問題の本質は”早くて、安くて、うまい”、そんな社会保障制度は不可能なこと~直近のNHKスペシャルから~
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です
先週末は社会保障制度、特に病院についてfocusされた特集がTVで、NHKさんで流れていました。医療者の方はおそらく気になってチェックしたとは思いますが、皆さんはいかがでしたか?以下が先週末放送されたものです。
◆ETV特集「“断らない病院”のリアル」
◆NHKスペシャル「ドキュメント 医療限界社会 追いつめられた病院で」
◆クローズアップ現代「まさか都市部でも…相次ぐ病院閉鎖 医療はどうなる」
来週以降もシリーズであるようなので興味ある方は是非見てみてくださいね。
まずは1医療者として、この時期に病院医療の問題について取り上げてくれたNHKのスタッフの方には感謝したいと思っています。病院とか社会保障の問題って当事者にならないとあまり身近には感じない問題・・・多くの人が気がつかない間に社会保障制度、特に病院を取りまく状況がこれだけ変化しているぜって警鐘を出してくれたことはよかったかなと。
ただ内容に関しては・・・今井個人の考えを一言言わせていただきたいですね(^^♪上記番組の主張、大まかにいうのなら
診療報酬が低い&医師の働き方改革の影響で人手不足&医師偏在・・・これらの要因で医療が限界になってきている
っていうことが主になっているのかなと思いました。が、今井個人としては問題の本質は
昭和~平成にかけて当たり前だと思っていた”早くて、やすくて、うまい”牛丼のような医療がもう現実では無理で、医療の何をあきらめるかをきちんと考えるべき時期にきている
ってことだと思っています。国民にこの問題を提示しないで現場がこれだけ困っている~、って言ってもあまり解決に結びつかないかなと。
上記3要素について少し話をすると
●早い→フリーアクセス、医療の地域格差がなく全国津々浦々で同じ医療が受けられる、など
●安い→自己負担が1~3割、医療者の診療報酬も低い
●うまい→医療の質が最高水準にあること、望めば誰でも最高の医療を受けられること
昭和~平成はこれが普通でした。社会全体の努力、もちろん医療者の献身性もありますが、医療が、社会が成熟する過程でなんとかそれを実現しようと皆で頑張って来た経緯があります。ただ令和以降のシュリンクする、人が少なくなる、働き方が変化する、予算が限定される社会においては上記3要素を全て満たすことは絶対に不可能かなと。
国は本来ならきちんと国民に問うべきです。上記3要素のうちどれを犠牲にしますか?と。早くて安いなら質はあきらめるべきですし、安くてうまいならアクセスのよさは無理です。早くてうまいなら人増やさないといけないので安い医療なんて絶対無理!
これを社会全体できちんと決めることなしに、今の社会保障制度を元にどれだけ改善しようとしたってそれは無理です。いい方汚いですがクソは手を変え品を変え、見せ方かえても結局はクソのまま・・・病院の集約化、診療報酬の底上げ、医療の効率化など色々問題はありますが、結局はここをどう考えるかが一番のポイントではないでしょうか?
・・・問題の本質は”医療に対して何を望み何を諦めますか?”それを今この時期に決めなければいけないってことだと今井は考えています。皆さんはこの問題、何を感じ何を考えますか??いい番組ですので皆さんもチェックして是非各自が考えてみてください。
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