多職種連携で必要なことって情報共有ツール?
暑さのせいで車中でパソコン操作するの、かなり厳しい季節になってきました・・・・
こんにちは、連休明けということもありすっかりブログ更新するの遅くなってしまいました。やっぱり2,3日書かないでいるとそれが普通になってしまいますね (端的に言うと更新がおっくうとなってしまいます・・・) 気を引き締めて継続して在宅医療の情報発信していきたいと思います。
さて閑話休題、この1,2週間、世界的にはポケモンのアプリが爆発的にヒットしているみたいですね。ゲームと現実世界を行ったり来たりって確かに見聞きする情報みるとかなり面白そうな印象ありますが皆さんはやってみたいですか?(ちなみに自分はポケモンって全く知りません、ピカチュウくらいでしょうかね・・)スマホの位置情報を利用してるみたいですがITってこれから先どの分野でどんな進歩もたらしてくれるんでしょうか?自分が子供のころの30年前には現実世界でのゲームって全く考えられなかったことが今現実になってきているのでわくわくしてきます。
さてそんなITですが医療の分野でもどんどんその役割拡大に加速がついてきている印象です。最近どの病院に行っても病診連携であったり地域連携とかっている話がでてきていますが、その時の情報共有の方法は大抵右記のケースがほとんどではないかと思います。①病院から診療所にPC渡す→②その指定のPCから病院カルテの指定の患者さんのカルテを閲覧できる→③採血結果や画像所見のみ診療所の職員が確認できる、って感じです。うーん、個別情報のアクセスや個人情報の問題はあるのですがこれでは正直情報共有の第一歩としても厳しいかなって気がします。薬事日報に病診だけではなく地域包括ケアの中での情報共有のためのITの利用の記事がでていましたので紹介します。
薬事日報より
【エーザイ】医療・介護分野で多職種連携事業を開始 http://www.yakuji.co.jp/entry52130.html
エーザイと、NTTアイティ、NTT東日本は11日、医療・介護における多職種連携事業を開始すると発表した。2025年をメドに、重度の要介護となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けていくための地域包括ケアシステム構築が政府のもとで推進される中、3社は医療従事者と介護従事者が連携するための情報共有基盤からその後の連携支援までをサポートする。
今回の3社協業は、NTT東日本とエーザイが品川区の多職種連携研究会「品川Dementiaネットワーク研究会」の協力を得て、2014年5月から昨年1月までの間、品川区の医師会と共同で、多職種の関係者によるICTパイロットシステムのトライアルを行ったのがきっかけ。パイロットシステムを用いて患者のフォローアップを行うことにより、日常生活動作の向上、要介護度の改善が観察されるような事例が認められ、品川区を含む全国16カ所で行ったトライアルでも、在宅患者の課題把握やその解決に有用である結果が示された。
これを受け、本格的な多職種連携事業に参入する。 ・・・・・・・
との記事でした。
ちなみにこれを企業側のHPで読むとこうなります。
NTT東日本より https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20160711_01.html から
NTTアイティ、NTT東日本、エーザイによる医療・介護における多職種連携事業の展開について
エヌ・ティ・ティ アイティ株式会社(神奈川県横浜市、代表取締役社長:長谷雅彦、以下「NTTアイティ」)、東日本電信電話株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:山村雅之、以下「NTT東日本」)、およびエーザイ株式会社(東京都文京区、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下「エーザイ」)は、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることを目指した「地域包括ケア」の実現に向けて、医療・介護における多職種連携事業を2016年7月11日(月)より本格的に展開いたします。
本展開にあたって、NTTアイティは、患者のケア目標や方針および日々の医療・介護・生活情報を、医療従事者、介護従事者とご家族が一体となって共有できるクラウド型多職種連携サービス 「ひかりワンチームSP」※1を提供し、NTT東日本は、「フレッツ光ネクスト」や「ギガらくWi-Fi」など最適な通信サービスを提供するとともに、安心・安全を届ける地域医療への貢献をめざすエーザイは、ケア目標の設定や課題抽出について話し合う症例検討会のアレンジおよび解決事例の共有などの連携支援「ワンチームコーディネーション活動」に取り組んでまいります。
今後、本事業の展開により、患者の長期的な在宅療養をサポートすることが可能になり、医療・介護の水準向上や改善、患者のQOLや安心感の向上、社会保障費の負担軽減等に繋がると考えられます。
- ※1「ひかりワンチームSP」はNTTアイティが商標登録出願中です。
背景
政府は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進しています。認知症や骨粗鬆症など生活機能の障害となる疾患を抱える高齢者の在宅療養を可能にするためには、在宅患者を支える医療従事者と介護従事者の連携が強く求められています。
在宅医療においては、医療従事者と介護従事者に加え、患者のご家族など、多職種の関係者が関わるため、多忙な日常業務の中での、迅速かつ的確な情報共有が課題となっていました。
このような背景のもと、NTT東日本とエーザイは、品川区の多職種連携研究会「品川Dementiaネットワーク研究会」の協力を得て、2014 年 5月 から 2015 年 1 月の間、品川区の医師会と共同で、多職種の関係者によるICTパイロットシステムのトライアルを行いました。本トライアルにおいて、パイロットシステムを用いた患者のフォローアップを行うことにより、日常生活動作の向上および要介護度の改善が観察されるなどの事例が認められました。さらに、品川区を含む全国16ヶ所で行ったトライアルにおいても、パイロットシステムが在宅患者の課題の把握やその解決に有用であるという事例が認められ、多職種間における双方向の情報交換によるチームの一体感醸成についても評価を得ています。これらの成果・ノウハウを生かして、2016年7月11日より多職種連携事業を展開することといたしました。
各社の役割
- <NTTアイティ>
- これまでのトライアルのノウハウをベースに開発した多職種連携サービス「ひかりワンチームSP」を、サービス提供事業者として7月11日より販売開始します。
- <NTT東日本>
- 医療・介護事業者等に対し光アクセスサービス「フレッツ光ネクスト」、サポート付き簡単オフィスWi-Fiサービス「ギガらくWi-Fi」、モバイルデバイス一元管理サービス「スマートデバイスマネジメント」などの最適な通信サービス等を提供します。
- <エーザイ>
- 「まちづくり」支援活動等を通じて蓄積された多職種連携支援のノウハウを有し、「安心・安全を届ける地域医療」への貢献をめざすエーザイのワンチームコーディネーターが、本サービスの紹介、ケア目標や方針の設定や課題抽出について話し合う症例検討会のアレンジおよび解決事例の共有などの一体的な連携支援「ワンチームコーディネーション活動」を行います。
「ひかりワンチームSP」の概要
- (1)サービス概要NTTアイティの提供する、医師・薬剤師・看護師・ケアマネジャー・ヘルパーなどの多職種間で、患者のケア情報を、簡単に情報発信・共有できるサービスです。多忙な日常業務の中で無理なく続けられる連携の仕組みとして、日々の運用はモニタリング項目のチェックと報告を中心としています。詳細情報は特記事項と連絡帳で報告共有できます。これにより、ケアに関わる医療・介護スタッフが、患者のケア方針を共有し同じ視点でケアに取り組むことができ、また情報が整理されているため、忙しくてもチェック負担が少なく重要な状態の変化の見逃し防止効果があります。
- (2)サービスイメージ
- (3)特徴特徴1:モニタリング機能
~患者ごとにチームで見守り、変化をいち早く見つけます- ①患者ごとのモニタリング項目を日々チェック。色分け表示により、忙しくてもひと目で変化を把握
- ②認知症などに関する項目設定(服薬における注意事項、BPSD(行動・心理症状)等)
- ③日々のバイタル情報を自動で取り込み、チェック可能(2016年秋以降提供予定)
<画面イメージ(モニタリング項目の色分け表示)>
特徴2:ワンチーム支援機能
~多職種チームが一体となって患者をケアするための支援をします- ①各メンバーの日々の活動状況が分かり、モチベーションをUP
- ②チームで決めたケアの方針や対応策を常に表示・確認し、一体感のある質の高いケアを実現
- ③ご家族もチームの一員として参加(家族連絡帳)、見守られている安心感を醸成
<画面イメージ(多職種チームによる日々の活動状況確認)>
特徴3:高セキュリティ
~NTTグループの高い技術によりプライバシーを守ります- ①3省ガイドライン※2に準拠。さらにクライアント認証による使用端末の限定、通信の暗号化による漏洩防止
- ②高セキュリティなNTTグループのデータセンターで運用、国内複数拠点でのバックアップにより災害時も安心
- ③職種によるアクセス制限に加え、長期未使用のIDを自動でチェックし、不正ログインを防止
- ④モバイル端末の紛失・盗難時には、遠隔ロック、リモートワイプなど安心のセキュリティ機能(オプション)が充実
- ※2厚生労働省、経済産業省、総務省が定めた、医療情報を扱う医療機関および外部委託された情報処理事業者が遵守すべきルール。
(1)医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(厚生労働省)、(2) 医療情報を受託管理する情報処理事業者における安全管理ガイドライン(経済産業省)、3)ASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン(総務省)、(4) ASP・SaaSにおける情報セキュリティ対策ガイドライン(総務省)
- (4)提供料金初期費用: 5,000円(税抜)
月額利用料 1登録者につき※3:500円/月(税抜)- ※3ご契約者単位の登録患者数に応じた課金です。多職種の数は無制限です。
最低利用患者数は5患者からです。
- ※3ご契約者単位の登録患者数に応じた課金です。多職種の数は無制限です。
- (5)提供開始日2016年7月11日(月)より
ちょっと長くなりましたが全文引用しています。自分がこの記事読んで思ったこと・・・・それはこれは実際の運用はかなり厳しいんじゃないかなってことでした。まず第一にこのサービス使ったとしても使用目的が情報共有そのものになる可能性があるんじゃないかって気がしますがどうでしょうか。そこからさらに踏み込んだ話をするのであったりより詳しくケアのことについて話をするのであれば結局は従来のサー担などのように顔を合わす以上の効果的な情報共有ってないような気がします。なんたって医療介護は究極の個別的な”サービス”(言い方悪いですが)ですので電子情報だけでとてもじゃないけどわからないこと、現場で他の職種と話して理解できることいっぱいあります。ちなみに自分もヘルパーさんとかから色々情報連絡は入りますが基本的には人から聞いた情報でも本当にそうなのかは自分で確認するって作業は絶対必要じゃないかなと思っています。次に更新する手間、これって利用者が1人や2人であったらいいと思いますがうちの診療所のように300人近く在宅患者さんみている診療所であれば・・・・ええ誰が随時更新される情報全体を把握するのかって問題でてきますし、どうやって300人分の情報発信するのかってのも大問題です。というか現実的には不可能ではないでしょうか・・・・・
またこのサービス本当に色々作りこまれているんでしょうが逆にそれが実運用上の足かせになる可能性、自分は高いのではないかなって気がします。 (できれば本当にシンプルな形にしたほうがいいと思うんですが、そうだと逆にお金とれなくなるんで企業としては難しいでしょうか・・・・・) これだけ多職種が参加できる形というのは理想といえば理想ですが、逆に利用する各職種にとって不必要な情報が多くなるんではないかと感じます。いわゆる情報過多でパンクしちゃうってやつです。ITの分野のいいところは全ての情報をもれなくタイムリーに共有できるってことですが、こと地域包括ケアの中での運用となると問題点はおおそうですね。・・・・・ええ、個人的な感想としては5年後10年後には結局face to faceの機会をどれだけ増やすことができるかってことが、ケアを提供するプロセスにおいて情報共有のツールつくるよりも重要なんだねってことが再認識されるような気がしますが皆さんはどう思いますか?
じゃあ対案だしてみろって言われたらたくさん多職種で顔をそろえて話する機会をつくりましょうってくらいしか言えないんですが・・・・でも医療の本質的なところって変わらないからそれが正解なんだと思います・・・・10年後の自分はどう考えているでしょうか・・・・
ってぐだぐだと長くなりましたのでここらへんで今日は終了です・・・・