公開日:2025年01月16日

施設メインの訪問診療や訪問看護から在宅医療のキャリアを始めることはあまりお勧めしません。

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です。

 

先日札幌で在宅医療や在宅緩和ケアを希望!!という先生と面談させて頂いたのですが、残念ながら就職の話が流れてしまいました。後日仲介の方から話を聞くと、施設系の在宅医療からキャリアをスタートさせるとのこと・・・・個人宅メインで在宅緩和ケアにも取り組んでいる当院は魅力的であったようですが、施設系の訪問診療の方が金額的にかなり高いオファーをだしたようで最終的にはそちらを選択されたようです。残念ですが仕方ないですね。

 

確かに施設系の在宅医療のオファーって、まっとうにやっている在宅医療のクリニックがだせない年収だすんですよね。やっている在宅医療と言えば1日に3、4か所の施設を回り、一日で30人とか4,50人とかを診療する、一人あたま1,2分診療でそもそも在宅医療の適応もない人も診ていく、そんな形で利益をだすことを優先で診療していますので。実際担当持ち患者数も、当院であれば週5勤務で70名前後ですが、施設系では200名程度担当することになるのが実際です。

 

ただ経験上言えることは在宅医療をやりたいと希望する医師(看護師もそうですが)なら、在宅医療のキャリアは施設系からスタートさせることは(絶対)やめておいた方がいい、ということです。理由としては

1)施設での3分診療スタイルが身についてしまい、それが普通と思ってしまうと居宅の30分くらいかけてゆっくり診療していくことができなくなる

2)夜間や土日も緊急対応もしないのが当たり前、オンコール対応は看護師がする、というスタイルになる

3)なんちゃって在宅医療でしかないので、在宅医療や介護保険の制度のことは施設在宅をたとえ5年やっても全然身につかない

4)在宅緩和ケアの経験が圧倒的に少なくなる

5)訪問看護師などの多職種をうまく使えない

6)(施設の職員が介在するので)家族とのコミュニケーションスキルが身につかない

などが理由です。

一度施設在宅からキャリアをスタートさせた医師でまともな居宅の在宅医療やっている医師ってほとんどみたことありません。また金額だけはやたら高い年収なので、施設在宅やってから居宅メインの在宅医療にうつる先生もあんまりいないですね。結果としてスキルアップのないまま施設ばかり回る在宅医、という形が定着してしまいます。上記は訪問看護についてももちろん当てはまります。訪問看護、とかっていって施設で病棟看護やっている看護師さん、本当に多いと思いませんか?それって訪問看護なの?っていつも思います・・・

 

 

目先の金額だけでキャリアの最初に施設メインの訪問診療や訪問看護には絶対いかないほうがいいですよ。後々普通の在宅医療や在宅緩和ケアやりたいな、と思っても、こっちに戻ってこれた先生、自分は寡聞にして知りませんから。お金は大事ですがもっと大事なことはあるのではないでしょうか?少なくとも自分はそう信じていますよ。皆さんのお考えは如何でしょうか?

 

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