公開日:2020年10月07日

地域医療情報連携基盤(EHR)における異なるシステム間の連携 ~電カルと同じ道を歩むのか~

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

在宅医療や医療介護の現場での情報共有は①情報共有ノート②直接の対話、もしくは電話、書類でのやりとり③情報共有インフラを使用しての共有、と大きくわけて3パターンあります。どれも一長一短がありますが、長期的に見た場合③を推し進めるべきなのは自明の理かと思っています。

しかしそうは思っていても当院では現在②を重視して他職種との情報共有、連絡を行っています。なぜかといえば③を使用することによるデメリットが現状では大きいから、です。

代表的なもので言えば

NECさんのID‐LINK、帝人さんのバイタルリンク、富士通さんのHumanBridge SNS

などがあるかと思いますが皆さんは何か使用した経験はあるでしょうか?

 

さて上記のような情報共有インフラですが、興味のある方は日医総研から下記のようなペーパーが出されたので一度確認しておくことをお勧めします。内情がよくわかる資料です。80P程ありますが具体例も多く列挙されているのでサクサク読むことはできますよ。

地域医療情報連携基盤(EHR)における異なるシステム間の連携 ~現状と将来~

一番の問題点を簡単にまとめると

①データの取り扱い、システムの運用について標準仕様がない

②よってシステムが違えばデータの共有化ができない

③場合によっては地域が異なれば、同じシステムを使用していても調整が必要

などですね。

 

これって本当にダメなIT化の一例ですよね。本来であれば医師会主導ではなく国レベルで医療介護における個人情報の共有化をもっと進めなければ、質の高い医療や介護を今後の少子高齢化の中で行っていくことは不可能だと思います。

電子カルテの現状を見てもわかるように、情報企画の統一化とシステム運用の基盤つくりは初期の段階でしなければいけないのですが・・・・このままだと地域で複数情報共有システムが入り乱れ、誰も利用しなくなる、という未来が見えてくるような気がします。

行き過ぎる個人情報保護の観点から効率的な医療介護の連携やサービス提供が阻害される・・・・個人的には電カルや上記のような地域情報インフラなども含め、医療と介護の情報共有化は透明性を保ったうえで全国レベルで推進させるべきかと考えていますが皆さんはどう考えますか?

このままでいくとA患者さんの在宅医療や介護を提供するために①自院のカルテと情報の記録②在宅関係者のためのBシステムへの情報共有入力③医療関係のためのCシステムへの情報入力④請求のための情報入力、なーんて未来も十分あり得ますよね・・・・笑えないです・・・・

 

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