今後の医療政策について①
さらに資料を提供します。時間ある方確認してみてください。
第11回経済財政諮問会議 http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0630/agenda.html
資料1 「経済財政運営と改革の基本方針2015」(案) http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0630/shiryo_01.pdf
P30から
[1]社会保障
(基本的な考え方)
社会保障分野については、社会保障・税一体改革を確実に進めつつ、経済再生と財政健全化及び制度の持続可能性の確保の実現に取り組み、世界に冠たる国民皆保険・皆年金の維持そして次世代へ引き渡すことを目指した改革を行う。
改革に当たっては、国民の納得感を醸成し、その参加の下に改革を進める観点から、インセンティブ改革による多様な主体の行動変化による効率化に取り組むとともに、民間の力を最大限活用して関連市場の拡大を実現することを含め、社会保障関連分野の産業化に向けた取組を進める。
また、①自助を基本に公助・共助を適切に組み合わせた持続可能な国民皆保険、②経済成長と両立する社会保障制度、③人口減少社会に合った公平で効率的な医療等の提供、④健康で生きがいのある社会、⑤公平な負担で支え合う制度という基本理念に基づいて取り組む。
増大していく公的社会保障の給付について、効率化・重点化のための改革を行い、経済再生の取組による社会保障財源の増収と併せ、少なくとも、社会保障における次世代への負担の先送りを拡大させないようにする。
安倍内閣のこれまで3年間の経済再生や改革の成果と合わせ、社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸び(1.5兆円程度)となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を2018年度(平成30年度)まで継続していくことを目安とし、効率化、予防等や制度改革に取り組む。この点も含め、2020年度(平成32年度)に向けて、社会保障関係費の伸びを、高齢化による増加分と消費税率引上げとあわせ行う充実等に相当する水準におさめることを目指す60。
(時間軸)
社会保障・税一体改革を確実に進めるとともに、団塊の世代が後期高齢者になり始める2020年代初め以降の姿も見据えつつ、主要な改革については2018年度(平成30年度)までの集中改革期間中に集中的に取組を進める。2020年度(平成32年度)までの検討実施に係る改革工程を速やかに具体化していく中で、予断を持たずに検討する。平成
27年度からできる限り速やかに取組を進める。
(医療・介護提供体制の適正化)
都道府県ごとの地域医療構想を策定し、データ分析による都道府県別の医療提供体制の差や将来必要となる医療の「見える化」を行い、それを踏まえた病床の機能分化・連携を進める。その際、療養病床については、病床数や平均在院日数の地域差が大きいことから、入院受療率の地域差縮小を行い、地域差の是正を着実に行う。このため、慢性期の医療・介護ニーズに対応するサービス提供体制について、医療の内容に応じた制度上の見直しを速やかに検討するとともに、医療・介護を通じた居住に係る費用負担の公平化について検討を行う。また、人口構造の変化や地域の実情に応じた医療提供体制の構築に資するよう、地域医療構想との整合性の確保や地域間偏在等の是正などの観点を踏まえた医師・看護職員等の需給について、検討する。
外来医療費についても、データに基づき地域差を分析し、重複受診・重複投与・重複検査等の適正化を行いつつ、地域差の是正を行う。
これらの取組を進めるため、地域医療構想と整合的な形で、都道府県ごとに医療費の水準や医療の提供に関する目標を設定する医療費適正化計画を策定する。平成27年度中に、国において目標設定のための標準的な算定方式を示す。これらの取組を通じて、都道府県別の一人当たり医療費の差を半減させることを目指す。
医療・介護に関する計画については、中長期的な視野に立った工程管理を行う観点からPDCAマネジメントの実施を進める。
都市・地方それぞれの特性を踏まえ、在宅や介護施設等における看取りも含めて対応できる地域包括ケアシステムを構築する。また、人生の最終段階における医療の在り方の検討を行う。かかりつけ医の普及の観点からの診療報酬上の対応や外来時の定額負担について検討する。看護を含む医療関係職種の質評価・質向上や役割分担の見直しを検討する。
改革に取り組む都道府県を重点的に支援する観点からの地域医療介護総合確保基金の平成27年度からのメリハリある配分や、医療費適正化計画の進捗状況等を踏まえた高齢者医療確保法61第14条の診療報酬の特例の活用の在り方の検討、機能に応じた病床の点数・算定要件上の適切な評価、収益状況を踏まえた適切な評価など平成28年度診療報酬改定及び平成30年度診療報酬・介護報酬同時改定における対応、都道府県の体制・権限の整備の検討等を通じて、都道府県の行う病床再編や地域差是正の努力を支援する。これらの施策について可能なものから速やかに実施する。
(インセンティブ改革)
全ての国民が自らがんを含む生活習慣病を中心とした疾病の予防、合併症予防を含む重症化予防、介護予防、後発医薬品の使用や適切な受療行動をとること等を目指し、特定健診やがん検診の受診率向上に取り組みつつ、個人や保険者の取組を促すインセンティブのある仕組みを構築することが重要である。
このため、保険者については、国民健康保険において、保険者努力支援制度の趣旨を現行補助制度に前倒しで反映する。その取組状況を踏まえ、2018年度(平成30年度)までに保険者努力支援制度のメリハリの効いた運用方法の確立、国民健康保険料に対する医療費の地域差の一層の反映、後期高齢者支援金の加算・減算制度の運用面での強化、医療保険の審査支払機関の事務費・業務の在り方など、保険者における医療費適正化に向けた取組に対する一層のインセンティブ強化について制度設計を行う。
個人については、健康づくりの取組等に応じたヘルスケアポイント付与や保険料への支援になる仕組み等の個人に対するインセンティブ付与を行うことにより、国民一人ひとりによる疾病予防、健康づくり、後発医薬品の使用、適切な受療行動を更に促進する。また、個人の健康管理に係る自発的な取組を促す観点から、セルフメディケーションを推進する。
要介護認定率や一人当たり介護給付費の地域差について、高齢化の程度、介護予防活動の状況、サービスの利用動向や事業所の状況等を含めて分析し、保険者である市町村による給付費の適正化に向けた取組を一層促す観点から、制度的な対応も含めた検討を行う。
民間事業者の参画も得つつ高齢者のフレイル62対策を推進する。「がん対策加速化プラン」を年内をめどに策定し、がん対策の取組を一層推進する。