公開日:2016年10月10日

医療とお金の問題は切り離せないですね

子供に風邪をうつしてしまったかもしれません・・・・・自分はすっかり良くなりましたが

 

こんにちは、本日はさくさくと記事のみ更新です。

当院でも化学療法を行いながらも在宅でのケアを受けている方いらっしゃいますが、確かにこの記事にあるように抗がん剤などの医療にかかるお金、これは若年者だとかなりの負担感ですよね。自分も開業してからは医療とお金の問題、本当に気を使って診療していますが病院の先生はそこまで困っているのって肌感覚ではわからないと思います。でもこれは現状の医学教育や卒後研修などを考えると仕方ないか・・・・・

今後は国民皆保険制度も含め、医療の問題はお金の問題ときっても切り離せなくなると個人的には思いますが皆さんはどう思いますか?

朝日新聞digitalより http://www.asahi.com/articles/SDI201609298678.html?iref=com_apitop

ダブルワークでがん治療の厳しさ ある乳がん患者の選択

アルバイトやパート、派遣など正社員ではない非正規雇用として働く人は、男女とも珍しくない時代です。今は、ダブルワークの人もいます。がんと仕事の両立という問題は、必ずしも1社の労務部門や職場の理解が得られればいいということではありません。東京都練馬区のコピーライター、須田浩美さん(56)は、「おひとり様のがん」(http://www.asahi.com/articles/SDI201608094231.html)の記事に出てくる「自分のからだのことの次は、命ではなくお金のこと」という指摘に、「ものすごく共感できます」というメッセージを送ってきてくれました。(アピタル編集部)

56歳未婚女性です。

2014年9月に受けた区のがん検診で、乳がんが見つかりました。検診を受けたのは駅近くのクリニックでしたが、マンモグラフィーの画像は私が見てもがんと分かるほどくっきりしていました。ステージ2でした。治療をするにあたり、医師は「大学病院でも、どこでも紹介しますよ。遠慮しないで言ってください」と言われ、押しつけることなく丁寧な対応だったので安心したことを覚えています。

友人の乳がん経験者は、乳腺外科の専門医のリストを送ってくれました。そのリストから治療する病院を選ぶ時の基準は、「近い」「抗がん剤治療の専門家でもあること」でした。

私の仕事は、フリーのコピーライターですが、レギュラーの仕事を持っていても、それだけでは生活は成り立ちません。飲食店のホールスタッフといったパートタイムの仕事を掛け持ちするダブルワークが基本です。がんと診断されたときはたまたまパートの仕事を辞めていましたが、本業は一切、休むことは考えませんでした。レギュラーの仕事は、制作プロダクションとの打ち合わせがあるものの、フリーのチームで仕事をしていて入院時は他の方に代わりをお願いできる状況だったことと、自宅で仕事ができたので続けることができました。

術前の外来化学療法として、抗がん剤治療を半年間受けました。毎日、ノートに「吐き気・嘔吐」や「食欲不振」、「口内炎」などの副作用をチェックしていました。血管炎の痛みやしびれはありましたが、私は比較的楽だったのかもしれません。

入院は6日間、退院後も2週間は休みました。ただ、仕事関係の人たちには、病気のことは言いませんでした。気をつかわせるのが嫌なうえ、先方が「体調が悪くなって仕事がキャンセルされたら困る」と考えて、仕事を失っていくのが怖かったので言わない方がいいと考えました。

独身のうえ、勤務していた制作会社がバブル後に倒産した後は、フリーで仕事をしてきたため、お金もほとんどありませんでした。がんと診断された時に困ったのは、最終的に治療にいくらかかるのか見当がつかないことでした。

桜井なおみさんの連載「がん、そして働く」の記事「おひとり様のがんの厳しさ」(http://www.asahi.com/articles/SDI201608094231.html)に出てくるアンケート結果にあったおひとり様の【将来への不安】にみられるように、「自分のからだのこと」の次は、「命」ではなく「お金のこと」という回答が多いという傾向には、ものすごく共感できます。

フリーで仕事をしていて、もともと収入が低く不安定なところへ抗がん剤の治療費と分子標的薬(ハーセプチン)の費用は高額療養費制度を利用させてもらってもかなり負担が大きかったです。高額療養費制度も変わり、所得に応じて上限額の段階も増えました。私の月の限度額は高くはありませんが、術前化学療法と手術、術後の補助療法(分子標的薬投与)を経て、今年の7月、なんとかすべての治療を終えることができました。乳がん治療にかかった私の自己負担分を計算してみると総額は100万円近くになっていました。

医療共済という入院と手術に対して給付金がでる保険には入っていましたが、がん保険には入っていなかったので蓄えを切り崩しての治療と生活でした。手術後2ヶ月で、またダブルワークの生活を始めました。

今振り返ると、わずかでも貯金があったので治療できたと思います。高額療養費制度があっても、「この治療ムリ」と感じる患者はいると思います。生活にゆとりがあって、毎月10万円の貯金をしていて、がんになったからそのうちの6万円を毎月の治療費に充てようという家庭ならいいですが、収入と支出がとんとんで生活している家庭にとってはお金の問題は大きな問題です。

術後に始めたアパレルの販売員の仕事は、ハーセプチンで副作用がなかったため、できたのかもしれません。それでも、1日中、立ち仕事はからだにきました。結局、1年で辞めました。

今、通院は半年に1回になりました。病院に支払うお金の心配をしなくて済むようになったので、ストレスはなくなりました。治療中は「なんとか治療費を支払わないといけない」「家賃を支払わないといけない」と思う気持ちが、逆に私を支えていたのだと思います。

この先、再発を含め、何が起こるか分かりません。なるべく考えないようにしていますが、高額療養費制度があっても、この先また化学療法などで高額な治療費が必要になったら、とうてい払えません。

家族の収入に頼れない単身だからこそ、何かしら経済的救済措置がほしい。結婚・子育てもせず自由に生きてきた身で、これは勝手な言い分かもしれませんが。

 

って金曜の講演会の資料、これから本腰いれてつくりますー