公開日:2022年12月22日

訪問看護師が退院直後の不安な家族にケアを指導していく時の4つのステップ

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

12月に入り病院もコロナ感染の再流行に伴い面会制限を行っています。そのために退院するまで入院している患者さんにほぼ会っていないご家族は珍しくありません。また退院自体もこの年末で<帰りたい→んじゃすぐ帰ろうか>となるため、ケアの指導、病状の理解、退院後の在宅サービスの調整など諸々入院中にしてほしいことができないで帰ってくることが結構普通になってきましたよ。

状態が安定している患者さんであればそれでもいいのですが、がんの患者さんなどで処置が結構必要な場合、退院直後は患者さんと家族に濃厚な支援が必要で、そのメインはやはり訪問看護師さんとなります。

 

さてそんな大事な役目を担う訪問看護師さんですが、家族へのケアの指導をどのような順番でやっていくか、きちんと目標設定や大まかな道筋、ルールを考えている方いますでしょうか?毎回「この患者さんは○○だからこれから指導して・・」とか個別の患者さん毎に変えていないでしょうか?

確かに個別性は大事ですが、「ケアや処置の方法を覚えてもらう基本的なルール」は変えずに順序よく教えていくことは非常に重要だと自分は考えています。以下に自分が考える訪問看護師さんが退院直後のご家族にケアの指導する際に考えてほしいことを順番通りに記載していきますね。

 

1:まずは指導する前にケアや処置の必要性、簡素化を考える

これは必須です。退院してくる=病院でのケアや手技をそのまま在宅に持ち込む、というのを医療者や家族は考えがちです。ただ経験積んだ在宅医療者なら理解できると思いますが、在宅には在宅のやり方、負担を軽減する方法がたくさんあります。

まずは病院から帰ってきたときにすべきことは、家族の方にケアの指導をする前に「これって必要なの?」「これはこうした方が楽なんじゃないか」ってことを在宅の主治医と相談することが何より大事です。

そうすれば100の手間が必要なことも30くらいの労力でOKとなることもあり得ます。

例えばですが血糖測定の回数、サクションの回数、ベットやマットの利用、服薬回数を減らす、口腔ケアの方法、褥瘡の処置方法、点滴の簡素化、手技の簡素化などなど・・たくさん見直すポイントはあるはずです。

まずは指導する前に病院のケアをそのまま受け入れずに自分の頭で考えること、それが第一歩目です。

2:まずはご家族がケアしなければ生きていけないことのみ覚えてもらう

患者さんも家族の方も退院直後はかなり不安です。その中でいくつもの処置やケアの方法、点滴の抜き差しや医療の手伝いまでさせるのはやめたほうがいいかと思います。

まず一番最初に教えるべきことは、「家族の方がしなければ絶対在宅生活が無理、生きていけない」ってことのみを教えるべきです。

自分の中ではそれはサクションであったり食事内容の確認、作り方であったり薬や酸素の使い方の指導であったり・・・そのくらいでしょうかね。

訪問看護や介護のルーチンの訪問で対応できるケアはまずは教えずに、本当に医療職がいないときに困る場面のケアや処置のみ教えるべきだと思います。

ファーストステップは上記が何かを考えそしてそれを教えてあげること、それが一番大事です。

3:できることを簡単なものから一つ一つ教えてできることを増やしていく

ステップ3は上記でそのままです!(^^)!大事なことは「毎日やっている、頻度の高いことから教える」ではなく「簡単にできることから教える」です。家族や患者さんは医療やケアの素人です。まずは一つ一つ簡単な処置やケアでも自分ができる、という自信をもってもらうことが何より重要です。

口腔ケアでもいいですし薬のセットでもマッサージでもいい・・・まずは簡単なことができたら褒めてあげて自信をもってもらうこと。自信ができてきたら毎日が楽しく過ごせるようになるはずです。せっかく帰ってきたのに処置ができているかどうか不安で不安で毎日過ごすなんて絶対してほしくないです!

小さなことからコツコツと自信を積み上げる。是非意識してあげてください。

訪問看護師さんなら患者さんや家族の在宅療養の心理面の影響まで考えてケアを教える順番を組み立ててあげてください。

4:ケアの面白さを知ってもらう

最終的にはここが目標になります。家族の身体を自分自身でケアしていけることの楽しさ、在宅医療や介護の意味を理解してもらうためにも是非ここができるようになってほしいと思います。

もちろん患者さん家族の方のコンディション(高齢、腰痛あり、身体が家族の方が小さい)など諸々条件は違うでしょうから看護師さんや介護士さんの支援は必要でしょうが、所与の条件の中でご家族がどうしたら楽しく毎日を過ごせるようになる、ケアが楽しくなる方向にもっていけるか一緒に考えてあげることもとても大事だと自分は信じています。

 

 

以上簡単に書きましたが、自分が考える退院して不安な家族の方へのケアの指導について、訪問看護師さんにしてもらいたい点をまとめて書いてみましたよ。きっと年末にむけてたくさん患者さんが在宅に帰ってくると思います。是非参考にして頂ければと思いますよ!(^^)!皆さんの独自のルールは作っていますか?よければ教えてくださいね~

 

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