ヘルスケアサービスのDxを議論する前にすべきこと~第四次産業革命時代におけるヘルスケアサービス提供分野のデジタルトランスフォーメーションに関する調査研究から

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

昨今盛んに医師の働き方改革や医療現場の労働環境の整備などが叫ばれており、その延長線上、というか社会全般の医療介護への要求に応じるためにも医療やヘルスケアサービスのデジタルトランスフォーメーション化が声高に叫ばれています。

医療行政の世界は必ず国の考えが公的文書で今後数年の経過が示されているため、公的文書をチェックすること=未来を予測することに他なりません。ヘルスケアサービスのDxに関してどのように国が考えているのか、直近の資料がありましたので是非興味ある方は一度ご確認ください。資料は全107Pありますが、5分もあればだいぶ頭に入ると思いますよ。

経済産業省より

令和元年度産業経済研究委託事業

第四次産業革命時代におけるヘルスケアサービス提供分野のデジタルトランスフォーメーションに関する調査研究

↓4枚程のみスライドを出しておきますね。

 

医療、ヘルスケアサービスのDxを勧めるのは個人的には大賛成ですし、業務改善に絶対つながるため一刻も早く現場の負担軽減のために積極的に導入すべき!と考えていますが、問題は業務改善すべき現場の仕事が旧態依然のシステムで動いていることだと思っています。

依然として進まない地域医療構想、かかりつけ医制度の浸透、PHRの方向性、複雑怪奇化する診療報酬制度などなど・・・まずは大まかなヘルスケアサービスのシステム全体の最適化を行った後にDxを積極的に導入すべきではないでしょうか?

現状ではDxするとしても、そもそもの医療のシステムがつぎはぎだらけの時代錯誤のものとなっているため効果もかなり限定的になってしまうと考えますが皆さんはどう考えるでしょうか?

 

ヘルスケアサービスのDx化の前に医療システム全体の再構築を!それが自分の考えるDxの効果を最大限に享受するための方策だと思っています。

 

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日本における医療のデジタル化を推進する上で、保険審査の透明性は避けては通れない問題ですね。

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

医療のデジタル化が盛んに叫ばれていますが中々現状は遅々としてすすみませんね・・・ようやくオンライン診療がコロナの影響もあり一歩先に進み始めましたが本格的に日本の医療現場でデジタル化がすすんでいくのにはこれから数年~10年単位で時間がかかるでしょうね。

さてさて、そんな感じで上記関連のなんか面白い内容の記事ないかなぁと諸々記事を探していたら、アメリカで保険者の支払いについてブロックチェーンとビットコインを活用しているよ、という興味深い記事をみつけました。以下どうぞ

医療業界のフィンテックで「ブロックチェーン」と「ビットコイン」が用いられるワケ

 

保健支払いにブロックチェーンとビットコインを活用することで患者毎の情報管理を徹底できる、未払いが少なくなる、事務手続きが簡素化する、支払い基準が明確になるなどのメリットがあるよ~との記事ですが、日本ではまずこの技術の導入は現状は難しいでしょうね。

一番の理由は保険診療の支払い基準が全国統一となっていないこと、保険じゃの匙加減一つで医療保険の適応がコロコロ変わるシステムなのでクリアな基準を示すことは現状できないのが実情です。

ただ今後支払い手続きにかける事務の簡素化、保険者の負担軽減などを行うためには社会保険診療の審査の透明性はさけては通れない問題ですね。

 

医療のデジタル化を推進するためにはまずは医療保険の保険者制度の透明化は避けては通れない問題かなと思っていますが皆さんはどうでしょうか?よければご意見くださいね。

 

 

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コロナ禍の現状で考える医療のこれからの課題とは?

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

コロナの影響が医療に、ひいては在宅医療に今後どのような影響を及ぼすのか、自分なりに日々思索、模索しています。7月現在の今週末も色々考えていたのですが、今後はいくつかのポイントに絞って自分の考えをまとめていった方がすっきりするなという結論になりました。なので今日は少しだけ「今後自分が考えていくべきこと」について書いていきたいと思います。

 

自分はコロナ禍においての今後の医療の将来、課題を考える際にひとまず次のポイントに絞って考えていくこととしました。

1今後の医療の在り方と在宅医療の担うべき役割について

2在宅医療や在宅緩和ケアはどうあるべきか

3病院医療と在宅医療の関係性

4在宅緩和ケアの在り方について

です。以下に少し各項目について書いてみます。

 

1については当たり前ですが、もっとも基本的なコロナ後の医療はどうなるの?っていうところを考えていきたいと思っていますよ。同時にその医療提供体制の中、つまり入院医療や外来医療が制限される中で、在宅医療が担うべき役割は何になるのかも検討していきたいと思っています。

2では次のステップとして、さらに具体的にではコロナ禍以降の在宅医療や在宅緩和ケアは、具体的にどのように医療を行うことが地域の人のためにとって役に立つのか、自分なりに考えていきたいと思っています。

3つ目は中々自由に患者さんの行き来ができなくなってくるであろう病院での入院、外来医療を踏まえつつ、どのように在宅医療が病院医療とうまく付き合っていくべきかも少し掘り下げて考えていく必要があると思っています。

最後の4つ目はもっとも具体的ですが、在宅緩和ケアの今後についてもう少し考えていきたいと思っています。在宅の緩和ケアにはヘルパーさんやケアマネ、リハセラピストは看護師などの多職種が関わります。経験も出身業務もバラバラですよね。そのような多職種の皆さんと熱発したり呼吸器症状がでることも十分ありうる在宅緩和ケア対象の患者さんをどうみていくのか、また体調変化時にどのような対応をとり病院とはどのような関係をつくっていくのか、入院した場合やしなかった場合の予測についてどのように患者さんや家族の方に話をし情報提供をするのか、さらには複数医師が在籍するクリニックで緩和ケアへの取り組みをどのように考えていくべきか、などなど・・・・

 

色々考えると思索の範囲がものすごくなるので今後はこの考えの枠の中でひとまず問題が何なのかを考え、その解決のためにどうすべきなのかを考えていきたいと思っています。

在宅医療がしなければいけないことは何なのか、今後はその重要性や役割がさらに拡大していくことは間違いないと思っています。出番が来た時にきちんと地域の役にたてるように事前に上記の問題を自分なりに考え答えを見つけていきたいと思っていますよ。

 

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第6回小樽の終末期医療を考える会で特別講演行います

8月にあっという間になりましたね。今年も残りの月日を気にする時期になってきました・・・・(まだ早いですかね)

 

こんにちは、札幌の在宅医療の状況は日々、とまでもいかなくても月々変化しつつありますが北海道の地方の事情はどうなっているんでしょうかね?やっぱりまだゆっくりとしたペースでしか変化は進んでいないんでしょうか?個人的には急がないと後々絶対困るのは地元民、道民だと思っていますので何とか状況を少しでも好転させたいなと思っておりブログなどでの情報発信をしているのですが、今回は実際に地方の方に話をする機会を頂きました。11月25日土曜日13時30分から開催の、第6回小樽の終末期医療を考える会での特別講演に是非参加してきたいと思っています。小樽での講演会は2015年に続き2回目ですね・・・・(その時のことは http://www.imai-hcc.com/archives/2099 と http://www.imai-hcc.com/archives/2106 に書いています)

司会の先生からは「小樽の一般の人向けに在宅医療で対応可能なことについてお話してください」とのお題を頂きました。今回はせっかくなので単純な知識の伝授を目的とした講演会ではなく、<在宅医療を知ってもらい、かつその上で実践してもらうこと>を目的とした講演となるように準備をしてみたいと思います。過去に同講演会で講演された長尾先生や岡本先生などと同じように知識や経験のことを話するのでは自分はどうやってもかないっこありません・・・・・なので少しでも市民の人の役に立つように在宅医療を実践できるようになるってことを目的に話をしてみたいと思います。さてどう話をつくるか構成今から考えてみたいと思います。

 

さて本日の医療ニュースはこちらです。在宅に関わりあまりないですがMRICからの医療状況の面白い記事ですので是非お読みください。子供が4人の父親としては確かに日本も子育てしやすい国に是非なってほしいですね・・・・

MRICより

Vol.159 海外にいる子どもたちの医療事情 http://medg.jp/mt/?p=7736

元田玲奈

2017年8月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

今年4月に第120回日本小児科学会学術集会が開催された。その分野別シンポジウムにおいて、「インバウンド・アウトバウンドの子どもたちに必要な保健医療事情」というテーマでの部分講演を担当した。私はアジアのハブと呼ばれるシンガポールで、10年近く日本人の子供たちの診療を行ない、また、中国、タイ、ミャンマー、インドや台湾にも足を伸ばして邦人向け医療相談活動を行なっている。そのような背景からの講演依頼であった。患者に対峙する医師としての私自身の姿勢はどこにいても同じであるし、日本の医療現場を離れて久しい上に、元々あまり周りを気にしない性格なので、私はこれまで自分の活動が日本の小児医療においてどういうことなのかを深く考えたことはなかった。そのため、今回のシンポジウムは己の立ち位置を客観視する良い機会であったとは思う。遠隔通訳システムの開発や実例、日本の病院における医療通訳士制度への提言、言葉も文化も異なる外国人を日本の医療機関で診療する時の注意点・問題点、そして、これから海外に旅行・居住する日本人患者の事前医療相談の話など、他の講師たちの発表を耳にして、また、多くの聴衆が会場に集まったのを目にして、「知らなかったけれど、日本もやっと『開かれてきた』ということか」などと、今更ながらに思った。

聞き慣れない「インバウンド」「アウトバウンド」という言葉が象徴するように、「国という単位でその中と外とに場所を分けて、その間での人の出入りを特別に扱い、それぞれの医療を考える必要がある」ということ自体、これまでの日本の医療現場がいかに閉鎖的であったかということを物語っているのかもしれない。良い悪いを議論しているのではなく、ただ、国のあり方自体が「インバウンド」「アウトバウンド」という人や物の流れと一体化しているようなシンガポールにいると、国外に出て行くことも外国人が入ってくることも日常なので、違いを感じたということにすぎない。そして、この「開かれてきた日本の医療」の中で、自分は主に日本からのアウトバウンドの子どもたちを見守る立場にいるのだということを、遅ればせながらに自覚した。今回は学会発表の一部と重なるが、この立場にいないと見えてこないメッセージを発信しようと思う。

前述したように、私はアジア諸国を中心に年に一回主要都市を訪れ、日本人学校や日本人会事務所を会場にして、現地にいる日本人の子育ての悩みや子どもの健康に関する不安などについての相談を行っている。これは海外邦人医療基金、通称JOMF(Japan Overseas Medical Fund)という組織の活動の一つである。JOMFは1984年に設立された一般財団法人で、海外在留邦人の医療不安解消を目的としており、その運営資金は海外に自社の職員を派遣する民間各社の出資金および会員企業の年会費からなる。今回のシンポジウムでは、2016年に東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科(代表 品田佳世子教授)がJOMFの協力を得て行った巡回健康相談アンケートの結果を発表した。これは海外生活における日本人家族の充実度についての調査で、「住環境」「子育て」「教育」「食事」「衛生」「運動」「医療」「おやつ」「歯磨き習慣」という9つの項目の各々の充実度について、「日本を100として、0から200までの数値で評価してもらう」というものである。

私は小児科の巡回相談があった都市(ミャンマーのヤンゴン、インドのデリー、ムンバイ、チェンナイ、プネ、マレーシアのクアラルンプール、ペナン、マラッカ、ジョホールバル)のデータ(相談会参加者合計377人)をまとめた。また、参考までにシンガポールで乳幼児健診や予防接種で来院する健常児の親43人からのデータも回収した。これらのデータをレーダーチャートで視覚化してみると、いくつかのポイントが見えてくる。まず、当然ながら、「食事」は日本の食文化には及ばないということと、「歯磨き習慣」は家庭内のことなので、国を問わずどの都市でも日本と同じ充実度レベルであるということ。また、デリー、クアラルンプール、ジョホールバル、シンガポールといった大都市では、日本と同じかそれ以上の教育レベルという評価であった。おそらく、国際バカロレア教育の充実度などが関係していると思われる。

ジョホールバルはマレーシアの中では規模としてクアラルンプールに次ぐ第二の都市で、近年、父親を日本に残し、母子でジョホールバルに移住して子どもをインターナショナル校に入れて国際的教育をさせようとする家庭が増えている。シンガポールから橋で渡っていけるが、物価は安く、同じインター校に入れるのであれば、「物価の安いジョホールバルで」ということのようである。私が驚いたのは、「子育て」の充実度は、どの都市も日本に比べて決して低くなく、むしろ、シンガポール、デリー、クアラルンプール、ジョホールバルなどは日本よりも高い評価であったことである。言葉がわからなくても、衛生的に問題があっても、それらを超えて親たちは現地の人たちの温かい目が子どもに注がれ、助けられていることを感じていると言える。このことは、別のアンケートで「日本が変わるべき点は何でしょうか?」という問いに多くの親たちが「子育てしやすい国、子どもに優しい国になって欲しい」と回答していたことと表裏一体と思われ、小児科医としては非常に胸の痛む結果であった。また、「医療」「衛生面」「運動」の3つの項目は比較的相関しており、これらが海外生活の心身のストレスと一番関係しているようであった。

「これから海外で生活をする」という場合、日本にいる時から現地の気候、安全、衛生面、感染症などの情報は多くの人たちが比較的意識して集めており、必要な予防接種を事前に受けていくことも多い。勿論、「百聞は一見にしかず」なので、心の準備をしていても、「こんなはずではなかった」という事態に遭遇するのが現実ではあるが。問題は、意識にすらのぼらない盲点が、海外生活の現実の中では比較的大きな比重を占める、ということである。
特に医療費の問題。一般的に日本人は医療費について他の国民に比べて無頓着な傾向がある。国によって金額や制度に差があるものの、原則、他の国の政府が外国人の医療費まで十分に面倒を見てくれるはずがない。特にシンガポールの医療は社会保障とサービス(自由診療)の二面性があり、さらに、その社会保障も国が全て面倒をみるのではなく、個人責任を持たせて、国民といえども無料で医療は受けられない。その代わり、必要最小限には誰もが受けられるような「手頃な価格の医療提供」を基本姿勢としており、個人の意思でより付加価値のつく医療サービスを求めるのであれば、そこは市場原理に基づく料金を自費で払う、という体制である。

すなわち、同じ虫垂切除術でも、ベテラン消化器外科専門医が執刀するのと初期研修医が執刀するのとでは、患者の支払額は異なるということである。当然、外国人は社会保障の給付対象にはならず、全て「医療サービスを購入する客」という位置付けになるため、医療費は高額となる。例えば、公立小児病院で喘息発作で3日間入院したら5000シンガポールドル、私立病院で小児の鼠径ヘルニアの日帰り手術が10000シンガポールドル、大学病院での教授初診料が120シンガポールドルといった具合である(1シンガポールドル=約80円)。このような状況なので、保険に未加入のままシンガポールで医療機関を受診し、会計の時に驚く日本人は少なくない。勿論、そのために海外旅行傷害保険というものが存在するわけであるが、シンガポールに限らずどの国であっても、これは海外滞在中に発症した疾病を想定しているので、日本からすでに加療されている慢性疾患や先天性疾患は対象外である。

また、海外生活中に適応障害を起こしても、診断日から180日を超えたらそれらの診療にかかる費用は全て自費になる。日本から海外に社員を派遣している日系企業の中には、社員とその家族の医療費について、海外旅行傷害保険でカバーしきれない慢性疾患(例えば、高血圧、糖尿病、てんかんなど)の診療費は会社の健康保険で負担するところもあるが、詳細は企業によって異なる。ましてや現地採用となると高額な医療費は大きな負担である。日本に住民票を置いて国民健康保険料を払っておけば、海外でかかった医療費を後から日本の自治体に申請可能ではあるが、還付額は日本で同じ疾患を治療した場合の金額の7割であり、差額分は自費になる。また、自治体によっては慢性疾患が対象外になっているので、確認が必要である。
その他、先天性疾患や理学療法などの療育を要する疾患の子どもが同伴である場合、公的補助はないのを前提に個々人が対応を考えていかなければいけない。医療を提供する側から言えば多くのジレンマが生じる現場ではあるが、一方で「不要な検査はしない」「検査項目は厳選する」「必要最低限の処方」「フォロー頻度も最小にする」などの小児科医本来の最小介入の意識が日本にいる時よりもさらに磨かれているとは思う。

冒頭で述べたように、日本からのアウトバウンドの子どもたちを見守る立場として、あまり知られていない二つの実情、すなわち、親たちが海外生活の充実度をどう評価しているかというデータと実際に現場で遭遇する医療費の問題を述べさせてもらった。読者の皆様にはこの実情を知った上で、今後とも日本側からアウトバウンドの子どもたちをサポートして頂ければ、と思う。私自身は赤道直下で別の側面から彼らのサポートに精進する所存であり、こうした我々のネットワークで「国をまたいでの小児医療」を少しずつ実現していければ、幸いである。

 

8月2日も訳あって札幌から離れています・・・・・早く帰って仕事しないと・・・・