事柄の見方・・・1人称、2人称、3人称、皆さんは視点管理を意識していますか?
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です。
皆さんはとある事柄が起きた時にどのように考えますか?「自分は・・・と思う」「こうに違いない」そういう風に考えますよね。今井ももちろんそうですが、それだけでしょうか??
人はしばしば自分の視点から物事を捉え判断します。これ自体は自然なことであり、誰もが持つ基本的な”認知の仕組み”かなと思っていますよ。しかし今井としては物事を考える時には(大人であれば)この視点を超えて他者や全体を見つめること、つまり客観的に物事を捉えることをすべきではないかと考えています。これらを一度1人称、2人称、3人称の視点で考えてみましょう。
まず1人称視点について・・・・1人称とは、いわゆる“私”の視点ですよね。自分自身の感情、経験、価値観に基づいて物事を考え、判断します。この視点には利点も多く直感的でスピーディな意思決定が可能です。しかし1人称視点は非常に主観的で、自分の置かれた状況や感情に引っ張られがちです。そのため他者の立場や背景を考慮する余地が少なくなることがあります。
次に2人称視点について・・・・2人称は、相手—“あなた”—に焦点を当てた視点です。この視点を持つと相手の気持ちや立場を考えながら対話や行動ができます。特に人間関係においては非常に重要な視点ですが、ここにも落とし穴があります。相手の期待や反応に過剰に配慮しすぎると、自分自身の意見や行動が抑制されてしまうことがあるのです。
そして最後は3人称視点について・・・これは、物事を外側から眺める“第三者的な視点”であり、客観的な立場を取ることを意味します。理論上、この視点は最も公平でバランスの取れた判断を可能にします。けれど現実世界では3人称視点を本当に取ることは難しいのが実際です。私たちの脳は常に自分に関連する情報を優先的に処理する傾向があり、完全に第三者的になることは心理的に困難だからです。
ある事柄が起きた時に1人称の視点だけでなくこれらの視点の違いを意識して俯瞰的に問題を考えること、とても大事だと思いませんか?
さて先日またまたグーグルの口コミで書き込みを頂きました。こんな感じです↓
まずは患者さんに関してはお身体をお大事にしてください、とお伝えしたいと思います。
がせっかくなのでここでこの<受診できなかったこと>を上記の通り”3つの視点を意識した思考”をしてみたいと思います。今井が患者さんだった場合はこう考えるだろうな、と言う視点です。
まず1人称について・・・発熱もして5日間つらかった、受診の電話をしてもつながらない、つながってももう予約枠埋まってる!土日も休日も診療しているって書いてあるのに自分を診療してくれないなんて・・・・患者さん本位ではない診療所だな。いつもつながらないなんて意味不明、不思議だ!
1人称視点のみではこう思っても全く仕方のないことで、今井でもそう思うでしょう(なので申し訳ないなとは思っています)。ただその考えを各前に多分次の2人称、3人称視点を持ってみると思います。以下参考に↓
では2人称視点、つまり相手(医療機関側)の立場になって考えてみたいと思います。
2人称について・・・そもそもこのクリニックはインフルやコロナに感染するとあっという間に体調が悪くなる高齢者、免疫不全者がかかりつけ医として多数通院してくれているので、ある程度はコントロールしなければいつも通院してくれている人が安心して受診できないことになるだろうな・・・
さらにそれを限られたスペース、人的資源で安全に行うのであれば予約制とするしかないのでは?では他院がしているようなネット予約のシステムを入れないのか?でもそもそもそういうシステムすら使えない高齢者はどうするのか、そしてシステム入れるだけの採算ラインは?電話で予約をとるのは何かその方がメリットが高いからそうしているのではないか?そもそもなぜ土日も外来診療しているんだろう?
なーんてことを今井なら2人称視点で考えると思います。
さらに視点をすすめて3人称視点(マクロの視点)で考えると
そもそも土日の外来診療をやっているクリニックがこれだけ少ないのはなぜなんだろう?経済的なインセンティブがないから?医療制度や診療報酬制度のため?また発熱外来がこれだけ逼迫しているのに札幌市は何をしているんだろう?行政は何をどう取り組んでいる?当番医制度って機能しているの?
このクリニックは本来はかかりつけ患者さんを診療するクリニックのはずだけれども、どうしてかかりつけ以外の患者さんも診療しているんだろう?かかりつけ医制度ってなに???
なども考えることになると思います。
人は皆自分が中心で自分視点から物事を考えます。世界は自分を中心に回っていると考えがちですね。でも果たしてそうでしょうか?自分だけの視点で物事を考えていいのでしょうか?
今井はそうは思いません。視点を複数もつこと、相手の立場や社会の現実を理解するや考えること、とても大事なことだと思います。(繰り返しますが上記の患者さんに関してはお大事にしてください、身体つらい時にはそこまで考えられないですよね、とはお伝えしたいと思いますよ)
まぁでも実際メタ認知がどの程度できるかと言ったら・・・・確かに状況や環境によっては難しいですよね。
当院は当院で診療できるギリギリまでは頑張って診療していきたいと考えています。ご迷惑おかけしてすみませんがご協力よろしくお願いします。
諸行は無常なり・・・いつの時代も人間やその行為は変わらないものですね!(^^)!皆さんは視点の管理、できていますか??
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