脳外科医竹田くんの作者さんから声明が出ましたね。
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です
赤穂市民病院さんで起きた医療過誤の事例について告発していた脳外科医竹田くんという漫画ですが、作者の方から2月5日に声明がでました。作者の方は被害者の方のご親族なんですね。
以下抜粋↓
第1 作者と作品について
私(漫画作者)は、赤穂市民病院 脳神経外科で2019年から2020年にかけて複数発生した医療事故のうち、2020年1月22日に起きた医療過誤の被害者の親族です。
当時、私は一連の医療事故や脳神経外科の内情について、当事者や関係者の方々から直接、あるいは間接的に情報を取得することができる立場にあり、およそ現実とは思えないような異常な事実経緯を詳細に記録し、それらの情報を題材に『脳外科医 竹田くん』を描きました。
この漫画自体はフィクション(架空世界で展開される物語)ではあるものの、医療事故、及び医療事故にまつわるエピソードは、赤穂市民病院の医療事故事件と病院内のトラブルをモチーフにしています。なぜ同一医師による医療事故が多発してしまったのか、なぜ検証が適切に行われなかったのか、なぜ学会から認定停止処分を受けたのか、といった物語のテーマを読者にわかりやすく伝えるために設定を単純化したり、比喩的表現を用いることはあったとしても、実際の医療事故を重く見せる目的での誇張や改変、特定の人物を殊更に悪者に仕立て上げるなどといった悪意のある脚色や誇張は一切行っておりません。
2023年1月からブログに漫画を掲載し始めて以降、作者の想像をはるかに超える漫画への反響がありました。一連の医療事故に関わった医師が、2024年12月に業務上過失傷害罪で起訴されたことによって、さらに漫画に関心が寄せられる中、制作の意図などについて事実と異なる憶測が生じることがないよう、漫画作者としての思いを読者の皆さまにご説明させていただきたいという考えに至りました。
第2 制作に至った経緯
2020年1月の医療過誤の発生後、赤穂市民病院 脳神経外科の治療体制が患者にとって危険な状態だったにもかかわらず、重大な結果を招くまで医療安全がそれを止められなかった実態がわかってきました。病院は、同一医師が関わった手術で5か月半の間に計8件の医療事故が発生したことを公表していますが、その後も脳神経外科ではあり得ない不祥事が次々に勃発し、病院は混乱し、対応に追われ、医療事故についての適切な検証や調査を行おうとしない様子を目の当たりにしました。2022年6月にようやく病院記者会見が開かれましたが、その内容は真相究明とはほど遠いものでした。私は、一連の医療事故の真相が究明されないまま事件の記憶が風化すれば、また新たな犠牲者が生まれてしまうのではないか、といった強い危機感を抱き、葛藤の末、どうにかしてこの問題を社会に伝えたいと考えるようになりました。
作品のテーマである「病院の医療事故対応の問題点」を描こうとすると、漫画公開当時は公表すらされていなかった医療現場でのトラブルや医師、病院職員の不祥事を描く必要がありました。しかし、外部に公表されていない問題を知ってしまった一個人が、その内情をフィクションというオブラートに包むことなく世に出すことは、日本社会において極めてリスクの高い行為であることは周知の事実です。正義感から内情を伝えてくださった病院関係者の方々にもご迷惑をおかけする可能性があると考えました。
私にとっては、フィクションという手段を用いて社会に問題を提起することが残された唯一の選択肢でした。幸い、私は絵を描くことが好きで、見様見真似で4コマ漫画を描き始めました。制作にあたっては、報道、裁判資料、公的資料を読み込みました。さらに、手術に立ち会った医療従事者を含む複数の関係者から長期間にわたる聴き取りを行った内容を参考にしながら事件についての理解を深めました。医療事故が闇に葬られていくプロセスを克明に描くことで、救済を受けることもなく苦しんでいる人々が数多く存在しているという社会問題に目を向けていただきたかったのです。
第3 組織の問題として描いた理由
通常、医療事故は医療従事者個人の問題として捉えられがちですが、院長や上級医、医療安全なども含めた組織全体についても問題提起する必要があると考え、私が知り得た情報をできる限り作品に描きました。もちろん被害者の親族としての悲しみや憤りはありましたが、医療従事者の方々にも問題視していただきたいという思いから、被害者目線の描写は極力排除するように心がけました。
第4 利益目的ではないこと
これまで出版依頼のお話を数多くいただきましたが、すべてお断りしてきました。また、作者は漫画をブログに掲載し、X(旧twitter)でブログの更新を告知したこと以外の拡散行為は行っておらず、現在に至るまで作品の収益化も一切行っておりません。
第5 発信者情報開示請求について
漫画を巡っては、「自分が竹田くんのモデルである」として、一連の医療事故に関わった医師から、2023年10月に発信者情報開示請求の申立がありました。2024年6月上旬に裁判所が開示の決定を行い、7月上旬に発信元の情報が開示されました。その後、現在に至るまで損害賠償請求訴訟等の法的措置はとられておりません。なお、発信者情報開示請求では、赤池市民病院における一連の医療事故の描写について、名誉毀損であるという主張は一切されておりません。
第6 今後の対応について
今後、一連の医療事故に関わった医師から、漫画の表現について刑事告訴や訴訟提起が行われることがあったとしても、堂々と公益性を主張し、粛々と対応してまいりたいと考えております。
『脳外科医 竹田くん』を世に送り出した経緯と作者の思いをご理解いただけましたら幸いです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
当該医師の今後の裁判がどうなっていくのか、また上記に記載されているようにこの作者さんが訴訟提起などを受けるのかは注視していきたいですね。裁判の過程で何が明らかになるのか、医療の安全性がどう担保されるべきなのかなどを考えていきいたと思っています。元脳神経外科医の自分からみてもこの一連の事故は普通では考えられないですからね・・・
皆さんは上記の声明文を読んで何を考えますか?
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