公開日:2015年02月23日
久しぶりに書評など
最近時間をみつけていろいろ興味のある本読んでいますが福沢諭吉の<福翁自伝>、かなり読み応えがあって面白いです。当時の生活状況や人々の考え方のみならず、福沢諭吉ってこんなに面白い人だったのかと括目させられました。
また時代が変わっても普遍の原理は存在することを教えてくれています。
岩波文庫P113より
「兎に角当時緒方の書生は、十中の七、八、目的なしに苦学した者であるが、その目的のなかったのが却って仕合で、江戸の書生よりも能く勉強が出来たのであろう。ソレカラ考えてみると、今日の書生にしても余り学問を勉強すると同時に始終我身の行く末ばかり考えているようでは、修行は出来なかろうと思う。さればといって、ただ迂闊に本ばかり見ているのは最も宜しくない。宜しくないとはいいながら、また始終今もいう通り自分の身の行く末のみ考えて、如何したらば立身が出来るだろうか、如何したら金が手に這入るだろうか、立派な家に住むことが出来るだろうか、如何すれば旨い物を食い好い着物を着られるだろうか、というようなことにばかり心引かれて、齷齪勉強するということでは、決して真の勉強は出来ないだろうと思う。就学勉強中はおのずから静かにして居らなければならぬ、という理屈がここに出てこようと思う。」
小さな目的なしに勉強することがその人の幹を太くすることになる。世間や他人のことを考えながらの勉強は枝葉にすぎない、だから今は何を考えて行動(勉強)することが幹を太くすることになるか考えよ、とのメッセージと受け取りました。
明日から自分も何をすべきかゆっくり考えてみたいと思います。