公開日:2018年03月27日

在宅医療の普及のために、ロングテールの部分の診療所に着目した医療政策は本当に正しいの?

こんにちは、札幌の在宅療養支援診療所の医師@今井です。

m3で医療政策の話の中で在宅医療を取り巻く状況についてこんな内容の記事が出ていました。

医療と介護の同時改定、肝は細部 – 迫井正深・厚労省保険局医療課長に聞く◆Vol.4

――在宅医療については、在宅療養支援診療所以外の診療所の訪問診療、複数医師による訪問診療などを評価する一方、「月2回以上の訪問診療を行った場合の在宅時医学総合管理料等」については適正化、その代わりに「包括的支援加算」が新設されました(『在宅医療、「要介護2以上」等で150点加算』を参照)。

在宅医療については、実態に即した、在宅医療の担い手の裾野を広げる対応をしています。まず、在宅医療ニーズが今後増大する中で、在宅療養支援診療所の届け出数は伸び悩んでいます。24時間対応や複数医師の体制構築が主な困難要因です。一方、一般診療所において、実態として、外来通院していた患者さんについて、在宅医療に移行しながら診療を継続している場合も少なくなく、訪問診療や往診の算定の約半数は在支診以外の診療所です。在支診に手を挙げるのは難しいが、外来患者さんの延長線上で在宅医療にも対応していくという流れは自然であり、このような取り組みを応援する必要がある。このような視点から新設したのが、「継続診療加算」です。

ということで在宅医療の普及のために国は診療所のロングテールに注目した政策を考えていますね。

縦軸を在宅患者の診療人数、横軸を診療所だと思ってもらってもいいです。

在宅医療の普及のためには少人数の在宅患者さんをみている多くの一般診療所のことを考えるのはもちろん必要でしょう。

ただ

Headを無視したロングテール戦略はあり得ません!!

まずは現在すべきことは質が高く患者さんをきちんと診ており、かつ抱えている患者数が多い在宅療養支援診療所を伸ばすことを徹底的にすべき段階ではないでしょうか?今までのように質を伴わない施設中心の診療所を優遇するような政策ではなく、Headとなりうるような在宅療養支援診療所を全国に1000か所程度つくるだけでも状況はかなり変わってくると思います。

ロングテールの部分に相当する一般診療所を優遇していくのはその後でもいいのではないでしょうか?(それと並行でもいいですが・・・)

個人的にはまずは核となる部分を伸ばしてこそのロングテールと思いますが・・・皆さんはどう考えますか?よければご意見くださいね。

 

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