認知症の方への訪問看護には、訪問看護のエッセンスがつまっていますね
今日も早朝から診療です、空気が冷たいですね・・・・・
こんにちは、認知症の方の在宅医療の依頼が絶えずありますが、先日とある患者さんちに同行の看護師さんと訪問してきました。診療をゆっくりと終えてご自宅を退室した後、その方の生活支援や訪問診療について看護師さんと話をしているうちに話がドンドン大きくなり、最後には総論的な認知症の訪問診療や訪問看護についてどうあるべきか、という所まで行きつきました。
同行看護師さんは訪問看護の経験も豊富な看護師さん・・・・そこで二人で話しているうちでた結論は「認知症の方への訪問看護には、訪問看護のエッセンスがつまっていますね」っていうことでした。
どうしてかっていうと認知症の方の訪問看護をしていくには以下の事が必要になります。
①医師とのコミュニケーションが必須
②ケアマネさんや介護士さんとの連携が大事
③患者さんとの良好なコミュニケーションの構築(月、年単位で時間がかかっても)
④家族の方への対応の能力
⑤訪問看護師としてのケアの実践(ユマニチュード含む)が必須
⑥生活支える看護という視点が何より求められ、さらにそれを実践しなければいけない
⑦近隣の住民への協力要請、民生委員さん等の地域で利用できるものの発掘とその検討
⑧突発的な出来事(転倒、発熱、失踪など)への対応とその予防策
⑨緩和ケアが必要な状態であれば、些細な変化から病状や苦痛の有無を読む能力
などなど・・・・・どうですか?これってどの在宅患者さんの訪問看護をしていく上でも必須のことばかりですよね。
これから訪問看護を始める看護師さんにはぜひ認知症の方の訪問看護を積極的に行ってもらい、訪問看護師としての幹の部分を太くしてほしいですね。枝葉の部分はそれからでいいです、後でどうとでもなりますよ・・・
さて本日の個人的に気になる医療記事はこちらです。
デロイト トーマツより
The digital hospital of the future
未来のデジタル ホスピタル
多くの病院はケアに対するコストが上がる中、入院医療のサービスにかかる費用を最小限に抑えるために長く解決策を模索しています。 Deloitte USが作成したこのレポートでは、テクノロジーとヘルスケアの提供がどのように融合して世界中の病院の将来像と患者サービスに影響を与えるかをお伝えします。
未来のデジタル ホスピタルの5つのケース
※ 本サイト: The digital hospital of the future
未来の医療の提供は今日の病院で行われているものとはかなり異なって見えるかもしれません。急速に進化する技術は、人口動態や経済の変化と共に、世界中の病院を変えることが期待されています。すでに多くの入院医療のサービスは在宅や外来施設でのサービスへと移行しています。しかし多くの重篤な患者は、急性期病院での入院治療をし続けることが必要なっています。
高齢化社会や病床増加への需要が増す中で、病院経営者や政府は、入院と外来をセットで最適化し、デジタル技術を従来の病院サービスに統合し障害のない医療システムを作り出すことを検討する必要があります。
未来のヘルスケアの提供がどのようなものかをお伝えするために、Deloitte Center for Health Solutionsは世界中の33人の専門家とのクラウドソーシングでシミュレーションを実施しました。参加者には、ヘルスケア企業のCXO、医師および看護師のリーダー、政策立案者、技術者、未来の研究者が含まれていました。彼らにこの10年間(病院の経営者が準備できる期間)で世界の病院のデジタル化の設計に向け、特定のケースを検討していただきました。
クラウドソーシングのシミュレーションでは、5つのカテゴリーでケースが作成されました。
- ケア提供の再定義
意思決定を可能にするデジタル管理室(病院の航空交通管システムの病院版のようなもの)、継続的な臨床でのモニタリング、標的治療(外科手術用3D印刷など)、ポータブルデバイスの使用などが急性期病院の差別化へと貢献する。 - デジタルの患者サービス
デジタルおよび人工知能(AI)技術は、オンデマンドで途切れないプロセスで患者サービスを改善することを可能にする。 - 人材育成の強化
ロボッティクス(RPA)とAIにより医療従事者は事務作業が短縮化され、ケアの提供により多くの時間を費やすことができる。 - テクノロジーによる業務効率化
サプライチェーンのデジタル化、自動化、ロボティクスなど、次世代の様々なシステムが連携した運用により、病院の運営管理とバックオフィスの効率性が向上する。 - 療養と健康設計
療養の環境とサービスは重要ではあるが、 患者や病院スタッフが健康で幸福であることが未来の病院設計において重要となる。
これらのケースのコンセプトの多くは既に実現できます。病院経営者は、病院の新築時これらのテクノロジーをどう統合し、これまでの運用をどう改装していくかを計画する必要があります。
テクノロジーは、将来の病院サービスの大部分で基礎となると考えられますが、それでもケアの提供(特に重篤な患者や複雑な手技を扱うケアの提供)は、人間の専門的な手技を必要とすることとなると考えられます。
The hospital of the future
未来のデジタル病院の設立
未来のデジタル病院をつくるには、人、技術、運用プロセス、および施設に投資する必要があります。これらの投資のほとんどは先行投資となる可能性が高いです。短期的には、病院は、すぐにこれらの投資に対する利益を得られないかもしれません。しかし、長期的には、デジタル技術がケアの提供を改善し、業務効率を高め、患者とスタッフのサービスを向上させるようになり、結果として高品質のケア、運用効率の改善、患者満足度の向上がもたらされることとなるでしょう。
デジタル戦略の検討に当たり、以下の中核となる要素が、未来の病院を押し進めるために役立つでしょう。
- デジタル化への文化をつくる
上級管理職が将来のデジタル化の重要性を理解し、すべての組織レベルで実現を支援することが不可欠です。 - 通信技術を理解する
デジタル実装は複雑です。異なるアプリケーション、デバイス、テクノロジー(すべて相互の関連性が高い)、を相互に接続し連携させることが、デジタル実装を成功させる上で不可欠です。 - 長期的視点で検討する
デジタル技術は進化し続けているため、実装時の柔軟性とスケーラビリティ(大規模にしても費用などがそれほど増加しないこと)は非常に重要です。計画チームは、プロジェクトの範囲に、技術の追加や、変更、または更新を行うことを含み検討する必要があります。 - データに焦点を当てる
データの相互連携・運用性、スケーラビリティ、生産性、柔軟性の要件は重要ですが、取得、格納、保護、分析するデータは確固たる基盤の元、構築する必要があります。 - タレント 2.0の準備(次世代のタレントを育成する)
病院は技術に多額な投資をするので、スタッフに対応するデジタル戦略を開発するための十分な機会を提供する必要があります。
というこの記事・・・・個人的に一番ためになったというか、改めて認識したのは、
デジタル化への文化をつくるのが診療所レベルの医療機関でも死活的に重要だけれども、黙っていてもその文化はできない、トップが考えて動かなければ!!
ということです。(タレント2.0って黙っていてもできるわけではないですもんね)
来年度、さらにその先に向けて個人的にもこの分野に継続して興味をもっていきたいと思っています。