公開日:2018年03月02日

当院が在宅医療の分野で専門特化しない3つの理由

こんにちは、引き続き本日も大雪中の札幌の在宅医@今井です。

在宅医療の分野でも専門特化している診療所がありますね。在宅緩和ケア専門の診療所も札幌にはありますし認知症患者さんをメインにみている診療所もあります。また精神科でも訪問診療しているところもあります。

そんな中当院は開業当初から疾患や病態に関わらず、できるだけどのような患者さんでも在宅医療の適応があれば診察してこようという方針で運営してきました。その理由はたった3つなのですが以下に書いてみたいと思います。

当院が在宅医療の分野で専門特化しない3つの理由

1地域を診るかかりつけ医療機関を目指しているから

これは在宅医療を開始した時からいつかは外来診療を行おうと思っていたのですが、やはり医療機関として一番大事なことは規模の大小に関わらず地域で根ざした医療を行っていくことに尽きるのではないかと思います。

その中で診療所に求められていることは、やはり特定の専門機能をもつことももちろん大事ですが地域の人と人間関係をつくりながらの医療を提供していくことではないかと考えています。普段から体調変化したときまでも連続した医療を提供するためにもやはり地域で活動する、地域を診ていくかかりつけ医療機関となることが重要だと前も考えていましたし現在もそう考えています。

2在宅での緩和ケアはあくまで生活の延長線上にあると考えているため、その場面のみを切り取り医療を提供する医療機関となるのに疑問があったから

病院では専門特化した診療はありだとは思いますが、在宅のフィールドはあくまでも生活と密着した全人的な診療がベースです。終末期の緩和ケアが必要になる患者さんは確かにいますが全ての患者さんがそうではありません。

逆説的ですが自分はより適切な終末期の緩和ケアを行うためにも、それを必要としていない患者さんを沢山診察していくことは必須ではないかと思います。生活を支援する、変わらない日常がどのようなものかを診察を通して把握していく、それをしてこそ日々めまぐるしく変化する終末期の緩和ケアへのより適切な助言や人間的な対応ができるのではないかと考えています。

ここらへんは各医療機関や医者の考えによっても違うでしょうしそれでいいと思います。あくまで当院は、ということでお聞きください・・・

3医師として成長できる機会が増えるから

これは専門特化してもできるかも知れません。が疾患に関わらずたくさんの患者さんを診察していると目の前で生じる色んな異常、変化を実際の知識、経験とすることが専門特化するよりは可能ではないでしょうか。医学はやはり何と言っても知識も大事ですが、知識のみならずそれプラス経験の方が圧倒的に役に立ちます。たくさんの患者さんを診察すること、それこそ何よりも医師として自分が成長できる機会なのではないかなぁと考えているのも自分が専門特化しない一つの理由です。

 

いかがでしょうか?皆さんはご自身でどう考えて診療や看護、リハ、ケアマネジメントなどされていますか?よかったらご意見くださいね~

 

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