来年度の改定にむけての議論が本格化しています~薬局の役割~
来年度の改定にむけての議論が活発化しています。何度か触れていますが薬局についても地域の健康管理の拠点としての役割が今後求められるようです。質の高い地域包括ケアシステムを構築するためには、OTC薬の種類の増加や薬局での自己採血と健診を認めるなど地域での役割が大きくなるのはある程度はいいのではないかと個人的には思っています。薬剤師さんに求められる能力や責任もどんどん大きくなってきますね。今から先をみすえて準備をしっかりとする必要ありですね。
医師と薬剤師の関係も今後どうなるのでしょうか。診療報酬の議論を俯瞰しながら継続して観察、将来を考えていきたいと思います。
m3.com https://www.m3.com/news/iryoishin/347106 より
「医師、薬剤師の『横並び』の立場必要」との意見も
地域の健康情報拠点として薬局・薬剤師を活用するための方策を話し合う厚生労働省「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」(座長:西島正弘・昭和薬科大学学長)の第4回会合が8月7日に開催され、かかりつけ薬局機能について、議論が行われた(資料は、厚労省のホームページ)。前回から、仮称に「健康づくり支援薬局」が使われている。
多職種連携が議論の一つになり、日本薬剤師会副会長の森昌平氏は「どう評価するかは難しいが、地域の薬剤師会に入っていればできる。そのための職能団体」と述べた。欠席したNPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は書面で、「薬局とかかりつけ医が横並びの立場で(薬剤師が医師への遠慮を露骨に見せることのない)意見交換している関係づくりがないと、本当の意味で連携しているとは言えない」と指摘した。
これまでの議論で、健康づくり支援薬局(仮称)の考え方は「かかりつけ薬局の機能+積極的な健康サポート機能」と整理されている。制度化に当たり、どのような要件を課すべきかについて議論が入っており、この日は「かかりつけ薬局の機能」がテーマだった。厚労省医薬食品局総務課が提示した資料では、「かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師の必要性について」など、かかりつけ薬局とかかりつけ薬剤師について、言葉を分けつつも、両者の役割などについては使い分けることなく使用している。
かかりつけ薬局の機能として「情報を一元管理する機能」が挙げられた点に関連して、日本在宅ヘルスケアアライアンス議長の新田國夫氏は「一元管理は当たり前の話で、『かかりつけ医と共有して』という言葉の入れるべき」と指摘。同時に「日本医師会もかかりつけ医を作ってもらうよう努力する必要がある」と述べた。
「24時間対応」については、厳しく求めると広まらないという指摘がされ、産経新聞社論説委員の佐藤好美氏は「(電話などでの)24時間対応と緊急対応を分けて考えるべき」と示した。
日本医師会常任理事の羽鳥裕氏は「医療機関から見るとまだ薬局への不信感がある。例えば患者のために安い後発医薬品を処方しても、薬局で薬価差益の大きい高い後発医薬品を出す事例がある。次の診療報酬改定で対応すべきだ」と述べた。
また、羽鳥氏は、薬局の改築・新築時に不動産取得税の軽減措置が検討されている状況に関連して、「そのために健康づくり支援薬局(仮称)が使われるとしたら許せない」と疑問を呈した。厚労省医薬食品局総務課は「セルフメディケーションの推進のため、不動産取得税の特例措置が検討されている。どのような薬局が対象になるかは今後議論されるが、この検討会での基準が使われていくと考えている。ただ、この会は薬局の役割を考えるためで、不動産取得税の軽減など優遇措置を設けたいがために議論をしているわけではない」と理解を求めた。
次回は8月26日に開催される。