公開日:2020年06月02日

在宅医療機関の2極化【あくまで個人か、組織で取り組むのか】

こんにちは、札幌の在宅医&かかりつけ医@今井です。

 

札幌では個人で在宅医療を行っている先生は以下の3パターンくらいに分類されるのではないでしょうか?

①まだまだ「在宅は開業するチャンス」と考え個人で在宅医療を開始される、もしくは開始された比較的開業年数が短い若い先生

②開業していて外来診療メインでしている先生が、長く通院された患者さんを診るために外来の空き時間を使われて個人で在宅診療をしている先生

③在宅メインで開業している40代、50代の中堅の先生

一方医師複数体制で診療しているところは市内でも、当院や当院の分院のさっぽろみなみホームケアクリニック、ごう在宅クリニック、静明館診療所、ホサナファミリークリニックなどそんなに多くはありません。

一般的に患者さんからみた場合、在宅医療を受けるとしたら個人でやっている医療機関と複数医師体制でやっている医療機関とでどのようなメリットデメリットがあるのか、ということは知りたいと思うので書き出してみます。

個人のクリニックから在宅医療を受けるメリット

①Drが一人なのでいつでも同じ先生に対応してもらえる

②病歴や言ったことなどは100%同じDrなので齟齬がない

③先生独自の考えのこだわりの医療を受けられる

逆にデメリットは

①24時間365日待機なので夜間や深夜の往診が難しい場合もある

②一人Drなので複数医師や医療者による医療のチェックが効かない

③訪問看護師、MSWや栄養士、ケアマネやリハスタッフなどの多職種がいないことがほとんどだと思うので診察以外の医療は受けられない

複数医師がいる医療機関からのメリットデメリットは全く逆になりますね。

メリットは

①24時間365日対応は複数医師や医療者で対応しているので質的には均一した医療が受けられる

②複数医師が在籍しているので医療的にはスタンダードな治療が受けられる

③多職種が在籍しているので必要な時にそれぞれの専門的なアセスメントと治療を受けられる

デメリットは

①夜間や深夜、土日はDrが交代制で診療しているので同じ主治医には常に診療してはもらえない

②医師感のコミュニケーションは(できるだけとりますが)100%言ったことが絶対伝わっているわけではないので、必要なことは繰り返し確認される可能性がある

などでしょうか。

 

 

自分は2040年の札幌の医療介護提供体制を考えた時に、個人で在宅医療を行うクリニックでは地域の需要に応えられなくなる、と考え現在の複数医師体制、多職種在籍の中規模診療所としてきました。一方そうすることで自分が一人で診療していた時とは診療の仕方も組織も変化してきています・・・どっちの医療機関から在宅医療を受けるのがいいのかは結局は患者さんや地域が考えることですが、最終的には自分は個人のクリニックも複数医師体制のクリニックも、どっちも地域には必要なんだろうな、とは思っています。割合の問題はあるでしょうが。ただ今後在宅医療機関の2極化はどんどん進むでしょうし進んでいくべきでしょうね。

 

・・・などなど色々書いてみましたがコロナ禍の影響でこれから生き残る医療機関になるには?とかって業者が盛んにセミナーしていますが、「地域に必要な医療を行っていけば必ず生き残ることができる。潰れる時は地域のニーズに合わない医療をしているからだ」って個人的には思います。皆さんは在宅医療の2極化、今後どうなっていくと思います??

 

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