公開日:2020年11月11日

皆さん知っていますか?高額な家賃設定の高齢者住宅、決してサービスと価格が比例していないことを・・・

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

札幌市内には高齢者住宅が山ほどあり、家賃設定も全てこみこみで10万くらいのところから、高いところでは40万ちかくするところまでピンからキリまで色んな種類があります。

皆さん高齢者住宅を選ぶ時に「高いお金をとる=いい医療や介護のサービスが受けられる」と値段とサービスが比例していると考えるかも知れませんが、それは120%間違っています。

特に親を高齢者住宅に入れる時、お子さんたちはできるだけ(金額の問題はあるけれど)いいところを選んであげたい、と思い高い高齢者住宅を選択しがちですが、それは実はサービス内容を吟味している、というよりは外的な美観であったり何となく対応した窓口の人がよかったから、はたまた高いからいいサービスが受けられるだろう、なーんてかなり曖昧な理由で選択していることが多いです。

なので高いお金をだしても本人が住みたい住居や受けたいサービスが存在するとは限らない、ということはきちんと理解しておく必要があります。

 

先日とある中央区の高級高齢者住宅に入居した患者さん(Aさん)を診察に行った際にこんな会話がありました。

A「先生、常々言っているように体調わるくなったとしてもできるだけ自宅で対応してほしいんだ。そのためにここの看護師さんが常時いる特定施設っていうところ選んだんだ。だから先生頼むよ」

今「入居費用高そうだね。大丈夫?」

A「●●●万くらいだったけど自宅処分したから。しばらくは大丈夫」

今「体調わるくなっても俺はここでできることはするね。施設の看護師さんはどこまでできるんですか?」

施設「基本的には特定施設ですが看護師は点滴はしません。医療行為は看護師はしないことになっているので。必要な時は外部の訪問看護に頼むことにしています。医療保険で入れますよね?Aさんにも医療行為については外部サービスに頼むことを入居時に説明しています。」

今「Aさんが体調悪くなった時に誰がそれを探すの?介護保険で高額な点数施設はとっているから基本的にはある程度の看護やリハは施設側がきちんとするべきだと思うけれど?」

施設「それはこちらは知りません。医療は医療ですよね?もし無理なら自費っていう選択肢もありますがそれも先生とAさんで話してください」

 

入居時に3桁万円、さらに月々も高い費用を払い、歌い文句では「上質な暮らし、何かあった時の安心感」なーんて言っていますが、内容は在宅医療者、介護者からみたら眉唾物の住宅が本当にいくらでも存在します。

結局Aさんは体調不良時には誰が対応するのか、医師のみ?今後要相談ですが、一度間違った場所に入所してしまうとこちらがどう頑張っても限界があります・・・・

 

いい住宅を選ぶコツは社会資源に対し情報が豊富な在宅療養支援診療所のMSWさんとかケアマネさん、訪問看護師さんにまずは相談すること・・・・いくら本屋で高齢者住宅選定のコツ、なーんて情報誌読んでも地域の生きた情報は絶対載ってませんよ!

間違った住宅を選ばないよう皆さん気をつけてくださいね。

 

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