公開日:2017年09月05日

施設の責任と個人の尊厳と

今日もさくさくと更新です。

 

こんにちは、最近居宅の住宅での生活が難しくなった方が療養病院や特養に入所することが多くなってきていますが、その中でも一時的にロングショートを利用して生活する場合やサ高住に入所する場合があります。この場合自分達もできる範囲では診療に伺いますが・・・・・多くの場合、結構個別の住宅ではなかった困ったことがおきているんです。

大抵の場合SSや住宅では転倒の危険性がある場合、転倒のリスク>行動の自由、となり杖歩行とかできていた人が何故か車椅子での移動になったりするんです。その場合どうなるかって?そうです、もちろん下肢筋力が低下してさらなる廃用のスパイラルに陥ります。そうなると、ベット上での生活>車いすでの移動、となり車椅子にも乗せてもらえなくなります。

家族からは「先生体力が落ちてきていたんですね。住宅に入所してよかったです。」とか言われることもあるんですが・・・・・・うーん、複雑な気持ちになってしまいますね。えてしてそういう所は患者さんに外出する体力や意欲があっても駄目ですよって制限しているところが殆どです。曰く「何かあったら危険だ」「転倒したらどうするの?」とかっている奴です。正直自分が逆の立場なら・・・・・そんな所からは脱走したくなるでしょう。住宅やSSからは「○○さん落ち着かなくて出ていこうとするんです」とか「介護を拒否しているんです」とかってよく聞くんですが、そんな当たり前ですよね。

SSやサ高住に入所した場合、施設の責任と個人の尊厳との兼ね合いをその施設がどう考えているかってすごい大事な問題だと思うんですが中々そこまでご家族は考えられないですよね。少しでもそんなことを考えて問題意識をもって活動してくれる施設が増えることを望んでいます。

 

さて関連の記事の紹介です。

 

zakzakより 介護業界に衝撃 施設から抜け出し凍死、賠償2870万円 http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170905/soc1709050018-n1.html

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年--。その超高齢社会を迎える準備は、全く整っていない。そうしたなかで、静かに深刻化している問題がある。認知症の行方不明者が2016年は年間1万5000人を超え、かつてないペースで激増しているのだ。

介護業界では「施設を抜け出すこと」を意味する「離設」という言葉がある。介護施設情報誌「あいらいふ」編集長の佐藤恒伯氏は「中規模程度の施設なら月に1回は離設の事案がある」という。プロの職員が目を配っていても、行方不明者は出るのだ。

2016年9月、介護業界関係者に衝撃が走った。デイサービス施設の非常口から抜け出した76歳の女性が、3日後に施設から1.5km離れた畑で凍死した状態で発見された。遺族が施設の責任を問うた訴訟で福岡地裁は「施設職員は女性に徘徊癖があることを認識しており、見守る義務があった」として施設側に2870万円の支払いを命じた。

介護保険では、施設に「身体的拘束等の原則禁止」を求めており、部屋の施錠などについても抑制すべきとの考え方がある。

拘束は許されないが、いなくなったら責任を取れ--急増する認知症の行方不明者は、介護現場にも暗い影を落としている。

 

 

<拘束は駄目、だけど管理責任はある>これって正直両立は無理だと思います。これからは施設やSSに何を求めていくのか、きちんと考えなければいけないですね。できれはSSやサ高住でも、拘束や移動の自由はなるべくしません、だから何かあったとしてもそれは仕方ないと思って下さい、っていう施設がでてきてもいいかと思います。患者さんや家族がそれを選択できる自由がある社会がいいですよね、皆さんそうは思いませんか?自分は何かあっても尊厳をもって動きたいです・・・・・