前回令和6年度の診療報酬改定は適切だったのか?【社会保障審議会医療部会資料より】
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です
令和8年度の診療報酬改定に向けて前回のスケジュール確認しとこうや、ってことで9月4日の社会保障審議会医療部会においてその確認と、前回の診療報酬改定の内容が簡単に触れられています。短い資料ですのでそれを確認しておきましょう。
第117回社会保障審議会医療部会 資料
より
診療報酬改定の基本方針について(前回改定の振り返り)
PDF↓
ということで今後3か月程度である程度の方向性が打ち出されるということになりそうですよね。
さて前回の改定は大きく4つの視点から改正がなされました。本当に適切だったのか、一度振り返ってみましょう。完全に今井の主観です!(^^)!
(1)現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進【重点課題】
これに関しては点数をつけるとしたら100点満点中40点でしょうか。ベースアップ評価料を新設し人件費にある程度上乗せすることは多少は評価できますが、正直ただこれも医療者以外の人件費には全く意味がないですし、何より十分な賃上げをする原資が全く確保できていません。っていうか今後ベースアップ評価料残すつもりなんでしょうかね???
その他の項目も画期的な変化をもたらしたとは言い難く、40点、落第であったと考えるのが妥当でしょう。
(2)ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進
この項目も30点くらいが妥当でしょうかね。医療機関の機能分化どころか病院を全て死滅させる改定になっていますし、リハに関しても地域包括ケア病棟の算定要件が厳しすぎるためかなり危険水準で経営がうまくいかなくなっています。
また質の高い在宅医療は訪問看護の不正請求で荒れた2年でしたので「冗談でしょ?」って感じですしかかりつけ医制度についても全く普及はしていません(^^♪
項目に挙げている目的は理解できるのですが、令和6年の診療報酬改定ではその目的はあまり達成できなかったのかと今井は判断しています。
(3)安心・安全で質の高い医療の推進
これも題みたらわかりますが国民全員が不満持っている現体制では10点くらいの評価ですよね。個別項目みても正直浸透度は・・・かなと
(4)効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上
これに関してはまぁ50点くらい、それなりに実行に移されている項目もちらほら見られますのでそれなりには評価してもいいのかなとも考えています。それでも50点、落第点が妥当かなと。
ということで前回の2024年、令和6年の診療報酬改定は今井的には
意図通りの改定にはならず及第点には至らない改定だった
と判断しています。次回2026年、令和8年の改定ももちろん大事ですが、そもそも「社会保障制度は今のままでいいのか?」という根本的な問いであったり、医療は全国津々浦々同じレベルで受けられる、フリーアクセスが至上、混合診療は絶対ダメ、みたいな”昭和~平成にかけての医療の当たり前”をきちんと再評価、必要に応じ訂正することが何よりすべきことなんじゃないかなと思いますが・・・
土台が揺らいでいる築50年の家、いくら上物改装しても、DIYしても長く住むことはできますか?できませんよね?次回の改定がどうなるか、定点観測していきたいと思います。
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