公開日:2022年03月12日

少子高齢化が進む日本では”かかりつけ医の制度化”は避けられない~「プライマリ・ケアチーム体制の整備」から~

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

3月10日に日本総研さんのオピニオンとして以下の資料が公開されました。

第2回 ラウンドテーブル プライマリ・ケアチーム体制の整備

PDF資料はこちらです。

 

いままでも日本総研さんでこの議論はされていましたがこんな流れでした。

今回はプライマリ・ケアチームに関しての議論です。

資料は本文を読んでもらえればよく理解できるので興味ある方は是非一読してみてください。

自分が気になった部分のみ抜きだしてみます。

↓↓↓

プライマリ・ケアの重要性やプライマリ・ケアの位置づけを整理すべき

プライマリ・ケアによる受診行動の適正化は患者・医師・保険者にとって、三方良しとなる可能性が高いとの意見が提示されました。具体的には、患者にとっては重複投薬や検査の繰り返しが減る、複数疾患への対応がしやすくなる等のメリットがあり、医療従事者にとっては、働き方改革につながり、そして保険者にとって、無駄がない医療の実現によって医療費の適正化につながるということです。
そして、COVID-19の流行時に、もしプライマリ・ケアが普及していれば、発熱外来の混雑は避けられ、オンライン診療も実行しやすかったのではないかという指摘もありました。この点に関し、エビデンスが構築され始めているオンライン診療が今後拡大されていくことで、プライマリ・ケアが実装されやすくなるとの指摘もありました。
医療資源が限られている中で、新しい技術を活用しながら、皆保険を維持していくために、かつ、医師と患者の“信任”関係を維持していくために、プライマリ・ケアを実装していくことの重要性が登壇者の共通認識として改めて示されました。

さらに、プライマリ・ケアの位置づけについて、今後議論が行われるべきとの意見もありました。例えば、公衆衛生・予防医療とプライマリ・ケアの関係性、病院での総合診療の位置づけ、地域包括ケア病棟の位置づけ、プライマリ・ケアと健康の社会的決定要因の関係性、プライマリ・ケアと健康経営との親和性等について検討するべきではないかとの意見が提示されました。

プライマリ・ケアを実装するために、日本に即した登録制・支払制度の検討を真剣に行うべき

日本の医療保険制度はフリーアクセスが前提となっており、診療に応じた出来高払いとなっています。これによって、コンビニ受診(一般的に外来診療をしていない休日や夜間の時間帯における、本来は救急外来を受診する緊急性のない軽症患者の行動)が生じ、患者が不健康になればなるほど医療機関の収益が上がるといういびつな構造になっていることが指摘されました。この状況を踏まえると、プライマリ・ケアを担う医師の登録制度の導入を検討するための議論の必要性を主張する意見が多く出ました。
フランス/ドイツ/スウェーデン等が相次いで登録制に移行しており、任意登録なども含めて、日本に即した制度の検討の余地があるとの指摘がありました。登録制は一見、患者の自由を阻害するように見え、患者にとってデメリットが大きいように見えます。しかし、医療資源が有限であることを鑑みると、患者が適切な医療を受けるためにはむしろ登録制の方が望ましいことも想定されます。「フリーアクセスの制限」ではなく、「適切な医療へのアクセス」、「信頼(信任)できる医師との継続的な関係構築」というポジティブなメッセージを国民に向けて発信することも必要との指摘がありました。
現在の紹介状を持っていない場合の追加負担の仕組みに加えて、任意の登録制として、登録医療機関を持つ患者は自己負担や保険料を減らす等の国民に登録制が受け入れられるためのアイデアも出ました。

さらに、出来高払いから包括払いへの移行に関する議論へ展開しました。医療機関から慎重論の多い包括払いにもメリットがあることが周知されるべきとの指摘がありました。例えば、人口集積度の低い地方圏では現行の出来高払いのままでは、今後病院・診療所の収入が減っていくことが想定され、むしろ包括払いの方が望ましいというものです。

 

 

 

自分も上記意見についてはほぼ賛成です。というか日本の社会保障体制を維持するためには今のようなフリーアクセス制度の維持、専門医メインの医療では無駄が多すぎるのでかかりつけ医がゲートキーパーになるような制度にしないてシステムとしての医療が継続していかなくなることが明確だからです。

国もそこらへんは絶対理解しているので今後は外来医療の抜本的な変化が必ず起こるでしょう・・・病院医療については今回の診療報酬改定もそうですが、進むべき道が明確に示されていますのでかかりつけ医制度に関しても次の改定、2024年改定でかなり踏み込んだ内容になると予想していますよ。

 

日本総研さんの意見、コンパクトにまとまっていて非常にわかりやすい資料ですね。次のラウンドの資料も必ず確認したいと思います!!

 

 

 

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