公開日:2018年01月08日

在宅緩和ケアのためになんで訪問リハをいれないの???

海外からきた観光客の患者さん、無事移動できたでしょうか・・・・心配です

 

こんにちは、フィジカルアセスメント大好き@在宅医の今井です。昨日のブログでは在宅緩和における訪問診療の導入について簡単に話しましたが、本日は緩和部分における訪問リハの役割について少し話していきたいと思います。

というのは最近とあるケアマネさんと話をしていて「癌の患者さんにリハビリいれるのは必要性がちょっと・・・ね」っていう風なこと言われたんで、是非癌の患者さんの在宅緩和ケアに訪問リハセラピストは必須だぞってこと、理解してほしくて書いて行きたいと思います。(最近だいぶこんな声すくなってきたんですがね・・・)多分患者さんや家族の方もあんまりリハセラピストの役割知らないと思いますので・・・

 

さて在宅癌緩和領域におけるリハセラピストの有用性について話する前にそもそも訪問リハの役割ってどんなことしているのっていうことは簡単に振り返ってみたいと思います。以下羅列します

リハセラピストの役割

①身体機能の評価と向上

②住環境の評価と改善

③適切な福祉用具の選定と使用方法の指導

④他職種へのリハビリ指導

⑤食事の形態の検討や食事時の体位の指導、嚥下訓練、口腔ケアの指導

⑥マッサージなどによる症状緩和

⑦家族への介護方法の指導

などになるでしょうか。他にも色々あるので抜けているかもしれませんがどんどん書いていくので気にしないでください。

とそのような役割があるリハセラピストですが、在宅緩和ケアの中ではどのような役割を果たしていくのでしょうか?




下の図はネットから拝借してきましたが、終末期の患者さんのADLの変化を表しています。

在宅でもまさしくこの通りで徐々に落ちていく、というよりはある時を境に急激にADLが低下、できないことが増えていきます。この時の患者さんの悲嘆は若ければ若いほどもちろん大きいのですが、それでもぼくら医療者は

できる限り質の高い生活を送ってほしい

と心から思っており、さらに支援したいと考えています。

限られた身体機能でどのように快適な生活を送ってもらえるかを看護師や医師ももちろん一生懸命考えますが、やっぱりフィジカルアセスメント能力の高いリハビリセラピストさんには正直かないません。

ではその時にリハビリのセラピストさんは何を目標にリハビリを行っていくのか、以下のことはセラピストさんに直接聞いたというよりは今井の個人的意見として書いているのですが、この3点を目標にリハビリセラピストさんは頑張っていると思います。

1)身体的苦痛の緩和

2)精神面苦痛の緩和

3)家族への指導やそのケア

 

まずは1)身体的苦痛の緩和ですが、筋緊張亢進による疼痛の緩和、リンパ浮腫のケア、呼吸リハによる呼吸苦の緩和、褥瘡予防のための環境整備などの疼痛悪化の予防などなどが挙げられます。

在宅の現場で数々患者さん診てきたのでわかりますが、実際看護師さんのケアもとても上手な方が多いですが、リハセラピストの方の治療の方が圧倒的に効果が高いなって感じています。(本当に稀に神レベルの看護師さんもいますが・・)緩和ケアって医師との対話による薬物治療も大事ですが、それと同じくらいフィジカルアセスメントに基づいた緩和ケアの施術、特にリハセラピストの方によるものはやっぱり効果が抜群だということは覚えておいてください。

2)の精神的なケアですがこれは徐々にできなくなることが多くなる生活の中で、小さな目標でもリハセラピストと一緒に共有し生活していくことは患者さん本人の精神面にとって、とても大きなプラス効果があります。大げさですが

患者さんが生きる目的をリハセラピストが与えることができるのです

もちろん全ての患者さんが全て、そういう訳ではないでしょう。ただ目標をもった生活ができる、それも一緒に悩みながら考えてくれる医療者がそばにいてくれるっていうことは患者さんにとってとても大きな意味があります。

僕はリハビリセラピストが在宅緩和ケアに関わることの重要性は、一番はここのポイントが大きなウエイトを占めていると思いますがどうでしょうか?実際のリハビリセラピストの方の意見も聞いてみたいですが・・・(今日h祝日だから当院のセラピストには後日聞いてみます)

 

あとは3)ですがこれは家族の方への介護指導などは看護師さんとかぶる役割もありますが、変化しつつある病状をフィジカルアセスメントを基に家族の方にきちんとお話ししていくこと、これは家族の方の病状の受容にもつながっていくでしょうね。家族の方も一緒にできるフィジカルケアを行ってあげるのもまた重要でしょうね。




 

 

いかがでしょうか。おもいつくままにさくさくと書いていきましたが、なんとなく在宅緩和領域におけるリハセラピストの重要性は理解して頂けたでしょうか??

皆さんの知り合いや家族の方が「訪問看護は必要だけどリハビリはね・・・」って言うようであれば是非その必要性を教えてあげてください。必ず後日「教えてくれてありがとう」と言ってもらえるでしょう・・・

 

ということで少しでも皆さんの参考になればと思います。では今日はこの辺で・・・

 

 

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