公開日:2017年03月21日

コンディションの話

3月ももう半分すぎましたね・・・・・

 

こんにちは、今日は南区周りでしたので澄川や真駒内方面まで訪問していましたが、だいぶ市内も雪が少なくなり道路もいいコンディションになってきましたね。

さてコンディションといえば、在宅医療では採血に関してはどう採取した血のコンディションを保つのかが結構難しい問題となります。病院と同じように採血してすぐに検体検査にだせればもちろん問題ないですが、今回の診療のように診療開始~南区訪問~中央区訪問~診療所、まで大体長い場合は6~7時間くらいかかってしまうこともあります。(もちろん途中休憩含んでの時間ですが・・・・・)

その場合診療の最初にとった採血も診療所に戻ってから検体検査にだすことになるんですが・・・・・やっぱりすぐとったものに比べどうしても値が血のコンディションによって変わってきてしまいますね。大きく影響を受けるのはやっぱり時間、温度、そして溶血の3要素でしょうか。具体的な影響としては個人的な意見としてはK値やGOT、GPT、LDHなどが高くなる印象があります・・・・・在宅医療ではある程度値の変動があるのもしかたないのかも知れませんが、在宅医(というか自分でとった採血の値)が採血結果をみるときってここら辺の<採血とってから出すまでかかった時間>とかも考慮して考えなきゃいけないかも知れませんが他のクリニックの皆さんはどうしているんでしょうか?これから春から夏場にかけて検体の出し方も工夫が必要になるかもしれませんね・・・・

(あと血液ガスに関しては病棟で採ったときは検体機器まで走って測定に行った気がしますが・・・・・在宅ではかなりタイムラグがありますがここら辺って値としてはどの程度の時間までは正確なんでしょうか?だれか知っている人いましたら教えてください・・・・・)

 

さて本日の医療ニュースはこちら、今までこのブログでは国が24時間体制の地域包括ケアをどう進めていこうかとしているか周辺ですすんでいる話等をとりあげてきていましたが、今回は診療所側、かかりつけ医側からみた場合、現在の状況はどう見えるか?将来的にはどうすべきか?をきちんと述べてくれている記事です。両面から物事をみていくのは大事ですよね、是非ご参考にしてください。

m3.comより https://www.m3.com/news/iryoishin/512460

多様な疾患を診る開業医の現実 – 坂根みち子・坂根Mクリニック院長◆Vol.1

【現状編】かかりつけ医の適正な評価を
スペシャル企画 2017年3月20日 (月)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 「医師の働き方改革」は、病院勤務医に限った話ではない。診療所開業医にとっては、自分自身の働き方に加えて、雇用者の立場として職員の労務管理にも目を配り、改善に努めることが求められる。
今回紹介するのは、坂根Mクリニック(茨城県つくば市)院長の坂根みち子氏。常勤と非常勤を合わせ、計9人の職員は全員女性。冬期は1日に100人もの患者を診る日も多いという坂根氏。職員のスキルを高め、ITなども駆使、質の高いかつ効率的な医療を目指す坂根氏に、自身の勤務医時代の経験や苦労も含めてお聞きした(計6回の連載)。


――先生は、循環器内科医としてのキャリアを積んだ後、2010年10月に開業されました。今はどんな診療をされているのか、まず現状をお教えください。

季節によっても違いますが、冬期の患者さんは1日100人前後。外来は基本予約制で、予約外受診は間に入れます。受付時間は、早朝診療をやっているので、午前は7時30分から11時30分、午後は2時から5時30分までです。状態が比較的安定している人であれば、2カ月に1回の受診となります。それでも患者さんが多い理由の一つは、私が循環器の専門医であり、循環器疾患を軸に、幅広い疾患に対応していること。加えて、女性医師であることも理由だと思います。看護師は常勤4人、事務職員は常勤3人、非常勤2人を合わせ、計9人のスタッフは全て女性です。

風邪から循環器系の専門的な評価を必要とする患者さん、さらにはメンタル面でのカウンセリングを必要とする患者さんまで、本当にさまざまな患者さんを診ています。医療の質を維持しつつ、多くの患者さんに対応するため、ITを駆使するほか、力を入れているのはスタッフ教育。看護師は救急患者の初期対応ができるスキルを持ち、医療クラークは、私の診察内容をリアルタイムに電子カルテに入力し、他院への紹介状も8割程度は完成できる医療知識を持っています。

――大学病院からの紹介患者も多いと聞いています。

例えば、80歳代で紹介されて来た患者さんは、高血圧と不整脈に対しては、循環器内科で、心臓カテーテルアブレーション後、植え込み型除細動器(ICD)が植え込まれており、代謝内分泌内科では、糖尿病でインスリン治療をされており、腎臓内科では慢性腎臓病(CKD)を診てもらっていました。

私はかかりつけ医として、循環器内科だけでなく、代謝内分泌内科、腎臓内科などの患者さんも全て診ているわけです。専門外だからと言って、何かを省略することはできません。多疾患を抱え、さまざまな診療領域にわたる患者さんを診るのは、本当に大変で、時間もかかります。大学病院で診ていた項目はもちろんチェック、場合によっては大学病院より細かく診ているかもしれません。食事の内容や生活習慣、自己血糖測定や自宅での血圧測定の結果なども確認して、指導しています。病状が安定している患者さんでも、いつ状態が変わるか分からないので手は抜けません。

私はかかりつけ医としての今の仕事にやりがいを持っています。ただどんな診療をしても、診療報酬に差がないことは問題があると思っています。開業医の働き方改革を進めるには、カルテを基に診療内容によって診療報酬にメリハリを付けることが必要ではないでしょうか。

診療報酬は公定価格です。開業医が収入を上げるためには、(1)長時間労働して、多くの患者さんを診る、(2)検査などを行い、患者さん1人当たりの診療単価を上げる、(3)頻回に受診してもらう、(4)自費部門を充実させる――という4つの方法のいずれかを取るしかないのです。私はポリシーとして余計な検査や頻回受診は避けたいと思っており、長時間労働にも限度があります。当院で自費診療を充実させているのは、経営を安定させて、医療保険に過度に頼ることなく、良い医療を提供したいからですが、多疾患をまとめて診る場合のインセンティブも必要だと思います。

――かかりつけ医を評価する点数としては、地域包括診療料(加算)が2014年度診療報酬改定で新設されました。

地域包括診療料は、24時間対応、医師2人以上の体制にすることなどが要件であり、算定は困難です。加算の算定もハードルは高い。「24時間対応と言っても、夜間に呼ばれるのはまれだから、問題ない」と言う方もいますが、実際に呼び出される回数の多寡によらず、呼ばれることが想定される以上は、それに備えているので、「問題ない」という理屈は分かりません。未成年の子ども、あるいは介護が必要な家族がいたらなおさらです。

女性医師の割合は年々増加していますが、子育てはいまだに多くが女性の役割でしょう。女性医師が出産、育児後も仕事を継続できるようにするためには、オン・オフがはっきりする環境作りが必要。オンの時は、いつ呼ばれても大丈夫なように必ず準備しておく。もちろん、お酒も飲まない。でも、オフだったら呼ばれることがないようにする。これは男性医師にとっても、必要な環境でしょう。

しかし、医師、特にある年齢以上は、長年、「いつでも呼ばれる」という生活に慣れてしまっており、その論理で物事を考え、制度設計をしているのではないでしょうか。それは、家事も育児も他にやってくれる人がいる人の論理です。

――24時間対応をはじめ、開業医の働き方にはどんな取り組みが必要だとお考えですか。

当クリニックがある、つくば市は、茨城県内で唯一、人口当たりの医師数が全国平均を超えている自治体です。大学病院のほか、基幹となる病院が当クリニックから車で10~20分程度の場所にあります。つくばに限りませんが、開業医の働き方を考えるには、夜間や休日は救急医療体制が整っている地域の病院との連携が不可欠です。365日24時間対応を、1人医師の診療所に求めても、対応はできません。

当院では、クラウド型の電子カルテを導入しています。パソコンがあれば、患者さんやご家族は、自宅で、あるいは夜間などに受診した病院で、自分のカルテを見ることができます。容体が悪化する心配がある患者さんについては、例えば救急搬送を受け入れる医師を想定して、どんな点に注意すればいいか、終末期が近い患者さんであれば、私がどんな説明をしているかなどまで書いています。IT化が進む時代ですから、こうした仕組みを各医療機関が導入すれば、情報共有も容易です。

情報共有だけでなく、どうすれば地域連携がスムーズに進むか、他にもいろいろアイデアはあります。強力なリーダーシップを発揮する人がいて、かつ一定の診療報酬上での評価があれば実現するのでしょう。しかし、現実には、なかなか難しいですね。

――開業医が力を発揮するためには、患者さんにも、受診の仕方を考えてもらいたいと、先生は常々指摘されています。

はい。最近、気になっているのは、聞きたいことを全て聞いて帰ろうという患者さん。問題はその内容です。何か分からないことがあると不安になり、病気かもしれないからとすぐ受診。せっかく受診するなら全てを聞いて帰りたい。せっかく受診するなら、あんな薬も、こんな薬もほしい……。そのほか、主訴から考えて、「不要」と説明しても、「検査をしてほしい」と訴え続ける患者さんもいます。受診の際にご家族の医療相談をしたり、「この前の夫の検査結果はどうでしたか」と聞いてきたりする方なども見られます。

時間的に余裕があり、一定の報酬が得られれば、かかりつけ医として、可能な限り対応したい。しかし、現実には、重症な患者さんが控えていたりするので、対応には限界があります。多数のスタッフを雇用する経営者の立場として、赤字を出すわけにも行きません。公的医療は支え合いの制度。本当に必要な時に、必要な医療を誰もが受けられるようにするためには、患者さん側にも「権利」とともに「義務」もあるのです。

 

 

 

 

 

女医さんもこれからどんどん増えてきますし医師のワークライフバランスをどうとるかは本当に難しい問題です。子育てや出産などのライフイベントに併せた多様な働き方を認めつつも、持続可能な制度としてきちんとしたものをどう設計していくか、これからの課題ですよね。