公開日:2018年01月29日

ダブルケアの問題をどう考えるか?決して他人事ではありません、一緒にこの問題について考えませんか?

こんにちは、在宅緩和ケア医@今井です。

先日子育てをしながら癌終末期のおばあちゃんをお看取りした患者さんの御家族がいらっしゃいましたが、毎月1人~2人はこのような育児をしながら親の介護もする「ダブルケア」の患者さんを抱えたご家族が紹介されてきます。(正確には紹介されてくるのは患者さんですが・・・)

ダブルケア自体の背景は高齢化と少子化、さらに晩婚化も影響しているでしょうが、この問題・・・決して他人ごとではないなって肌感覚で理解できています。

ちなみに今井の家族は妻と子供4人(小学生1人、未就学児3人)ですが、自分の両親はともに70歳越え・・・この状態で介護が必要になったらまさしく我が家もダブルケアの問題を抱えることになります。

今回ダブルケアの現状を理解するとともに、どのように支援の手を差し伸べてあげれるのかを考えていきたいと思います。

1ダブルケアの推計人口

下記の図の通り育児を行うものに占める割合が2.5%、介護を行うものに占める割合が4.5%となっています。

あなたはこの%をみてどう感じますか?今井は非常に高い割合で決して他人事ではないと考えます。

2ダブルケアを行うものの年齢構成

ダブルケアを行うものの平均年齢は40歳前後、30歳~40歳の方が8割を占めています。

この年代の方は社会でも一番必要とされているポジションであり、公私ともに非常に充実した、というか時間に追われた生活をされていると思います。かくいう自分もそうですが、ただでさえ子育てだけでも大変なのに親の介護まで・・・となると大事な家族を守るためとはいえ介護者が倒れてしまうのは必至のような気がします・

3ダブルケアを行うものの就業状況

ダブルケアを行うもののうち男性は9割が就労、女性は半数が就労となっています。

これは何を意味するか、考えなくてもわかりますよね。介護と育児の大部分が女性のみの負担となっていることを意味しています。

さらに資料を読み進めるとダブルケアの主介護者となっている無就業女性も6割が就業を希望しているとのこと・・・現場で在宅医療者側として働いていもこの統計が正しいことは良く理解できます。

 

さてダブルケアの問題点を考えて行きたいと思います。

 

①社会で育児や介護の支援の手をもっと充実させていけないか?

②このまま終業希望はあるけれど実質就業できていない女性に全てをまかせていていいのか?

③周囲でダブルケアの状態の人はこれからさらに増えるでしょう。公的なサービスのみに頼るのではなく何か自分達でできることはないのか?

④そもそも周囲の人はダブルケアをしている人を気にかけているのか?声をかけてあげているのか?

 

 

在宅医療者としてこの現状を変える努力はしていこうと今回改めて思いましたが、皆さんも一緒にこの問題をどうしていくか考えませんか?そして行動しませんか?ダブルケアをしている方には何気なく気にかけてを声かけてあげ、励ましてあげませんか?

一人一人が今いる場所からでも考えればきっともっと良くしていけるのではないかと信じています。

 

何かあれば気軽にご連絡くださいね。

 

 

 

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