公開日:2019年02月13日

終末期における医療においてかかりつけ医の役割がより重要に~皆さんのかかりつけ医は誰ですか?

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

高齢者の救急医療については現在病院や在宅医療の分野で非常に議論が活発になっています。そんな中東京都の東京消防庁・消防総監の諮問機関「救急業務懇話会」にてこんな内容の議論がなされています。

終末期 かかりつけ医指示あれば…救急搬送時 蘇生中止も 東京消防庁の諮問機関答申

<東京消防庁・消防総監の諮問機関「救急業務懇話会」(会長=山本保博・東京曳舟病院長)は12日、救急搬送時に心肺蘇生を望まない人生の最終段階(終末期)の高齢者について、かかりつけの医師から指示を得られれば、蘇生を中止できるとする答申をまとめた。東京消防庁はこの答申を踏まえ、来年度中に、蘇生を中止できるケースを明示した救急搬送時の基準を作成する。

 答申は、心肺蘇生を中止する要件として、▽家族から、患者本人が蘇生を望んでいないという意思を示されること▽かかりつけの医師または連携する医師から、患者本人の意思と人生の最終段階であることが確認されること――の2点が必要とした。

 医師に連絡が取れない場合は判断ができないため、通常通り心肺蘇生を行う。現状では救急隊員が駆けつけた際、明確な指針がないため対応に苦慮する事例が起きていた。>

とのことです。

当院が診療している患者さんでも、家族がパニックとなってしまって救急隊要請、その後蘇生を希望しない旨を伝えても救急隊の仕事として蘇生しなければいけないとのこと→望まない治療に、となってしまった患者さんが少ないけれどもいますのでこのような議論がでてくるのは決して悪くないと個人的には考えています。

この議論、今後どんどん話がすすんでいき「かかりつけ医の指示があれば蘇生しなくてよい」というのがスタンダートとなるのは時間の問題かと思いますが、その時に備えて皆さんが考えておかなければいけないことはなんでしょうか?

自分としては最低限3つのことは考えておく必要があるのではないか。

①自分の終末期についてどう考えるのか。また家族にどう伝えるのか

②かかりつけ医はそもそも決めているのか

③そのかかりつけ医は何かあった時に連絡がつくのか

 

当たり前ですが人生の終末期にあたって自分の意思がどうなのかがまずは一番重要になります。その結論や方針に関しては人任せにせずきちんと自分で考え、そして考えるのみでなく周囲の人にきちんと伝えておく必要があります。

またかかりつけ医についてもきちんと考えておかなければいけません。認知症はA先生、循環器はB先生、整形はC先生・・・・・と色々な専門医にかかることは悪くはないですが、そのスタンスでいくとどの医師も「この患者さんの人生の最終段階における主治医は他科の医師では?」と考えてしまっても仕方ないですよね?

かかりつけ医を決めること、そしてある程度その医師に集約的に医療情報を集めてもらい全人的に診察してもらうことが今後人生の終末期において自分が希望する医療を受ける上では重要になってくるのではないでしょうか?

また最後ですがそんなかかりつけ医の先生を選ぶ時、何かあった時に連絡がつくかどうかも非常に重要になってくると思います。救急隊がかかりつけ医の先生に連絡したい→けれどクリニックがしまっていて連絡がつかない、ってなった時にはおそらくどうしようもない事態となるでしょう。どのようなかかりつけ医を選ぶかは皆さんの選択となるとは思いますが、上記のように長い目で見たときに自分に必要な医療はなんなのか、きちんと考えかかりつけ医を選ぶ必要があるでしょうね。

 

皆さんは人生の最終段階における医療についてどのように考えていますか?家族や周囲の人にきちんとその考えを伝えていますか?かかりつけ医はこの先生!!って自信をもっていえますか?その先生は何かあった時に連絡がつく体制ですか?

よければこの記事をみながら考えてみてくださいね。

 

 

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