公開日:2026年11月07日

What you said ≠ what they heard/understand 〜言葉は相手の中で完成する〜

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

今日は自戒の意味も込めてちょっとだけコミュニケーションのお話をしてみたいと思います。テーマは「伝える」と「伝わる」の差です(^^♪

たった一文字の違いなのですが・・・・この差がなかなかどうして大きいんです。皆さんも経験ありますよね??

「え、それ前に100回くらい言ったよね??」

まぁ最近ですが理事長の立場にから直接スタッフに何かを伝える機会は少し減りました。自分がしているのは全体に情報発信する職員向けの週1のコラムくらいです。その代わり他の管理職がスタッフに情報発信していることをお見聞きすることがとても増えました。朝のミーティング、会議、メール、チャットなどなどです。

各管理者さんは各自で頑張ってかなりの内容や量を「伝えて」きたつもりでいるんだろうなと思っています。

ただある日ふと現場でスタッフさん同士が話をしていて、

「え、それ前に〇〇が皆に言っていたような・・・」

と思ってしまう場面に出くわすこと、それなりにありました。しかも一度や二度ではありません。

そのとき今井の頭に浮かんだのは「なんでちゃんと聞いてないんだろう」ではなく、「なんできちんと伝わってないんだろう」でした。

伝えたのは事実、でも伝わったかは別の話!!

まぁ少しだけよく考えてみると、管理者がやっていたのは「伝える」ところまででした。伝えたいことを言った、書いた、送った。そこで仕事が終わったつもりになっていたのかなと。

でもコミュニケーションのゴールって「言ったこと」ではなく、「相手の中に届いて、行動が変わること」のはず・・・

言葉は、話し手の口から出た瞬間に完成するのではなく、受け手の中で完成するんだと思います。だから同じ言葉でも、受け取る人の経験や立場、その日の忙しさによって、まったく違う形で完成してしまうことがある。それが現実で目の前で起きていることなんだな、と改めて認識しました。

患者さんには理解してもらうまで繰り返し説明している、のに・・・

今井含め医療者は、患者さんやご家族への説明では実はけっこう「伝わる」ことを意識しているんですよね。

専門用語を噛み砕く。図を描く。一度に全部話さない。「ここまでで分からないことはありますか?」と聞く。ご家族に「おうちに帰ったら、どなたにどう説明されますか?」と言い直してもらう。いわゆるティーチバックってやつです。

在宅の現場では、これができないと本当に困ったことになります。夜中にご家族が慌てて電話をかけてくる、薬の飲み方が違っていた・・・そんな経験を積んで、みんな自然と身につけていくスキルです。

ところが、です。

相手がスタッフになった途端、このスキルがすっぽり抜け落ちてしまう。「同じ医療者なんだから分かるでしょ」「プロなんだから一回言えば十分でしょ」と無意識に思ってしまうんでしょうかね・・・

「伝わる」ために意識すべきことは

偉そうなことは言えないのですが、今井が意識していることをいくつか挙げてみます。

①「一回で伝わる」と思わない
大事なことほど、繰り返す必要があります。言い方を変えて、場面を変えて、何度も。「しつこいなぁ」と思われるくらいでちょうどいいのかもしれません。週1のコラムでも同じようなこと100万回くらい繰り返し手を変え品を変え延々と伝えています(^^♪

②「何を」だけでなく「なぜ」を伝える
指示だけを伝えると想定外の場面で動けなくなります。理由まで伝わっていれば、スタッフは自分で考えて判断できるようになります。

③受け手の文脈に翻訳する
上からの視点で話した言葉は現場の看護師さんや事務さんにとっては、ピンとこないことが多いです。これ皆さんも経験ありますよね(^^♪

「経営的に〜」ではなく「明日の訪問でいうと〜」のように、相手の日常の言葉に置き換える努力が必要だと感じています。

④確認する
「分かった?」と聞けば、たいてい「はい」と返ってきます。まぁそりゃそうですよね。今井が逆の立場でもそう言います(^^♪そうではなく「どう感じた?」「現場でやるとしたら、どこが難しそう?」と聞くと、伝わり方のズレが見えてきます。

⑤伝わらなかったときは、まず自分の伝え方を疑う
これが一番難しいです。でも、伝わらなかった責任を相手に置いてしまうと、組織の中で「言った・言わない」の不毛なやりとりが増えていきます。常にベクトルは自分自身に・・・できない場合もありますが(^^♪基本姿勢としては重視したいなと思っていますよ。

伝わらないのは関係性のサインかも??

もう一つ感じているのは、「伝わる」かどうかは、言葉の上手い下手だけでなく、日頃の関係性にも大きく左右されるということです。

同じ内容でも、信頼している人から言われるとスッと入ってくるし、そうでない人から言われると身構えてしまう。これは患者さんも、スタッフも、そして自分たち自身も同じですよね。

だから「伝わらないなぁ」と感じたときは、伝え方を工夫すると同時に、普段からどれだけ相手と対話できているかを振り返るサインなのかもしれません。

・・・と、色々書きましたが、実は今週末のスタッフ向けコラムの内容に悩んでいるからこの内容のブログ書いていますよ。どう伝えたら自分の伝えたいことがちゃんと伝わるかなぁ、と。

内容としては聞きたいこともあるでしょうし聞きたくないこともあるでしょう。ただ両者ともなぜそうなのかも含めて皆に伝わるように言葉を選んで書いていきたいと思います(^^♪

皆さんは「伝える」と「伝わる」ことの差、どう埋めていますか??

 

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