在宅医療リスクマネジメント~熱発している患者さんへの抗生剤の使用はどのタイミング?~
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です
在宅クリニックにおける医師の業務の仕方は各診療所毎にスタイルがあってある程度Drの自主性を尊重しながら業務してもらうことがほとんどです。当法人もほぼそうで、基本的なルールはありますが、
①患者さん本位の医療をしてもらう
②まずはできる限り在宅医療でできることを考えてもらう
ってことくらいで後は各Drどうしても迷ったら医師同士で相談したり院長や今井に相談してくださいねって伝えています。
さて今回は在宅医療におけるTIPS、具体的には熱発している患者さんに対してどのタイミングで抗生剤使用するの?っていうことをリスクマネジメントも考えながら今井の考えを書いていきたいと思います。(あくまで法人Drの総意ではなく今井個人の考えですからね)
患者さんが熱発した場合、まずは家族の方もしくは看護師さんから医師に連絡が来ます。そのタイミングで通常であれば往診→診察→採血(&抗生剤点滴)→結果みて投薬について検討、という流れになると思います。
採血後抗生剤の投与について考える時、治療としては大体下記に分類されるかなと思います。
①炎症反応が高値で体調不良→絶対抗生剤投与
②炎症反応が高値でも体調は安定→多分抗生剤投与
③炎症反応低値で体調不良→要相談
④炎症反応低値で体調安定→不要
①②④に関してはほぼほぼどの医療者も同じ選択になると思うので異論はないと思うのですが、対応が分かれるのは③の場合・・・実はこのケースが結構あるんですよね。このブログ読んでいる在宅医療関係者の皆さん、ケース③の場合ってどういうスタンスで治療されていますか?
③の場合その後の選択肢としては2つがあります。
A)over indicationでも抗生剤投与して経過みる
B)経過みながら状態変化した時に対応する
今井はここで間違いなくリスクマネジメントの観点からもAを選択しています。
Bを選択した場合、対応が後手後手になってしまうことが多いんですよね・・・また在宅医療者って基本的にはリスクファクターが多い患者さんなんで容易に状態悪化しますし、入院患者さんと違って全員が頻回に医療者の観察が可能な状況にあるわけでもありません。気がついたときには「あれ、こんなに悪くなっていた・・」なんてこと、まま皆さんも経験しませんか??
やれるうちにやれることを全てやっておく、その上で状態が悪化したら仕方ないが、治療できる手段があったのにやらずに状態が悪化するのは申し訳ないですし、訴訟等のリスクマネジメントを考えても多少over indicationでも積極的に対応していたよ、っていう事実は重要ではないかと考えて今井は診療しています。
ということで現実では今井は早め早めに熱発患者さんには抗生剤の使用をすることが多いです・・・公衆衛生的にはよろしくないのかもしれませんが、患者さんの状況、在宅医療の現状、リスクマネジメント等々考えると”早めに抗生剤対応を意識する””やれるときにやれることは対応していおく”って大事なんじゃないかと1在宅医としては考えていますよ。皆さんのご意見はいかがでしょうか??
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