公開日:2025年06月15日

【在宅医療者初心者さん向け】訪問診療、訪問看護で身の安全を確保するために意識すべきこと

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です

ついさっき在宅医療初心者さん向けに雑談のコツについて簡単に書いたのですが↓

これを読めば在宅医療者初心者でも雑談に困らない!!【雑談力を上げるためにフォーカスすべき2つのポイント】

ついでだからもう少しだけ初心者の方にアドバイスしたいと思い今回のブログ書いてます。今回は「訪問で患者さん宅に行ったとき、自分の安全性の確保、意識してる?」って話です。

なんでこの話を書くことにしたかというと、前回の雑談のブログを書いたときにちょうど自分が在宅始めた2011年のことを思い出していました。自分も4月から在宅初めて右も左もわからず色々やっていたなと。その中でも特に印象に残っているのが”身の危険を感じた出来事があった”その出来事について書いていきます。

 

時は2011年の夏が終わり秋に差し掛かる暑さが少しだけ残る日のこと。通常業務が終わり夜間の待機の時間になった時に電話がぷるるってなりました。

見るととある夫婦ともに認知症の二人暮らしの患者さんからの電話です。電話に出ると比較的認知症が軽度の奥さんの方から「夫が××■■○○~で困っているんです」ってよく何が困っているのかわからない内容の電話が来ました。困ったことにこの奥さん認知もさることながら耳が非常に遠い(^^♪

こっちから電話越しに大声で聞いたことも認知の問題か耳の問題か、要領を得ない返答しかこないため、やむなく往診し体調見に行くことに致しました。

 

中央区の患者さんだったんで車を20分程運転し自宅前のスペースに駐車、自宅玄関を開けたところ奥さんが「先生助けて!」と話してきます。何がどうなったのかを自宅の中に入ってみると認知症が重度の夫がかなり興奮しており自宅のタンスから衣服をめちゃくちゃ出して怒鳴っている状況。

 

今なら多分(というか絶対)興奮が落ち着くまで近づかないでしょうが!(^^)!、在宅医療初心者であったその頃は「とにかく早く落ち着かせないとだめでしょ!」って考えて、「○○さん、どうしたの?ちょっと落ち着きませんか?」って言いながら座らせようと身体にさわったんですが・・・

そのとたん、怒りの矛先が自分に向かってきました。

 

その時ちょうど運悪いことに部屋の内部に自分が入り込んでいたこともあり、部屋の出口や玄関と自分の間に患者さんが存在する状況。

簡単なイメージ図↓

 

興奮して襲い掛かってきた患者さんは70代といえど認知機能が落ちただけでフィジカル的にはまだまだ元気。自分も180cm○○kgのそれなりに立派な体格でしたが、本当にその時は命の危険を感じました。

結局(本当は良くないんでしょうが)患者さんと揉み合いになるも何とか部屋から脱出(軽いかすり傷くらいの負傷)、その後は落ち着いたのを見計らい手持ちの薬を追加で飲ませて何とかしたのですが・・・正直在宅医療始めたばかりのピュアな自分の心はビビッて縮み上がりましたよ!(^^)!

 

さてこの事件からの教訓は、認知症患者さんへの対応はもちろんのことですが、それ以上に

「訪問診療や訪問看護では常に非常事態が起きた時の逃げの動線を確保しておくこと」

の重要性を今井は認識しました。(+靴をすぐに履けるタイプにすること+外に逃げる方向に揃えておくこと、なども・・・)

それ以降トラブルになりそうだったり突発的な事柄への訪問時、対応時にはできるだけ上記を参考にして常に自分の逃げの一手はどうするかを考えています。ここはホームではないんだ、アウェイなんだ!異国の地では何が起きるかわからない・・そんな日本代表の選手みたいな気持ち、心の片隅にもっているように心がけています!(^^)!

ということで今回のブログでは自分と同じようにならないために、また過去に在宅医療者に関する痛ましい事件が起きたことも鑑みて、在宅医療初心者の方には是非是非導線確保の重要性を認識してもらいたいと思って書かせて頂きました。自分の身は自分で守る・・・その意識を常に持つことは在宅医療者なら大事だよってことを一応自分からはお伝えしたいです。

 

いかがでしょうか?他にもちょっとだけ伝えたいTIPSあるんですが文章長くなったので今回はこの辺で・・・またどこかの機会で書きたいと思います。在宅始めたころの2,3年はこんな感じの失敗、腐るほど経験したなぁって今思い出していますよ!(^^)!

 

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