公開日:2019年05月21日

在宅の現場では医療者の考えと営利企業の論理が衝突することがあります。

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

 

当院は開設当初から基本的には居宅の患者さんメインで訪問診療を行ってきていましたので、住宅系の訪問は良質な住宅を選んではいらせてもらっていますが、外来で診ていた患者さんがサ高住に入り要介護状態となった場合には訪問診療することがあります。

でもこのサ高住での訪問診療、結構難しいことがあるんですよね。問題あることが多いです。

 

札幌は日本最大級のサ高住過密地域です。5~10年前にサ高住に入居した介護を必要としない方も、そろそろ介護が必要な状態になってきています。患者さんとしては長くそこで過ごしていたこともあり、かつご家族も動かすためのハードルが高いためできればそこにそのまま入居してケアを受けたいと考えます。まぁ当然といえば当然ですよね。

ただサ高住によっては、介護保険の点数をほぼデイやヘルパーさんで利用する形で使い施設側の利益をだすようなシステムとなっている所があります。

医療依存度がそこまで高くないと医師のみでも対応できるのですが、問題は訪問看護師が必要になった時・・・医療者側としては何とかして入れてほしいけれど営利企業としてはデイやヘルパーの利用回数が減るのは困る、結果として訪問看護師が入れない、という問題が住宅系の在宅医療の現場では問題としてででいます。

あとは入れたとしても施設丸抱えの訪問看護ステーションで、対応が不十分であったり・・・・うーん、サ高住での医療は難しいですね。

自分はサ高住でも利益をある程度追求するのは否定はしませんが、あくまで医療や介護、公共性が高いサービスでそれが許されるのは、私的利益と公的利益、受益者の利益がある程度バランスがとれている場合に限られると考えています。現状はどうでしょうか・・・・

 

在宅医療者からみたらサ高住って本当に千差万別です。自分が入る時、家族を入れる時はどこにすべきかよくよく考えてから行動してくださいね。中央区在住の方で相談があればMSWが随時できるだけ中立的な立場から相談にのりますので気軽にご連絡ください。

 

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