27年度介護報酬の改定についてー国民会議報告書を振り返って

ついに介護報酬の改定がでてきました。地域包括ケアシステム構築にむけて待ったなしのステップが始まっています。今後10年でどう変化するのかを予想するためにも平成25年に発表された社会保障制度改革の国民会議報告書を今一度振り返ることは悪くないかと思います。何事も過去をみてから未来が予想できるはずです。みてみましょう。自分が一番大事と思う箇所を簡単に抜粋してみたいと思います。

 

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/pdf/houkokusyo.pdf P28より

(4)医療と介護の連携と地域包括ケアシステムというネットワークの構築
「医療から介護へ」、「病院・施設から地域・在宅へ」という流れを本気で進め
ようとすれば、医療の見直しと介護の見直しは、文字どおり一体となって行わな
ければならない。高度急性期から在宅介護までの一連の流れにおいて、川上に位
置する病床の機能分化という政策の展開は、退院患者の受入れ体制の整備という
川下の政策と同時に行われるべきものであり、また、川下に位置する在宅ケアの
普及という政策の展開は、急性増悪時に必須となる短期的な入院病床の確保とい
う川上の政策と同時に行われるべきものである。
今後、認知症高齢者の数が増大するとともに、高齢の単身世帯や夫婦のみ世帯
が増加していくことをも踏まえれば、地域で暮らしていくために必要な様々な生
活支援サービスや住まいが、家族介護者を支援しつつ、本人の意向と生活実態に
合わせて切れ目なく継続的に提供されることも必要であり、地域ごとの医療・介
護・予防・生活支援・住まいの継続的で包括的なネットワーク、すなわち地域包
括ケアシステムづくりを推進していくことも求められている。

この地域包括ケアシステムは、介護保険制度の枠内では完結しない。例えば、
介護ニーズと医療ニーズを併せ持つ高齢者を地域で確実に支えていくためには、
訪問診療、訪問口腔ケア、訪問看護、訪問リハビリテーション、訪問薬剤指導な
どの在宅医療が、不可欠である。自宅だけでなく、高齢者住宅に居ても、グルー
プホームや介護施設その他どこに暮らしていても必要な医療が確実に提供され
るようにしなければならず、かかりつけ医の役割が改めて重要となる。そして、
医療・介護サービスが地域の中で一体的に提供されるようにするためには、医
療・介護のネットワーク化が必要であり、より具体的に言えば、医療・介護サー
ビスの提供者間、提供者と行政間など様々な関係者間で生じる連携を誰がどのよ
うにマネージしていくかということが重要となる。確かに、地域ケア会議や医
療・介護連携協議会などのネットワークづくりの場は多くの市町村や広域圏でで
きているが、今のところ、医療・介護サービスの提供者が現場レベルで「顔の見
える」関係を構築し、サービスの高度化につなげている地域は極めて少ない。成
功しているところでは、地域の医師等民間の熱意ある者がとりまとめ役、市町村
等の行政がその良き協力者となってマネージしている例が見られることを指摘
しておきたい。
こうした地域包括ケアシステムの構築に向けて、まずは、2015(平成27)年度
からの第6 期以降の介護保険事業計画を「地域包括ケア計画」と位置づけ、各種
の取組を進めていくべきである。
具体的には、高齢者の地域での生活を支えるために、介護サービスについて、
24 時間の定期巡回・随時対応サービスや小規模多機能型サービスの普及を図るほ
か、各地域において、認知症高齢者に対する初期段階からの対応や生活支援サー
ビスの充実を図ることが必要である。これと併せて、介護保険給付と地域支援事
業の在り方を見直すべきである。地域支援事業については、地域包括ケアの一翼
を担うにふさわしい質を備えた効率的な事業(地域包括推進事業(仮称))とし
て再構築するとともに、要支援者に対する介護予防給付について、市町村が地域
の実情に応じ、住民主体の取組等を積極的に活用しながら柔軟かつ効率的にサー
ビスを提供できるよう、受け皿を確保しながら新たな地域包括推進事業(仮称)
に段階的に移行させていくべきである。
また、地域包括ケアの実現のためには地域包括支援センターの役割が大きい。
かかりつけ医機能を担う地域医師会等の協力を得つつ、在宅医療と介護の連携を
推進することも重要である。これまで取り組んできた在宅医療連携拠点事業につ
いて、地域包括推進事業として制度化し、地域包括支援センターや委託を受けた
地域医師会等が業務を実施することとすべきである。
さらに、中低所得層の高齢者が地域において安心して暮らせるようにするため、
規制改革等を進めつつ、地域の実情に応じ、介護施設等はもとより、空家等の有
効活用により、新たな住まいの確保を図ることも重要である。
なお、地域医療ビジョン同様に、地域の介護需要のピーク時を視野に入れながら

2025(平成37)年度までの中長期的な目標の設定を市町村に求める必要があ
るほか、計画策定のために地域の特徴や課題が客観的に把握できるようにデータ
を整理していく仕組みを整える必要がある。また、上記(1)で述べた都道府県
が策定する地域医療ビジョンや医療計画は、市町村が策定する地域包括ケア計画
を踏まえた内容にするなど、医療提供体制の改革と介護サービスの提供体制の改
革が一体的・整合的に進むようにすべきである。
いずれにせよ、地域包括ケアシステムの確立は医療・介護サービスの一体改革
によって実現するという認識が基本となる。こうした観点に立てば、将来的には、
介護保険事業計画と医療計画とが、市町村と都道府県が共同して策定する一体的
な「地域医療・包括ケア計画」とも言い得るほどに連携の密度を高めていくべき
である。
なお、地域包括ケアシステムを支えるサービスを確保していくためには、介護
職員等の人材確保が必要であり、処遇の改善やキャリアパスの確立などを進めて
いく必要がある。また、地域医師会等の協力を得ながら、複数の疾患を抱える高
齢者が自分の健康状態をよく把握している身近な医師を受診することを促す体
制を構築していくことも必要である。

 

医療制度の改革の方向性(選定療養制度などもそうですが)と27年度の介護改定の中身をみると今後医療保険、介護保険ともに本当に必要最小限の保険サービスのみ残り、あとは各自自費で、ということがあと10年後には実現するように思えます。

次の医療保険改定はその一歩をふみだすことになるでしょうか・・・・