癌末期の方の在宅療養について
最近、というかこれまでと同様に癌患者さん、特に末期の方の在宅療養、在宅緩和ケアにはできるだけ注力するようにしています。なぜなら癌末期の患者さんの時間は短く、しかも病状自体が進行性に悪くなるから、できるだけ自宅でいい時間を過ごしてほしいため積極的にできるだけ早く当院に相談があり次第素早く介入するようにしています。
ただ最近、というかこの3,4年あまり変わらない風潮ですが、やはり癌患者さんが大きな病院から紹介されてくるタイミングは本当にギリギリのことが多くなってきています。帰ってきても1週間しか自宅で過ごせない患者さん、帰った途端にせん妄がひどく鎮静の話をいきなりしなければいけない患者さん、帰ってきたのはいいけれどADLが落ちていて自宅でしたいことができない患者さんなど本当に様々です。その患者さんを自宅でみて在宅でフォローしていくのは病院勤務の先生にはわからないでしょうが結構在宅側では負担が大きいです・・・でもこれは頑張らないといけないといつも心に思って診療しています。
いつまでも治療をするのか、いつになったら治療を辞めるのか、そのタイミングをいつにするのか治療医の考え方が大きな影響を与えると思うのですが、現状の病院の医師の考えとしては時間がないこと、ガイドラインが主流をしめていること、もありどうしてあげるのがその患者さんにとって一番いいことなのかそこまで考えてくれている先生は少数だと思います。
「まさかこんなに早く病気が進む(死ぬ)とは思わなかった・・・」と患者さんや家族が思わないような、きちんとしたケアができるようになればいいですね。
患者さんやご家族であれば何か相談があれば近くの訪問看護さんや訪問診療のDrに気軽に聞いてみてみるのは一つの手だと思いますよ。遠慮しないでコンタクトしてみてください。在宅医療者はいつでも患者さんのそばにいます・・・・