公開日:2017年07月01日

障害のサービス利用についての話、反省とともに

この炎天下でサッカーすると本当に眩暈しますね・・・・・

 

こんにちは、先日とある在宅患者さんのケアカンファレンスに出席してきました。出席者は自分、当院SW,訪問看護師数名、区の保健師、社会福祉課の方・・・・・この患者さん、とある事情があって介護保険がなかなか使用できない状況となっており(滞納されていたみたいです)、そのために病状が進行していったときに誰がどう生活を支えてあげるのか?という点が一番の問題として存在していました。訪問看護師さんが回数多く介入してあげるのか、それとも家族の援助を期待するのか、それとも身体障害の1級の手帳をもっていたため障害のサービスを利用するか・・・ただこの患者さん、半年程前に自分が福祉課に電話したときには「介護保険に該当する年齢の方ですので介護保険を申請してそちらを利用してからでないと、当区では障害のヘルパーなどの訪問サービスは受けられません」って返答がありました。その返答も他の区ではそんなことないのにおかしいなとは思いつつ仕方ないかと思ってその時は終了していました。

そのためにこのカンファに福祉課の人出席してもらっても結局は障害サービス利用できないよな、とか自分は考えていたのですが、全員の前でこの方にとある質問がでました。

当院SW「障害のサービスの適応にはなりませんか?」

福祉課担当「申請してもらえれば検討しますよ」

・・・・・・えぇ?????

半年前に電話したとき門前払いしたのに今になってOKってどういうこと?カンファで全員の前での返答と電話での自分への返答のこの違いは?何より半年前に承認されていたら患者さんなんで半年もベット上で我慢した生活にならずに済んだのに・・・などなど色んな思いが頭を巡っていました。とはいえ自分も大人ですので全員の前でそんなこと言っても、と考えたためその場ではいつも通りニコニコしていました。

会議終了後、早速福祉課の担当の方捕まえて聞いてみました。

今「○島さん、半年前にこの患者さんのこと自分電話したの覚えてますよね」

担「覚えていますよ」

今「その時<通所系の利用ならできるかもしれませんが訪問系のサービスの利用であれば介護保険が優先なので、介護保険を申請して使用してからでないと障害のサービスの申請できない>って言いましたよね」

担「言いましたよ。でもその後そのことが間違っていたと訂正の電話をしたはずですが

・・・・・・・・

そんなこと言われたから必ず自分申請していますから絶対言ってないですって!!って思いましたが、言った言わないの話になることは間違いなし・・・・久しぶりに軽く殺意を覚えましたがぐっと我慢して「では申請と対応お願いしますね」と言って帰ってきました。

この話・・・・あとで自分で考えましたが誰が一番悪かったのでしょうか?福祉課の担当者でしょうか?当初は自分もそう考えていましたがやっぱり違いますね。一番問題であったのは、この福祉課の人の対応がおかしいなと思いつつも、制度をきちんと知らないためにそのまま引き下がってしまった自分ではないかとの結論論になりました。無知はやはりだめですね・・・・痛感しました。次回から気をつけてもっと周辺の制度や知識も身につけて行きたいと思います。

 

本日の医療ニュースはこちらです、看護師さんの死亡診断に関してですね。

m3.comより

看護師確認で死亡診断書、GL案を公表 厚労科研研究、看護師に法医学の研修などを求める

https://www.m3.com/news/iryoishin/542765

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 看護師による確認で、医師が死後24時間経過後も死後診察なしで死亡診断書を交付できるように規制緩和すべきとする政府・規制改革会議の答申を受けて、厚生労働省が実施した厚労科研費「ICTを利用した死亡診断に関するガイドライン策定に向けた研究」(研究代表者:大澤資樹氏・東海大学医学部基盤診療学系法医学領域)が6月、「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン(案)」を公表した。ガイドライン案では、確認を行う看護師に法医学研修などを求めている(GL案全文は厚生労働科学研究成果データベース)。

規制改革会議は「在宅で穏やかな看取りができないという状況が出ている。医師が対面で死後診察をしなくても、死亡診断書を交付できるように規制を見直す」として、2016年度答申で、死亡診断書に関する規制緩和を求めていた(『死後24時間後、「看護師の確認で死亡診断書を」規制改革委』を参照)。

これを受け、厚労科研研究班は、「死亡診断は医師の専任事項であり、通常医師による直接的な死亡診断が行われているが、これを実行しようとする限り、必ずしも必要ない救急搬送が行われたり、実質的に死亡している人をしばらく放置せざるを得ない状況も発生している。そこで、本研究においては、看護師が患者のもとへ赴き、死亡確認を代行し、その結果を医師に報告し、医師が死亡診断書を作成することの補助をできるように、教育・訓練を受ける研修の場を整備すること」を目的とした研究を実施した。

遠隔の死亡診断、医師法に抵触せず GL案では、ICT を利用した死亡診断等を行う趣旨は、「看取りに際して、住み慣れた場所を離れ医療施設に入院したり、死亡後に遺体を長時間保存・長距離搬送したりすることを回避することにある」と説明する。

法的には、「直接の対面診療による場合と同等ではないにしても、これに代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法第20 条等に抵触するものではない」とする通知は、死亡診断書を交付する場合にも適用されると整理。 医師が死亡に立ち会えなくても、直接対面による死後診察に代替し得る程度の情報が得られる場合には、ICT を用いて遠隔から死亡診断を行うことは法令上可能であるとした上で、「死後診察においてはどのような条件下であれば、直接対面による死後診察に代替し得る程度の情報が得られるか」を明確にするため、「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」を策定するとした。

ガイドライン案が提案する要件は以下の5点。

(a) 医師による直接対面での診療の経過から早晩死亡することが予測されていること
(b) 終末期の際の対応について事前の取決めがあるなど、医師と看護師と十分な連携が取れており、患者や家族の同意があること
(c) 医師間や医療機関・介護施設間の連携に努めたとしても、医師による速やかな対面での死後診察が困難な状況にあること
(d) 法医学等に関する一定の教育を受けた看護師が、死の三兆候の確認を含め医師とあらかじめ決めた事項など、医師の判断に必要な情報を速やかに報告できること
(e) 看護師からの報告を受けた医師が、テレビ電話装置等のICTを活用した通信手段を組み合わせて患者の状況を把握することなどにより、死亡の事実の確認や異状がないと判断できること

(a) では、死亡14日以前に「生前の直接対面での診療」が行われていることを求めている。(b)では、決められた様式の書面で、患者や家族の同意を得ておく必要あるとし、(c)については「正当な理由のために、医師が直接対面での死亡診断等を行うまでに12 時間以上を要することが見込まれる状況をさす」と定義している。

(d)で看護師には、(1)法医学等に関する講義、(2)法医学に関する実地研修(死体検案や法医解剖への参加など)、(3)看護に関する講義・演習――を課す。(e)では、リアルタイムで動画による双方向コミュニケーションが可能なデバイスを使って、心停止、呼吸停止、対光反射の消失の確認をリアルタイムで医師に報告しつつ、5分以上の間隔を空けて2回実施する。

厚労省医政局医事課によると、ガイドライン案を基に研修体制を整備し、正式なガイドラインとする方針を示している。

 

この案・・・・中途半端な気がします。離島などではいいかも知れませんが都市部ではこのままでは進まない制度。死亡診断を看護師さんにもOKとするなら中途半端に医師に確認!!なんかにしないで(というかスマホで画像確認してくださいって言われても医師も困ります)訪問看護師さんは死亡診断OKって形にするのが制度としてはわかりやすいと思います。とはいえあくまで自分は死亡診断は医師の仕事ではないかなって常々思っていますのでこの制度自体には離島、僻地などの条件がない限り賛成できないですが・・・・皆さんはどう考えますか?