公開日:2016年10月20日

薬剤師さんのフィジカルアセスメントと調剤権と

今日の札幌はヒョウが降っていましたね、気分は既に冬向かってまっしぐらです・・・・

 

こんにちは、本日もいつも通り訪問診療行っていますが、この天気、さすがに体調に結構気をつけないといけなくなってきましたね。そろそろインフルエンザの問診配り始めていますが今年から札幌市は高齢者のインフルエンザの自己負担が1400円と400円アップとなっていますので皆さんお間違いのないようにお願いします。ちなみに当院では一般の方は2500円でしていますが、例年訪問看護ステーションさんの職員さんにも打っていますので希望の方いましたらお気軽に声かけてください。(ちなみにこの値段ですが予防接種ほぼ利益なしでもいいのかなと個人的に思っていますので多分市内でもかなり安い方だと思っています・・・)

さてクリニックの建築図面の方ですがこの1か月スタッフと相談繰り返し、当初の案からかなり変更になってきました!!診察室も2診から3診体制とすることとして将来一緒に働く先生が増えた時にも対応できるようにしています。(そのかわり少し診察室せまくなりましたが仕方ないですね。)これから実施設計に入り使用する材料の選定などに関わることになると思いますが、基本的には今回の診療所、テーマは抽象的ですが「和を感じられる診療所」にしようと思っています。やっぱり僕ら日本人って深層心理には和への郷愁というか親しみというか、そんな感情があるんじゃないかなって思っています。できるだけ診療所にくる患者さんにそこを感じてもらい、安心してもらえるな建物となるように自分なりにも色々意見を出してみたいと思います。(立体模型などできましたら写真アップしますね)

 

さて本日の医療ニュースですが、先日薬剤師さんの調剤権の拡大についてブログで話をとりあげましたが、やはり自分も違和感があったように医師会の先生もおかしいと思っているようでした。医師の処方権と薬剤師の調剤権ってそもそもどこで線引きされるべきでしょうか。薬剤師さんの業務に関してですが、まずは現時点ではフィジカルアセスメントができない薬剤師さんが多いっていう前提があります。フィジカルアセスメント→鑑別疾患の列挙→診断確定→投薬、もしくはアセスメント→処方の継続っていうことを医師がしていることを考えると、投薬の一番の基本からしてできていない状況での調剤権の拡大ってどの患者さんが得をするんでしょうか?これは薬剤師さんが得をするためのみって考えての発言と判断されても仕方ないですよね。またリフィル処方箋に関しても同様だと思いますが・・・・皆さんどう考えますか?自分は在宅でのフィールドでもいいのでまずは薬剤師さんに患者さんを実際みてもらうところから始めるべきだと思います。(でもフィジカルアセスメント、やってみるとわかりますが奥が深いですよ。お医者さんでも病院でしか勤務したことない人はレベルアップまでかなり時間必要です・・・)

m3.com より  https://www.m3.com/news/iryoishin/468967

中川日医副会長、「医師の処方権と薬剤師の調剤権、全く違う」

日薬大会での健保連幸野氏の講演、問題視

「医師の処方権と薬剤師の調剤権は、どの辺りでバッティングするのか、全く違う。処方は、医師法に基づいた医師の権限であり、薬剤師は医師の処方に基づいて、薬を調剤するのであり、そこにどんな格差が生じるのか、意味が分からない。『医薬分業をゆがめている』というのは、非常におかしな話だ」

10月19日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)の席上、語気を強め、問題視したのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。怒りの矛先は、支払側委員の健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏だ。幸野氏が、10月10日に名古屋市で開かれた第49回日本薬剤師会学術大会で講演、「薬剤師の調剤権を医師の処方権の間に格差があることを問題視し、同等に近づけることが、2018年度診療報酬改定の重点課題の一つ」などと発言したことの真意を、中川氏は質した。

幸野氏は、処方せん欄に「後発医薬品への変更不可」欄があること自体が問題であり、残薬管理なども医師に疑義照会するのではなく、薬剤師の判断で対応することなどが、「調剤権の拡大」の意味であると説明。病状が安定した患者はリフィル処方で対応すれば、医療費の適正化にもつながる、などの持論を展開した。

一方、中川氏は、患者を診察して薬物治療の要否や処方薬を決めるのは、医師法で認められた医師の権利であり、医師の処方に基づき調剤するのが薬剤師の役割であるなどと主張。

「幸野発言」問題は、この日の中医協総会の議題ではなかった。両者の意見は平行線をたどり、医師の処方権と薬剤師の調剤権に対する考え方の相違が際立ったまま、議論は時間切れで終了した。

健保連理事の幸野氏の講演を問題視した、中川俊男日医副会長(右)。
 幸野氏「中医協委員でなく、個人的な発言」

中川氏は、まず幸野氏に対し、日本薬剤師会学術大会の講演で、「医師の処方権があまりに強いために、薬剤師の調剤権との格差があり、医薬分業がゆがんだ形態になった」「薬剤師の調剤権の拡大、強化が、次期診療報酬改定の重要課題に位置付けたい」などと発言したことは、事実か否かを質問。

幸野氏は講演の事実は認め、中医協委員ではなく、健保連理事として、以前からの持論、私見を話したと説明。「医師の処方権と薬剤師の調剤権の間に格差が生じていると感じている。医薬分業は約40年前から始まったが、調剤権の拡大がないままに、地理的な優位性のみで分業してきたために、薬剤師の本来機能が失われた」などの内容だったという。2016年度診療報酬改定では、かかりつけ薬剤師の機能が評価されたこともあり、「医薬品については、薬剤師は専門家。医師と同等の立場で調剤権を発揮できるように、頑張ってほしいというエールを送るつもりだった」(幸野氏)。

 中川氏「処方権と調剤権、全く違うもの」

この回答に対し、中川氏は、「健保連理事の立場」と部分を問題視。学術大会という公の場での講演であり、かつ「次期診療報酬改定の重要課題とする」とまで言及している以上、中医協委員の立場での講演であり、「個人的な見解、では通用しない」と指摘した。

その上で、「医師の処方権と薬剤師の調剤権は、どの辺りでバッティングするのか、全く違うもの」と問いかけた。「医師が処方する権利は、医師法に基づいている。薬剤師は医師の処方に基づいて、薬を調剤するのであり、そこにどんな格差が生じるのか、意味が分からない。『医薬分業をゆがめている』というのは、非常におかしな話だ」(中川氏)。

幸野氏は、(1)処方せんに、「後発医薬品への変更不可欄」があるのは問題で、医師は一般名処方をし、薬の選択は薬剤師が行うべき、(2)残薬を確認した場合には、医師に疑義照会せずに、薬剤師自らが判断すべき――などの例を挙げ、この意味で「調剤権の拡大」を提言していると説明。「病名に対して、薬を決めるのは薬剤師だ、という意味ではないが、医師が処方したものに対して、薬を選択していくのは薬剤師の仕事だ、という意味」(幸野氏)。

この回答に対し、中川氏は再び反論。「患者を診断して、どんな治療をするかを、資格として認められているのは医師であり、薬剤師には認められていない。どの薬を使うかも、医師が決める。『一般名で処方して、どの薬を使うかは、薬剤師が判断する』というのは、暴論に近い。患者を診察しない薬剤師が、どのようにして使う薬を判断するのか」。

これらのやり取りに、日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏は、次のように発言した。「調剤権の拡大ではなく、薬剤師が調剤する上で、どんな義務を負っているのかを考えていくことが必要。医師の負担軽減が重要視される中で、医師と薬剤師がお互いの理解と連携の中で、それぞれが機能を発揮する、役割を果たすことが求められている」。

 中川氏と幸野氏、リフィル処方でも意見対立

反対に、幸野氏は、「門前薬局が本当に医薬分業の正しい姿なのか」と中川氏に問いかけた。「立地優先のビジネスモデルに変わってしまった」と幸野氏は述べ、セルフメディケーションなどを支え、医療機関に受診する前に患者が利用できるような薬局が在るべき姿であるとした。

中川氏は、セルフメディケーションについては、「話が違う議論」と切り捨て、「本来薬剤師がやるべき業務、役割を果たすことが第一」と安部氏の発言を支持。医薬分業については、「大賛成ではなく、むしろ患者にとってデメリットも多い。しかし、国の政策として進めてきた以上、できるだけ支障のないように改善していきたい」と回答した。

話を幸野氏の講演に戻し、「リフィル処方が導入されれば、再診料や処方料が不要になるから、医療費が削減される、とまで言っている。これも看過できない。医科の技術料が調剤料に移行するだけで、医療費は削減されない。慎重な発言をお願いしたい」と中川氏は問題視した。

幸野氏はこれに対し、次のように回答した。「リフィル処方は絶対に悪くない制度だと思う。病状が安定し、薬剤師の範疇で管理できる患者については、リフィル処方で管理するのが在るべき姿。なぜ毎月、医療機関を受診して、再診料や処方せん料を払わなければいけないのか。保険者から見れば、疑問。病状が安定している患者については、そうした仕組みを入れて医療費に適正化につなげるのは当たり前の考え方」。

 

 

って午後も寒いからコーヒー飲んで出撃です、皆さん頑張りましょう・・・