公開日:2018年11月17日

2020年以降のかかりつけ医の定義と役割はどうなるの?

こんにちは、札幌の在宅医&かかりつけ医@今井です。

 

当院の内科診療はできるだけ”かかりつけ医の役割”を意識して行うようにしています。なぜならそれがこれから先、10年20年先の医療において一番街医者に求められるようになる仕事と信じているからです。

ではかかりつけ医とはどう定義されるのか?さらに言えば2020年以降のかかりつけ医の定義と役割ってどうなるのか皆さん考えたことありますか?少し一緒に考えてみませんか?

現在のかかりつけ医の位置づけ

日本医師会によるとかかりつけ医の位置づけは

「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」

となっています。

ということでかかりつけ医はもちっと詳しくいうと「医療分野に精通しておりある程度総合診療ができる。それ以外にも地域の医療機関の特性も把握しており、介護保険や地域の利用できる社会資源にも詳しく、必要な時に必要な医療なり情報なり資源なりを患者さんや家族に提供することができる」医師のことを指すことになります。

・・・・正直この定義からすると今現在の日本の診療所の7割以上の医師がかかりつけ医に該当しないように感じるのは自分だけでしょうか?

っていうか開業医一人でこれ全てを網羅する知識とネットワークを構築するってかなりハードルが高いと思います。

確かにある程度どの町医者先生も医療面に関しては十分に知識と経験、ネットワークがあるでしょう。ただ介護や地域の状況、社会資源に関してはどうか?と言われると非常にプアなレベルであることは間違いありません。

しかしこれからの高齢化社会の中で地域包括ケアが推進されると、上記のような本来のかかりつけ医の機能をきちんとこなす町医者が増えてこないと社会的にも診療所の医師がしっかりとした役割を担うことができなくなりますよね。何より患者さんや家族がものすごい困ります。(というか現実に社会のはざまで困っている患者さん家族本当に多いです。)どうしたらいいでしょうか・・・・?

2020年以降のかかりつけ医の定義と役割

という訳で上記のような現状を鑑みながら2020年以降のかかりつけ医の定義と役割、どう医師が対応していくべきかについて自分の考えを述べていきたいと思います。

まずはかかりつけ医の定義ですが、個人的には以下のように考えています。

「総合診療をベースに外来や在宅医療を実践し、予防医療から在宅緩和ケアまで幅広く対応できる医療を提供することができる。さらに地域においては多職種連携のまとめ役として活動することができコミュニティデザインにも積極的に関わることが求められる。住宅や地域のサービスなどの社会資源、介護事業所などの情報も必要な時に提供できる体制を整えており、障害や疾病を抱えている患者さんや家族が地域で生活できることを総合的に支援できる能力をもつ」

そんな医師をかかりつけ医と呼ぶようになるのではないでしょうか?

え?そんな医師はいないって?そうですよね。そんな役割を一人医師でこなすことは絶対不可能です。なので3~10人程度の複数医師によるグループ診療となることは不可避だと思います。

ということで個人的には2020年以降は”かかりつけ医”という呼称をやめて”かかりつけ診療所”という名称を広めていくべきではないかと考えていますが皆さんはどう考えますか?

 

そんなかかりつけ医(診療所)の役割ですが、その中でもやっぱり重要なのは以下の3点でしょう。

①外来⇔在宅医療を行き来しながら診療できること

②在宅緩和ケアに当たり前のように対応できること

③多職種連携を推進できること

 

2020年以降はこんな複数医師が働いて地域で活動していく診療所が当たり前のようにちらほらでてくる、そんな将来が来ると自分は確信していますが皆さんはどう考えますか?

何が正解っていう訳ではないですが未来を考えながら行動していくことは面白いですね。当院はどんどん先を見据えて行動していきます。アクティブに地域で活動したい医師や看護師、MSW募集していますので興味ある方は気軽にご連絡くださいね!

 

 

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