能登の病院再建、何よりも地域の総意としてのグランドビジョンを早めに決める必要があるのでは?【奥能登4公立病院震災で患者大幅減少 経営悪化 検討の初会合】
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
先日から日本各地で地震が観測されています。南海トラフ地震か?などと騒がれていますが、これだけ色々ある日本では、いつでも災害に対しての備えは必要ですね。
翻って今年の正月に起きた能登での地震、被災者の方はまだまだ復興に向けてこれからだとは思いますが、医療に関しては復興というよりは全く新しい枠組みを考える必要があるのかもしれません。以下8月9日のNHKの記事です。どうぞ↓
奥能登4公立病院震災で患者大幅減少 経営悪化 検討の初会合
ちょっと長いですが気になる内容なので引用させて頂きます。
「奥能登地域にある4つの公立病院の医療体制の維持や強化を話し合う、県が設置した検討会の初会合が開かれ、病院側からは能登半島地震の影響で患者の数が大幅に減少し、経営が厳しくなっているとして対策を求める声が相次ぎました。
奥能登地域にある4つの公立病院の外来と入院の患者は、人口の減少に加えて能登半島地震の影響で、地震前の5割から6割程度になるなど大幅に減少し経営が厳しくなっています。
県は医療体制の維持や強化について話し合うため、自治体や病院関係者などでつくる検討会を設置し、8日、初めての会合が開かれました。
会合では、4つの病院が現状などを報告し、市立輪島病院の担当者は、避難した高齢者などが地元に戻らない状況が続いているとして、将来的に必要となる病床数などの見通しが立たないと述べました。
また、珠洲市総合病院は、経営の安定に向けた支援が求められるとした上で、地震の被害などによるさらなる人口減少をふまえた病院の再編や新設の検討を進める必要があると県などに対策を求めました。
検討会では年内に2回目の会合を開くなど、病院側の意見を踏まえて対策の検討を進めることにしています。
会合のあと馳知事は、「いずれの病院もこのままでは中長期的に見て財政的に維持できない。県がソフト面、ハード面でどのような支援や調整を行っていくかがポイントだ」と述べました。」
ということで本来であれば10年かけてゆっくりやる予定であった病院再編を、もう待ったなしでしなければならないという状況になってしまったというのが今の現状です・・・・本当に難しい問題ですね。
今の医療を置き去りにすることはもちろんできないですが、それでも将来のことを考えるとどこかで線引きしなければならないという・・・・結局はまずは将来へのグランドビジョンを関係者(行政トップ)が議論、定時することから全ては始まるのではないでしょうか?そのためにも上記のような会合は今夏~秋にかけて集中的に行い、多少軋轢があったとしてもビジョン打ち出し→実行していかないと、結局は全ての公的病院がダメになる、という最悪の時代に陥ってしまいます。
議論の行く末がどうなるのか、そして将来の医療へのビジョンをどう策定するのか、今後も注視して経過診ていきたいと思います。
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