来通りの使用ができるよう求める要望書を厚生労働省などに提出した。がんの治療では、放射線治療後に皮膚が乾燥して皮膚炎や皮脂欠乏症となり、多くの患者が保湿剤を処方されているという。

要望書を提出した乳がん患者会「あけぼの会」のワット隆子会長は「放射線治療は終わったが、皮膚がカサカサになって困る」などの患者の声を紹介。がんの治療とは別の医療機関で保湿剤だけを単独で処方されることも多いとして、保湿剤単独での処方が続けられるよう訴えた。

医療用保湿剤をめぐっては、健康保険組合連合会が「公的医療保険の適用外とすべきだ」と提言。厚労相の諮問機関「中央社会保険医療協議会(中医協)」が適正使用のあり方を議論しており、早ければ平成30年度から保険の適用範囲が見直される可能性がある。

②こちらも産経ニュースより

蘇生望まぬ場合、救命中止を 学会が初の提言 終末期患者、意思表示書など条件

治療効果が見込めない終末期の患者が、心肺蘇生(そせい)を望まない本人の意思に反して救急搬送される現状を受け、日本臨床救急医学会は7日、本人の意思が確認できる書面と医師の指示があれば、救急隊員が心肺蘇生を中止できるとする初の提言を公表した。全国の救急現場では、心肺蘇生を望まない患者の蘇生中止手順などの統一基準はない。

提言では、終末期の患者が、心肺停止した場合に蘇生を望むかをかかりつけ医や家族らと事前に話し合い、望まない場合に作る意思表示書面を例示。119番通報を受けて駆けつけた救急隊員が書面を示された場合、かかりつけ医などの指示があれば心肺蘇生や救急搬送を中止できるとした。提言に拘束力はないが、専門家による指針が示されたことで、全国の消防隊が取り入れる可能性がある。

終末期の救急搬送をめぐっては、平成25年度の調査で、一定経験を持つ救急隊員295人中16%に当たる47人が「心肺蘇生を望まない本人の意思表示書面を提示されたことがある」と回答。しかし救急隊員は患者の救命を行うのが原則で、蘇生を望まない本人や家族の意向との間で、対応に苦慮する例が増えている。

学会の坂本哲也代表理事(帝京大医学部付属病院長)は「心肺蘇生を望んでいないなら119番通報しないなど、終末期の救急車の使い方について国民で考えてほしい」としている。

③こちらは北海道新聞より

がん死亡率3位 オール北海道で対策を

北海道のがん対策を一層強化しなければならない。

 国立がん研究センターによると、2016年のがん死亡率(10万人当たりの死者数)が、北海道は85・6と全国で3番目に高く、前年の4位から悪化した。

 道ががん対策推進計画で掲げる男性(132・2)と女性(69・2)のがん死亡率を、17年度までの10年間で20%ずつ減らす目標の達成も困難になった。

 がん対策の要は、禁煙などによる予防と、早期発見のための検診だが、道内の喫煙率は24・7%で全国一高く、検診受診率も全国最低レベルである。これでは、がんは減るまい。

 官民協力して、がん撲滅のため予防と検診を徹底させたい。

 北海道のがん死亡率は、最も低い長野県(62・3)と、23・3ポイントもの開きがある。

 国立がん研究センターは科学的根拠に基づき、禁煙、節酒、食生活の改善、運動など6項目の予防法を挙げている。

 特に、肺がん死亡率が全国一高い北海道にとって、禁煙は緊急の課題だ。たばこは、肺がんも含め16種類のがんを誘発するという。

 厚生労働省は、官公庁は全面禁煙が望ましいとの通知を出したが、道内は分煙が多い。旗振り役として全面禁煙を選択すべきだ。

 道議会は受動喫煙防止条例案を検討している。「禁煙、分煙の徹底で受動喫煙を防止する」のが特徴だが、がん患者の会は、「受動喫煙ゼロ」の明記を要望する。

 「ゼロ」を掲げれば、道民への強いメッセージになるだろう。

 国が推奨する五つのがん検診で道内の受診率は31~36%にすぎず、すべて全国平均を下回る。毎年の検診で、大腸がんの死亡リスクを60%下げることが可能だ。

 各自治体は、一層の啓発に努める必要がある。

 道は来春に向け、新たながん対策推進計画(18~23年度)を策定中だ。死亡率を全国平均値、喫煙率12%以下、検診受診率50%といった目標が原案に入った。

 北海道がんセンターと道は、地域別の罹患(りかん)率と死亡率を出している。例えば、女性の肺がん罹患率は、根室が南檜山より2倍高い。

 データを分析し、地域ごとの対策も求められる。

 昨年、患者、医療者、行政、議員、企業、メディアによる「北海道がん対策『六位一体』協議会」が発足した。

 オール北海道で目標を実現してもらいたい。

④ヨミドクターより

「薬剤師診療報酬、引き下げ検討を」有識者指摘…厚労省は反論

予算の無駄遣いを有識者らが関係省庁にただす政府の「行政事業レビュー」公開検証の3日目が、16日に東京都内で開かれた。

 薬剤師に調剤などの対価として支払われる診療報酬について、有識者は「患者目線の報酬設定を目指すべきだ」として、厚生労働省に引き下げの検討を求めた。

 患者に薬を処方する方法には、病院内で渡す「院内処方」と、薬局で渡す「院外処方」がある。院外処方には薬剤師による調剤などの技術料が加算され、処方に関する報酬が院内処方の約3倍になるとされる。薬剤師の専門知識に対する対価との位置付けだが、患者負担も増えるため、有識者は「費用対効果の面で、それほどの価値があるのか」と疑問を呈した。

 これに対し、厚労省の担当者は、「薬剤師と相談することで患者が正しく薬を服用できる」「薬剤師が安価な後発医薬品(ジェネリック)を勧め、薬代を院内処方より抑えている」と主張した。

 調剤への報酬は財政を圧迫しているとも指摘されており、2018年度の診療報酬改定に向け、今後、政府・与党内の調整が本格化する。

⑤NHKニュースより

「紹介状無い患者」の負担増 対象病院拡大へ見直し案 厚生労働省

厚生労働省は、紹介状の無い患者が、病床数が「500床以上」の大病院を受診した場合、初診で5000円以上の窓口負担を徴収する制度について、来年度にも対象を「400床以上」の病院に広げる見直し案をまとめ、今後、調整を進める方針です。

厚生労働省は、大病院が高度な治療に特化できるよう、症状の軽い患者が直接、大病院を受診するのを減らすため、診療所などの紹介状の無い患者が、病床数が「500床以上」の大病院を受診した場合、初診で5000円以上、再診では2500円以上の窓口負担を徴収することを昨年度から義務づけました。

これについて、厚生労働省は、紹介状の無い患者の受診が減り、一定の効果が確認された一方、「500床以上」の大病院が年々、減っていることを踏まえ、来年度にも制度の対象を「400床以上」の病院に広げる案をまとめました。

ただ、中医協=中央社会保険医療協議会には、対象をもっと広げるべきだという意見もあり、今後、調整が行われる見通しです。

⑥朝日新聞より

心不全や脳卒中の緩和ケア体制整備へ 厚労省

高齢の患者が多く、呼吸困難といった苦痛も大きい心不全や脳卒中など循環器の病気について、厚生労働省緩和ケア体制の整備にのりだす。16日に有識者による初会合を開き、望ましい施設の体制やケアの内容を検討する方針を決めた。比較的体制が整っているがんとの違いや共通点を検証して報告書をまとめる。

厚労省によると、2007年にがん対策基本法が施行され、がん患者への緩和ケアは広がり始めた。だが高血圧を除く循環器の病気では、患者の約5割が通うのは規模の小さい診療所で、緩和ケアチームがあるのは0・01%にとどまる。

心疾患の死亡者のうち約4割を占め、増加傾向にある心不全を中心に議論を進める。悪化と回復を繰り返しながら徐々に体の機能が低下する心不全の場合、積極的な治療をやめる判断が難しい。患者が意思を決める際の支援があるか、医療職の地域連携があるかなども考慮して、緩和ケアの内容を検討するという。

出席したメンバーからは「循環器の場合、自己管理の部分をどのように支援していくかが重要だ」「患者本人の意思と治療が異なる場合も多く、家族や医師への啓発も必要になってくる」などの意見が出た。

世界保健機関(WHO)の緩和ケアの定義では、対象をがんに限っておらず、命を脅かす病気すべてで、痛みや身体的・心理的問題などに早期から対処し、生活の質を改善するものとしている。WHOの調査によると、終末期緩和ケアを必要とする疾患別の割合は、1位が循環器(38・5%)で、2位はがん(34%)だった。日本心不全学会なども、がん以外の緩和ケアの必要性を指摘している。(黒田壮吉)

 

 

ということで各記事毎の感想ですが

①保湿剤はたしかに乳癌の患者さんやケモ中の副作用などの対応で処方が必要になることがおおいですね。ADL確保のためにもある程度の処方は認めてもいいかと思いますが・・・病名や病状等で線引きが必要でしょうね。

②この提言自体はすごく当たり前というか、ようやくだなって気はします。ただ記事の最後にあるように本来なら呼ばないように教育することが優先ですよね・・・・まずはここを徹底する必要ありだと思います。

③喫煙対策どうにかしないといけないですよね。北海道って条例レベルで対応難しいんでしょうか?・・・・これは行政がどう考えるかの問題かと思いますが本腰いれてほしいですね

④院外処方の役割をきちんと決めるべきだと思います。自分は院外で高い調剤報酬があるのは在宅医療への積極的な参入を前提としてならありだとは思いますが・・・・・どうでしょうかね。

⑤これ今回が400床だとしても将来的には必ず100床以上とかになる、もしくは必ず診療所経由でってなると思っていますが今回はどうなるか注視したいと思っています。

⑥これは今すぐ一言いうなら

在宅で心不全末期の患者さんに使用した麻薬を査定しないで

ってことでしょうか。施策すすめるなら、大きな変化も必要でしょうがすぐにできることから進めて欲しいですね・・・・

と色々簡単に書いてみました。こうやって各社の医療ニュース見比べるの、結構面白いですね・・・


このエントリーをはてなブックマークに追加