公開日:2018年06月11日

誰が無医村に診療に行くべきか?またどう医師を呼ぶべきか?【総合診療×遠隔診療の活用が必須】 

こんにちは、札幌のかかりつけ医@今井です。

青森のとある村が10年ぶりに無医村を解消したようです。以下記事より抜粋↓

10年ぶりに「無医村」解消へ 青森・佐井に来年2月診療所開設

人口に対する医師数が全国より少なく、偏在が課題となっている青森県。県によると、県内には医療機関を持たない自治体が佐井、西目屋の2村ある。2008年度から”無医村”状態の佐井村に、来年2月の開業に向け、整形外科の診療所を開設する計画が民間によって進められている。当面は月に1回の診療だが、地域医療の支えとなることを目指す考えだ。

 開設準備を進めるのは青森市浪岡で整形外科を開く大竹進医師(67)。診療所は入院ベッドのない無床診療所で月に1回、大竹医師やスタッフが出張する。村は土地の無償貸与と外構工事を担うが、その他の費用は大竹医師が賄う。建物は今年中の完成を見込み、光回線で浪岡の診療所と電子カルテなどを共有することも想定する。

 背景には村が置かれる厳しい現状がある。08年4月、北通り地域の医療施設統合で、佐井診療所が大間病院(大間町)に吸収されたことをきっかけに、村では「通院バス」を掲げたコミュニティーバスが運行されている。隣町の大間病院に通う患者のためで、地区によって1日1~2往復する。また、へき地診療として福浦地区に月3回、牛滝地区に月1回、大間病院から内科の医師が訪れるが、医師不足は深刻で「契約がいつまで続けられるか」(村住民福祉課)との不安も拭えない。

 高齢化率が40%を超える同村。整形外科の需要は高く、北海道や十和田市まで通院する人もいる。樋口秀視村長は、医療環境の充実を求める村民の要望が多い状況に触れつつ、「通院のため、稼ぎ手が仕事を休んで付き添わなければならない現状がある」と語る。

 5月下旬の村議会総務産業常任委員会では、大竹医師から計画について説明を受けた村議が「診療日以外は誰が診るのか」「内科の対応はできないか」などと要望した。

 これに対し、大竹医師は「無医村に診療所を作ることは私の使命。まずは月1回、整形外科の診療を確実にできるようにしたい」とし、軌道に乗れば、県外の医師を村に呼ぶなど医療環境を整える構想も示した。

 医師不足は県全体の問題だ。16年厚労省の調査によると、県内人口10万人当たりの医師数は198・2人で、全国平均(240・1人)を大きく下回る。二次医療圏別に見ると、全国平均を上回るのは弘前大医学部付属病院がある津軽地域(293・1人)のみ。下北143・2人、上十三124・4人、西北五122・9人は特に少ない。

 

ということで無医村の解消に尽力している大竹先生には頭が下がります。また費用に関しても土地と外構工事以外は負担するとのことで実質ボランティアに近い形になるのではないでしょうか?

ちょっと気になるのは文中の赤字の部分ですが・・・村民の方も来てくれるのを切望しているとは思いますが、来てくれた医師の過剰な負担になると絶対継続しない事業ではあるのでくれぐれも無理な要望はしない方がいいかと思いますが・・・・先々どうなっていくでしょうかね?

 

さて表題にある通り誰が無医村にいくべきかという問題、すごい根が深い問題です。おそらくは総合診療医がローテーションで数か月スパンで日中のみ診療に行く形とし、あとは遠隔診療でサポートし必要に応じ薬の調剤を近隣の(もしくは遠隔服薬指導する)薬局に依頼する、っていう形がベストではないかと考えています。

単科の専門科医が無医村に行くというのはお互いにとって不幸になると思いますので総合診療医×遠隔診療×遠隔服薬指導の活用こそがこれからの過疎地の生きる道だと思います。

またどうそのような総合診療医をよぶべきかという問題ですが、できることなら日中のみの限定された勤務で、それも短時間の診察(10時ー16時とか)、ローテーションで複数医師体制とし一人の医師の負担にならない形とし継続するっていうのが一番妥当なような気がします。

文中の赤字のように次々と要望を足していくのは絶対ダメで、きちんと当初の決められた契約を守る姿勢を行政側がみせれば行ってもいいという医師は一定数いるのかなとも思いますが・・・・皆さんはどう考えますか?

 

いずれにせよ繰り返しますが、これからの過疎地の診療は

総合診療医×遠隔診療×遠隔服薬指導

が必須です。早くその将来を見据えて過疎地の行政は動いていかないと取り返しのつかない状態になりますよ~、どんどん予想して動いていきましょう!!

 

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