今後の医療政策について②
資料の続きです。公開された資料からかなり先のことも予想されますね。他にも有用な資料があればどんどん情報提供していきたいと思います。
(公的サービスの産業化)
民間事業者も活用した保険者によるデータヘルスの取組について、中小企業も含めた企業による健康経営の取組との更なる連携を図り、健康増進、重症化予防を含めた疾病予防、重複・頻回受診対策、後発医薬品の使用促進等に係る好事例を強力に全国に展開する。
社会保障に関連する多様な公的保険外サービスの産業化を促進する観点から、医療関係職種の活躍促進、民間事業者による地域包括ケアを支える生活関連サービスの供給促進等に取り組む。その際、医療法人や医療関係者が実施可能な業務の範囲など、障壁となっている規制がないか検証し、グレーゾーン解消制度等の活用も含めて必要な対応を検討・実施する。あわせて、事業運営の効率化等に関する民間事業者の知見や資金の活用を促進する。
介護サービスについて、人材の資質の向上を進めるとともに、事業経営の規模の拡大やICT・介護ロボットの活用等により、介護の生産性向上を推進する。
マイナンバー制度のインフラ等を効率的に活用しつつ、医療保険のオンライン資格確認の導入、医療機関や介護事業者等の間の情報連携の促進による患者の負担軽減と利便性向上、医療等分野における研究開発の促進に取り組む。
(負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化)
社会保障制度の持続可能性を中長期的に高めるとともに、世代間・世代内での負担の公平を図り、負担能力に応じた負担を求める観点から、医療保険における高額療養費制度や後期高齢者の窓口負担の在り方について検討するとともに、介護保険における高額介護サービス費制度や利用者負担の在り方等について、制度改正の施行状況も踏まえつつ、検討を行う。また、現役被用者の報酬水準に応じた保険料負担の公平を図る。このため、社会保障改革プログラム法63に基づく検討事項である介護納付金の総報酬割やその他の課題について検討を行う。
あわせて、医療保険、介護保険ともに、マイナンバーを活用すること等により、金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みについて、実施上の課題を整理しつつ、検討する。
公的保険給付の範囲や内容について検討した上で適正化し、保険料負担の上昇等を抑制する。このため、次期介護保険制度改革に向けて、高齢者の有する能力に応じ自立した生活を目指すという制度の趣旨や制度改正の施行状況を踏まえつつ、軽度者に対する生活援助サービス・福祉用具貸与等やその他の給付について、給付の見直しや地域支援事業への移行を含め検討を行う。加えて、医療の高度化への対応として、医薬品や医療機器等の保険適用に際して費用対効果を考慮することについて、平成28年度診療報酬改定において試行的に導入した上で、速やかに本格的な導入をすることを目指すとともに、生活習慣病治療薬等について、費用面も含めた処方の在り方等について検討する。市販品類似薬に係る保険給付について、公的保険の役割、セルフメディケーション推進、患者や医療現場への影響等を考慮しつつ、見直しを検討する。不適切な給付の防止の在り方について検討を行う。
(薬価・調剤等の診療報酬及び医薬品等に係る改革)
後発医薬品に係る数量シェアの目標値については、2017年(平成29年)央に70%以上とするとともに、2018年度(平成30年度)から2020年度(平成32年度)末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする。2017年央において、その時点の進捗評価を踏まえて、80%以上の目標の達成時期を具体的に決定する。新たな目標の実現に向け、安定供給、品質等に関する信頼性の向上、情報提供の充実、診療報酬上の措置など、必要な追加的な措置を講じる。国民負担を軽減する観点から、後発医薬品の価格算定ルールの見直しを検討するとともに、後発医薬品の価格等を踏まえた特許の切れた先発医薬品の保険制度による評価の仕組みや在り方等について検討する。あわせて、臨床上の必要性が高く将来にわたり継続的に製造販売されることが求められる基礎的な医薬品の安定供給、成長戦略に資する創薬に係るイノベーションの推進、真に有効な新薬の適正な評価等を通じた医薬品産業の国際競争力強化に向けた必要な措置を検討する。
薬価について市場実勢価格を踏まえた適正化を行うとともに、薬価改定の在り方について、個々の医薬品の価値に見合った価格が形成される中で、先進的な創薬力を維持・強化しながら、国民負担の抑制につながるよう、診療報酬本体への影響にも留意しつつ、
2018年度(平成30年度)までの改定実績も踏まえ、その頻度を含めて検討する。あわせて、適切な市場価格の形成に向け、医薬品の流通改善に取り組む。医療機器の保険償還価格については、機器の流通改善に取り組むとともに、開発力の維持・強化に留意しつつ、適正化を検討する。
かかりつけ薬局の推進のため、薬局全体の改革について検討するとともに、薬剤師による効果的な投薬・残薬管理や医師との連携による地域包括ケアへの参画を目指す。平成28年度診療報酬改定において、調剤報酬について、保険薬局の収益状況を踏まえつつ、医薬分業の下での調剤技術料・薬学管理料の妥当性、保険薬局の果たしている役割について検証した上で、服薬管理や在宅医療等への貢献度による評価や適正化を行い、患者本位の医薬分業の実現に向けた見直しを行う。
診療報酬については、保険医療費が国民負担によって成り立つものであることを踏まえ、改定に当たっては、前回改定の効果・保険医療費への影響の検証を行いその結果を踏まえるとともに、改定の水準や内容について国民に分かりやすい形で説明する。