公開日:2018年05月26日

12時間の在宅療養・・・それでも最後まで家族と一緒に過ごせる時間は貴重だと思います。

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

在宅で過ごすことが可能な時間は人によってそれぞれです。5年10年っていう方もいますし1か月、場合によっては2週間っていう方もいます。過ごす時間の多寡はあってもその時間はとても貴重であることには変わりありません。

12時間の在宅療養

昨日金曜日17時過ぎ、急遽その日の午後に退院された患者さんの訪問診療の依頼が病院からありました。

聞けば呼吸状態が不安定ですぐにも看取りになりそうな状態・・・本来ならクリニックの新しい先生や看護師さんの歓迎会があったのですが残念ながら不参加に・・・・諸々調整して19時からの初診での往診となりました。

診療に行くとすでに酸素10L使用されている状態・・・家族の方に説明して少し楽になるようにお薬の調整をして退室となりました。

その後はあとでお聞きするとご家族がずっとベットサイドで時間を過ごしていたとのことでした。先ほど本日朝5時過ぎに呼吸停止とのことで電話連絡あり、往診しお看取りとなりました。

自宅で過ごした時間はほぼ12時間くらい・・・ただ奥さんも「本人が帰りたい帰りたいって言っていたから良かったです」とおっしゃっておられました。

医療者としては与えられた時間が短い中ではしてあげたい全てのことをすることはできません・・・・ただそれでも短時間でも自宅で過ごして最期を迎えるっていうことは家族にとって、そして本人にとってもとても重要な時間なのではないでしょうか?

もしこの12時間がなかったら奥さんもつれて帰れなかったことを後悔したでしょうし、本人にとっても自宅に帰りたいという希望がかなえられずに悔やみながらの死となっていたでしょう・・・

たった12時間の在宅療養ですがそれでも自宅に帰る意義は絶対あると思います。たとえ病院の医療者に「この状態では帰せない」って言われても「この状態でも帰りたい」と思う人がいるなら必ず自宅に帰った方がいいと思います。

地域でそんな人を受け入れられるように体制をチームでつくっていきたいですね。気持ち新たに頑張っていこう!!

 

皆さんの周りでは帰りたい人は帰ってこれていますか?

 

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