”リロケーションダメージ”を家族も、医療、介護関係者も、もっと意識して欲しいと思っています・・・

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

最近外来でみていたとある患者さん、周辺症状含め認知機能が急激に悪化したため画像検査や採血など色々してみたのですが特に問題なし・・・・色々外来でご家族から話を聞いてみると、家族の介護疲労の問題で転居したとのことでした。

「環境が変わったことが一番の原因だと思いますよ」とお伝えすると、家族の方から「そんな話は初めて聞きました!!ケアマネさんも家族の疲労考えると転居が一番いいって言ってくれたので転居したんですが、しない方がよかったってことですか?」とのこと。

転居自体は家族のことも考えると仕方ないことかなと思いますし、ケアマネさんも御家族のことを考えて調整してくれたので全く非はないかと思います。可能であれば一言転居する前に自分に相談してくれればリロケーションダメージについてもきちんと説明しておけたのですが・・・・こればかりは仕方ないですね。早めに自分の方からお話しをしておくべきでした。反省です・・・

 

ということで高齢者の病気や生活を考える時に、リロケーションダメージについて理解しておくことは非常に重要です。リロケーションダメージとは生活環境などが変化すること自体がストレスとなり、心身のバランスが取れなくなって身体症状や精神症状が悪化してしまうことを言いますよ。やはり認知症を基礎疾患としてもっている高齢者に症状が出やすいですが、何も問題ない方でも転居をきっかけに認知症になってしまったり体調崩したりされたりすることもあります。

家族の方も、医療者も介護者もリロケーションダメージについてはあまり深く考えることなく生活環境の変化を決めてしまい、後からすごく困ってしまうことこれまでも度々経験しています。

高齢患者さん、もしくは高齢者をみている家族の方は転居や日常生活上の変化のことについてもかかりつけ医の方には遠慮なく相談してくださいね。何気ない会話から予防できることや知り得ることってたくさんありますから。かかりつけ医をつくることってこういう何気ない会話ができるのが一番のメリットです。

 

ということで転居の際や生活環境を変えることは、高齢者ではそれ自体が心身への大きなリスクとなり得ます。医療者も介護者も御家族の方も、リロケーションダメージについて普段からもっと意識していきたいですね。