緩和ケア病棟について&その問題点

土曜日ですがさくさく更新していきます・・・・

 

こんにちは、当院で診療している患者さんで看取りの近い方、具体的な病名では癌や認知症終末期、心不全や腎不全など各種臓器機能障害末期の方、は患者さんや家族と相談し自宅看取りの方針であってもバックベットは決めておくことが多いです。癌の方であれば大体緩和ケア病棟ってなると思うのですが、緩和ケア病棟の入院基準や施設基準ってこれまできちんと勉強したことありませんでした。なので一度緩和ケア病棟について振り返ってみたいと思います。

診療報酬上の定義などからみてみます(気になるところは今井が勝手に赤文字にしています) https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_1_2_3/a310.html より

A310 緩和ケア病棟入院料(1日につき)

1 30日以内の期間 4,926点
2 31日以上60日以内の期間 4,400点
3 61日以上の期間 3,300点

1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た緩和ケアを行う病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る 病棟に入院している緩和ケアを要する患者について算定する。ただし、悪性腫瘍 の患者及び後天性免疫不全症候群の患者以外の患者が当該病棟に入院した場合は、区分番号A100に掲げる一般病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本 料の例により算定する。

当該保険医療機関と連携して緩和ケアを提供する別の保険医療機関(在宅療養 支援診療所又は在宅療養支援病院に限る。)により在宅での緩和ケアが行われ、 当該別の保険医療機関からあらかじめ文書で情報提供を受けた患者について、病 状の急変等に伴い、当該別の保険医療機関からの求めに応じて入院させた場合に、緩和ケア病棟緊急入院初期加算として、入院した日から起算して15日を限度と して、1日につき200点を更に所定点数に加算する。

3 診療に係る費用(第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、妊産婦緊急搬 送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、がん拠点病院加算、医療安全対策加算、感染防止対策加算、患者サポート体制充実加算、 褥 瘡ハイリスク患者ケア加算、データ提出加算及び退院支援加算(1のイに限る。)、第2章第2部第2節在宅療養管理指導料、第3節薬剤料、第4節特定保険医療 材料料及び第12部放射線治療、退院時に当該指導管理を行ったことにより算定で きる区分番号C108に掲げる在宅悪性腫瘍等患者指導管理料、区分番号C10 8-2に掲げる在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料及び区分番号C109に掲げる 在宅寝たきり患者処置指導管理料並びに除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、 緩和ケア病棟入院料に含まれるものとする。

通知

(1) 緩和ケア病棟は、主として苦痛の緩和を必要とする悪性腫瘍及び後天性免疫不全症候群 の患者を入院させ、緩和ケアを行うとともに、外来や在宅への円滑な移行も支援する病棟 であり、当該病棟に入院した緩和ケアを要する悪性腫瘍及び後天性免疫不全症候群の患者 について算定する。

(2) 緩和ケア病棟入院料を算定する日に使用するものとされた薬剤に係る薬剤料は緩和ケア 病棟入院料に含まれるが、退院日に退院後に使用するものとされた薬剤料は別に算定でき る。

(3) 悪性腫瘍の患者及び後天性免疫不全症候群の患者以外の患者が、当該病棟に入院した場 合には、一般病棟入院基本料の特別入院基本料を算定する。この際、同特別入院基本料の 費用の請求については、区分番号「A308」の回復期リハビリテーション病棟の(4)と 同様であること。

(4) 緩和ケア病棟における悪性腫瘍患者のケアに関しては、「がん疼痛薬物療法ガイドライ ン」(日本緩和医療学会)、「がん緩和ケアに関するマニュアル」(厚生労働省・日本医 師会監修)等の緩和ケアに関するガイドラインを参考とする。

(5) 緩和ケア病棟入院料を算定する保険医療機関は、地域の在宅医療を担う保険医療機関と 連携し、緊急時に在宅での療養を行う患者が入院できる体制を保険医療機関として確保し ていること。

(6) 緩和ケア病棟入院料を算定する保険医療機関は、連携している保険医療機関の患者に関 し、緊急の相談等に対応できるよう、24時間連絡を受ける体制を保険医療機関として確保 していること。

(7) 緩和ケア病棟においては、連携する保険医療機関の医師、看護師又は薬剤師に対して、 実習を伴う専門的な緩和ケアの研修を行っていること。

(8) 注2に規定する加算は、当該保険医療機関と連携して緩和ケアを提供する別の保険医療 機関(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る。)(以下本項において「連携保 険医療機関」という。)から在宅緩和ケアを受ける患者の病状が急変し、症状緩和のため に一時的に入院治療を要する場合の緩和ケア病棟への受入れを通じ、在宅での緩和ケアを 後方支援することを評価するものである。

当該保険医療機関と連携保険医療機関の間では、過去一年以内に、緩和ケアを受ける患 者の紹介、緩和ケアに係る研修又は共同でのカンファレンスの実施等の際に、医師その他 の職員が面会した実績が記録されている必要がある。

また、在宅緩和ケアを受け、緊急に入院を要する可能性のある患者について、緊急時の 円滑な受入れのため、病状及び投薬内容のほか、患者及び家族への説明等について、当該 連携保険医療機関より予め文書による情報提供を受ける必要がある。

 自分としてこの診療報酬の点数表みて気になったところは以下↓
①1日あたりの点数は薬剤などが包括だとしてもかなり高いですね。1ヶ月の入院費150万・・・・・また他にも個別の部屋代などとっていますよね。在宅の医療費と比べると約3倍(薬とかいれると2倍でしょうか)高いのはびっくり!!も少し在宅側も評価してほしいですが・・・・まあこれは仕方ないですかね。
②癌とAIDS以外の疾患を対象外としているが、ここは改善の余地があると感じています。
③在宅サイドから事前に情報提供していることあるんですが緩和ケア病棟に緊急入院となった場合200点の加算つくのは知りませんでした。ただこの加算、実際問題として現在の札幌では急変時は直接緩和ケア病棟ではなく一般病床経由で入院となること多いため画餅になっているのが実情ではないでしょうか(間違っていたらすみません)
と3点くらいでしょうか?皆さんはこの点数や内容など知っていましたか?知らなかったら是非覚えておいてもいいかも知れませんね、患者さんや家族にもおおまかに説明はできるようになるでしょう・・・
また緩和ケア病棟などの利用方法や状況に関してちょびっとだけ問題があるなと、感じることが自分はあるのですが皆さんは現状は問題があると感じることはありますか?どうでしょうか?自分は開業してからずっと以下の点が癌終末期の患者さんと緩和ケア病棟に関して札幌で気になっています。
①治療をしていた病院が状態が変化しこれ以上治療が難しくなった時、患者さんの個別性をあまり意識しないでとりあえず緩和ケア病棟、病院に紹介、終診としていること。治療終了=ホスピスに紹介、というのがパブロフの犬のような短絡的な思考となっていることが多いような気がします。(もちろん全てとはいいません)
②緩和ケア病棟は包括となっているため在宅での治療をそのまま継続することができず、入院により本人の希望が通らなくなることが散見されること
③病棟の数は足りず、また地域格差が札幌市内でもあること
④一度入院となった患者さんが自宅に帰りたいかどうか、積極的に聞き取りはしないこと。緩和ケア=病院で完結、という視点がどうしてもあるような気がします。これまで緩和ケア病棟から自宅に帰ってきた患者さんいますが、スタッフに聞き取りされるのではなく患者さんや家族からの強い気持ちからの意思発信があって可能となっています。もっと在宅⇔緩和ケア病棟を行ったり来たりできるようになればいいのに、と感じています。
ということで今日は緩和ケア病棟について在宅医としての自分がどう感じているのか、まとまりのない文章でしたが書いてみました。皆さんは何か思うところはあるでしょうか?