自宅で最後まで過ごすことは現代では難しいのでしょうか

読売新聞の記事で”QOD 生と死を問う”という記事がありましたのでご紹介します。文中にでてきていますがターミナルケアが必要な人を在宅介護していくことが困難であると考える一番の理由は<家族に負担がかかる>と<急変時の対応>とのことでした。自分の経験からいくと前者に関してはある程度ヘルパーや訪問看護でも対応可能ですし、後者に関しても診療や看護で対応可能と考えています。

何が在宅で最後まで過ごすことを妨げている一番問題なのか、自分は看取りプロセスのアウトソーシングが進んだ結果、死というものを日常から断絶したものとしてしまったこと、結果として死への恐怖が漠然として迫ったときにそれを受け止められなくなることが最大の原因と思います。病状が進行し体力が低下すれば動けなくなることは避けられませんが、そのような状態になったときにきちんと病状を認識できる患者さんはそう多くないと経験からは思います。

在宅介護での看取りのプロセスにおいて、最後のその不安感をとってあげることができるのは医師でしょうか、看護師でしょうか、それとも岡部先生がいうように臨床宗教師でしょうか?皆さんはどう考えますか?

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160411-OYTET50037/?catname=news-kaisetsu_kaisetsu-kikaku_rensai より引用しています。

[QOD 生と死を問う]家で看取る(中)訪問看護・介護フル活用

老衰と末期がんのため相模原市の自宅で1月、90歳で息を引き取った山本節子さん。訪問看護師らの支援を受けながら 看取みと った長女の由香さんは、介護とフルタイムの仕事を両立させた。日中、自宅で1人だった節子さんをどのように支えたのか。

 「介護施設かホスピスを探した方がいい」。昨年7月、節子さんに末期がんが見つかった時、病院の医師はそう告げた。だが、由香さんは、節子さんの希望をかなえようと自宅療養を選んだ。

 当時、節子さんは食事などの介助が必要な「要介護3」。由香さんはケアマネジャーと相談し、家族がいない日中の見守りも兼ね、毎日約2時間おきに看護師や介護士が訪れる体制を組んだ。訪問看護は、24時間対応の「楓の風」に依頼。8事業所で年間約350人を看取る実績があった。

 コミュニケーションの要となったのが「連絡ノート」だ。由香さんは出勤前に節子さんの食事を作り、ノートに着替えの指示などを書いた。看護師や介護士は、日中の様子や会話の内容を細かに記した。介護士の吉川千恵子さんは「節子さんを中心に全員が一つのチームとなった」と言う。

 心配だった費用も、訪問時間を1回30分と短くしたため在宅医療も含め月3万円程度で済んだ。「本人や家族との信頼関係がうまく築けたので、効率よくケアできた」とケアマネジャーは話す。

 残業がある日や出張時は、単身赴任中の夫が有休を使って帰ったり、介護保険外で全額自己負担の見守りサービスを使ったりした。1時間1200円かかったが、「施設に入ったら月20万円以上かかるから、高いとは思わなかった」と言う。このサービスを使い、外食など息抜きもできた。

 厚生労働省の調査では、自宅で最期まで暮らすことが困難な理由は「家族に負担がかかる」が最も多く、次いで「急変時の対応が不安」だった。

 節子さんの急変時はどうだったのか。

 昨年10月9日。由香さんは普段通り7時前に出勤した。介護士が8時半に訪れ、節子さんは朝食を取った。ところが11時半に介護士が訪れると、下半身から大量出血。駆けつけた看護師が処置して落ち着いた。しかし、夕方再び出血したため、危険と判断した看護師が医師に連絡。医師は由香さんに「病院がいいなら救急車を呼んでください。自宅で看取りたいと考えるなら今から行きます」と告げた。

 「病院へ行ったら何をしてもらえるの」。急いで帰宅し、パニック状態の由香さんに、看護師は「できる処置は恐らく輸血だけでしょう」と説明した。病院に運んだとしても、できることはほとんどないと知り、救急搬送はしなかった。

 「自宅でも急変にきちんと対応してもらえた。信頼する看護師が見通しを示してくれたから冷静に判断でき、母の願い通り家での暮らしを続けられ、自然な死を迎えることができた」。由香さんは、そう痛感している。(山本節子さん、由香さんは仮名です)

希望がかなう人少数

 自宅で最期までと望んでも、希望がかなう人は、まだ少数だ。

 在宅生活を支えるNPO法人「渋谷介護サポートセンター」のケアマネジャー、 纐纈こうけつ 恵美子さんは「確かに難しいケースはある。だが、多くは自宅で最期を迎えることは可能。本人と家族が覚悟を持ち、意思を示してくれれば、支える方法はいろいろある」と話す。

 コツは、早い段階から訪問リハビリや訪問介護を利用して、家で生活する力をつけること。介助があれば亡くなる直前までトイレに行ける人は多いという。介護家族のためにも、自費サービスの利用を検討したい。介護事業者に相談すれば大抵応じてもらえる。近所の店やコンビニの宅配など、便利なサービスも活用できる。

 訪問看護師や在宅医から「最期はどのようになるのか」など、今後の見通しをしっかり聞くことも大切だ。残された時間を悔いなく過ごすことができる。

 ◎QOD=Quality of Death(Dying)

 (大広悠子)