公開日：2022年03月02日

あなたのかかりつけ医は介護保険の利用の仕方、知っていますか？

こんにちは、札幌のかかりつけ医＆在宅医＠今井です。

患者さんが高齢化するにつれ重要となるのが医学的な疾患の治療だけでなく”生活を支える”という視点で医療を提供することだと考えています。

先日とある患者さんが久しぶりに家族に連れられて外来に来られたのですが、お聞きすると病状変化→入院→退院後もしばらくはそちらの外来に通院するように言われていた、とのことでした。

元々のADLは独歩で生活も一人でできていた方なんですが、現状は廃用性にかなりの筋力低下と認知機能も落ちてきています・・・別居している家族がずっと一緒にいるわけにもいかないので介護保険を活用し生活支援することが必須と思われましたんで申請状況を確認したところまだ未、とのこと・・・当院で書類を書くことも可能ですが、現在外来にかかっている〇〇病院のDrにまずは相談してみては？と提案しご家族も納得され帰宅されていきました。

数週間経ち再度ご家族が受診されたので経過について確認したところ、病院の先生から外来診療の時に「医療上の問題は改善されてきているので問題ないんじゃない？」とのことで話が何も進まなかったとのこと・・・・家族も患者さんもかなり困っていたので、仕方なく当院で介護保険の主事意見書を作成することにし、早々にデイや訪問リハ、看護などの調整を開始しました。

病院の医師でも介護保険に精通している先生は少数ですが一定数いらっしゃいますが、正直在宅やっている医師から見たら、多くの医師は「知ってはいる」けれど「目の前の患者さんにどう活用したらいいか」まで知っている先生はほぼいないですし、さらに「地域にどのような資源があってどこに依頼すればこの人にとってベストか」までは絶対知らないですね。

また患者さんのみならず家族の生活背景まで知った上で上記のような調整を受けれるか、といえば・・・・病院では難しいのが現状ではないでしょうか？

当院はかかりつけ医として医療と介護の両面を重視し、地域の人の医療へのファーストアクセスの場として機能したいと考えています。かかりつけ医を探している方はまずは気軽に受診してみてくださいね。