公開日:2020年11月06日

そもそもかかりつけ医ってなんですか?~第22回医療計画の見直し等に関する検討会から~

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

10月30日に第22回 医療計画の見直し等に関する検討会がオンラインで開催されたようです。その中で外来機能報告を無床診療所にも求める、との内容が議論されていました。

後で資料を提示しますが議論の内容としては

①地域包括ケアの時代ではかかりつけ医を中心とした外来機能強化が欠かせない課題

②多くの国民はかかりつけ医が必要と考えていても、どの医師を選ぶべきなのか、どのような役割をかかりつけ医に期待していいのかがわからない

③そもそもかかりつけ医含め外来診療を評価するにしてもデータがない!

④無床診療所にもデータをだしてもらい、それに基づいて外来機能を評価し適切な体制構築のための議論をしていこう!

という内容です。

 

内容としては至極当然で理解できますが、ここで重要なことは「そもそもかかりつけ医ってなんなの?」という部分が1丁目1番地だと思います。

日本医師会は以下のように定義しています。

かかりつけ医とは

なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。

かかりつけ医機能とは:

●かかりつけ医は、日常行う診療においては、患者の生活背景を把握し、適切な診療及び保健指導を行い、自己の専門性を超えて診療や指導を行えない場合には、地域の医師、医療機関等と協力して解決策を提供する。

●かかりつけ医は、自己の診療時間外も患者にとって最善の医療が継続されるよう、地域の医師、医療機関等と必要な情報を共有し、お互いに協力して休日や夜間も患者に対応できる体制を構築する。

●かかりつけ医は、日常行う診療のほかに、地域住民との信頼関係を構築し、健康相談、健診・がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域における医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に参加するとともに保健・介護・福祉関係者との連携を行う。また、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう在宅医療を推進する。

●患者や家族に対して、医療に関する適切かつわかりやすい情報の提供を行う。

 

ということで読んでもらえれば理解できますが、かかりつけ医含めた外来機能の強化を議論する上で

そもそも医師会が言うようなかかりつけ医機能をもったかかりつけ医ってどれだけいるの?

っていうのが皆さんの本音じゃないでしょうか?

 

上記のような診療をするのであれば

・複数医師体制で総合診療をベースに活動する

・訪問診療(在宅医療)も必ず行う

・連携をきちんと行うために、地域包括ケアに対応するために多職種(MSW、地域連携に熟知した看護師)在籍が必須

この3点は欠かせない要素だと個人的には思うのですが・・・・こんな地域包括ケアに対応する機能を兼ね備えたかかりつけ医が在籍する診療所、つまり自分が定義するところの地域包括ケア診療所って全国にいくつあるんでしょうか???

 

かかりつけ医、かかりつけ医と国や医師会がいうのであれば、きちんと形骸化した、理念のみのかかりつけ医像ではなくて、一般の人が理解できる、選択できるかかりつけ医というのを国や医師会が提示しなければいけません。そのシステムが今ありますか?ないですよね?

かかりつけ医の再定義とその推進のためにどのような施策をとるべきなのか、個人的には課題は明確だと思っていますのでデータ集めなくてもいいんじゃないかなと思います。逆に今データ集めても結局医師や施策側がかわらないと根本的な解決にはつながらないんじゃないかと考えますがいかがでしょうか?皆さんはどう考えますか?

最後に資料をある程度提示して終了です・・・

第22回 医療計画の見直し等に関する検討会(オンライン会議) から

資料1 外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等について

 

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