こんにちは、札幌のかかりつけ医＆在宅医＆病棟医＠今井です。

これまでナーシングホームでの訪問看護、ホスピス系住宅や難病系住宅での訪問看護、または精神科訪問看護については問題点が多いと２０１０年代半ばから指摘していましたが、ようやく本格的に社会的な介入がされそうですね。以下ヤフーの１月１２日の記事です。

【独自】不正・過剰な請求認める　老人ホーム運営のサンウェルズ

「パーキンソン病専門の有料老人ホーム「PDハウス」を各地で約40カ所運営する東証プライム上場の「サンウェルズ」（本社・金沢市）が、入居者への訪問看護で不正や過剰な診療報酬の請求を指摘されていた問題を巡り、昨年末の社内連絡で不正・過剰な請求があったと事実上認めていたことが12日、関係者への取材で分かった。・・・・・・」

ということで今後当該会社については診療報酬の返還命令がでる＆場合によりもっと厳しい行政処分が起きても不思議ではないですね。（かつてコムスンっていう会社で問題が起きたことを覚えている人はどの程度いるでしょうか・・・）

またホスピス系住宅での看護についても同様の指摘や介入はなされるでしょうし、次回の２０２６年の診療報酬改定でも施設系訪問看護については大きなメスが入ることは間違いないと今井は考えます。

知り合いの訪問看護師複数名にこのことを聞いても、どこも「もっと早く介入すべきだった。訪問看護の精神からはかけ離れたことが施設系の看護では行われている。」との返答だったので、まぁ現場の医師や看護師がそう考えるなら今の訪問看護は異常な状況だったことは間違いありません。

自分は正直在宅の世界に飛び込んだ時から施設での看護や医療についてはかなり無駄が多い、非効率なお金のかけ方をしているなと感じていました。民間の施設をつくってやらせるくらいなら、正直療養病院や病床をもっと活用した方がもっと安価で質の高い医療介護を提供できるのに・・・と。まぁ国はもう完全に民間を活用する方針になっていますので仕方ないですが、昭和～平成の療養病院の方がよっぽど患者さん本位の療養ケアをしていましたよね。

（閑話休題：現在はホスピス病院とホスピス系住宅はかなりべったりとくっついていますがこれも問題ですよね。病院は診療報酬が高い３０日だけ末期の患者さんを受けいれて、日数がきたら状態がどうであれ早々にそういうホスピス住宅に紹介、住宅は住宅で病院から患者紹介してもらい訪問看護でがっぽり儲けるという構造・・・診療報酬のせいですが、そこには医療の原点である”患者さんのために”という基本的な視点がもはやなくなりつつありますよね。）

上記の内容の報道にはこれからも注意して経過見ていきたいと思います。皆さんは上記のような不正な診療報酬請求を行った会社、どのような
（行政）処分が必要だと思いますか？考えてみてくださいね。

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