公開日:2016年02月14日

在宅医療は本当に普及しているのでしょうか

診療報酬改定など在宅医療への推進は国をあげて行われていますが、本当に在宅医療の普及と啓蒙はすすんでいるのでしょうか。自分としては、どんな病気があろうが、身体的な問題があろうが自宅で過ごしたいと考える人は絶対に自宅で生活できるようにすべきだ、特に余命が限られ自宅で死にたいと思っている人ならなおさらそうだ、と考えこの5年近く診療を黙々と継続してきましたが、やはり病院からの自宅への復帰は未だ札幌ではその絶対数は少ない、この5年でも増えていないと考えています。特に在宅という選択肢自体未だに患者さんや家族が知らないことがままあります。

本当に自宅に帰してあげたいと急性期病院の医療者(特に看護師さんが一番大事と考えていますが)は問題意識をもっているでしょうか?またそうでないならどのように意識を変えることができるでしょうか。今後どうしたら施設や療養病床でなく、自宅に帰り住み慣れた住環境で生活できる患者さんが増やすことができるでしょうか。どうしたら現状を変えることができるでしょうか、いつも自分に問いかけています。

診療報酬の改定は確かにありますが、自分の考えとしては今一番求められているもの、大事なことは病院に勤務する医療者の考え方の変化ではないかと考えます。これが変わらない限りいくら制度を整えても現状からの大きな変化は望めないと思います。

自分ができることは限られていますが、せめて札幌では自宅に帰りたい人は絶対に帰れるようになれる医療環境を作っていきたいと思っています。病院で勤務する医療者の方で在宅医療を見学したいと思っている人は遠慮せずに連絡ください。できる限り在宅医療の現状を話し、知ってもらいたいと思います。