公開日:2017年12月07日

とある看護師さんの話・・・・

道路がつるっつるですね。今日は事故が多発しそうな予感・・・・

 

こんにちは、12月はクリスマス、ということで看護師さんや事務の皆さんがツリーを院内で飾ってくれました。

季節感は大事にしていきたいですね・・・

 

さて先日とある80代の看護師さんから相談があるよということでお会いしてきました。その方現役看護師さんの間は○○センターの総婦長さんなどの管理職として働かれていたのですが、引退後は地域の高齢者の方々の世話を自ら積極的にしておられ、認知症の患者さんの排泄の世話、保清、3度の食事世話なども行っておられる方でした。

「看護師はいつまでも看護師なのよ」って言っておられ、無償の、まさしくこれこそ訪問看護、っていうものを誰に言われる訳でもなくご自分で実践されておられました。

 

さて相談の内容ですが、この方がお世話していた認知症の方が、低温やけどが原因で入院になってしまったけれど・・・・・どうしたらいいだろうか?っていうことでした。

以下その方が話された内容

「見に行ったけれど手足を結わかれて頸から点滴の管がはいっていたわ」

「入院前日までは私がつくった食事を3食食べていたけれど、今の病院では最初から食事がでないの」

「リハビリもしているって看護師さんは言うけれど30分だけリハビリしてあとは結わっているなら何のためのリハビリ?って思うのよ」

「あの病院は確かにいい病院だけれど・・・・私婦長していたからわかるの、みんなあの人が死ぬまで今の状態で仕方ないねって思っているのが・・・このままだと死を待つための入院となっていると思うの」

「連れて帰ってあげたいけれど私も体もう動かないし・・・でもこの10年ずっとお世話してきてあげたから、このまま今の状態で死んだら後悔するわ」

「たしかにあそこの病院はすごいいい病院だとは思うの、だけど今あの人に必要なのは設備のあるいい病院じゃなくて、そこそこの治療でいいから早く帰してくれる治療をしてくれる病院だと思うの」

「看護師さんも私が働いているころに比べたらすごい色んな知識もあるし医療技術もあると思うの、だけど何が患者さんにとって大事かってやっぱり考えてくれていないような気がするの」

「私ならこの人を、ここをマッサージして座れるようにして、食事も○○だして食べさせて、食べれたら次はこれだして、とか色々工夫して世話してあげたいのに病院にいたらそれもできないの」

「療養病院の話も出たけれど死ににゆかせるのは忍びないし」

「先生どうにかしてくれないかしら」

と・・・・・・

 

うーん、他にも色々話はしたのですが、さすが元総婦長さんだけあってお年をとられても観察のポイントがとっても鋭いです。今の病院、一般的な急性期病院ですが、の問題や看護師さんのこと、認知症患者さんについての持論などとても深い意見を伺いこちらの意見もお伝えしました。

この患者さんどうしていくのか、実際当院はほぼほぼ関わりがない患者さんなんですが、この元看護師さんの話を聞いてしまった以上何かしらお手伝いしないといけないなぁと・・・・ということでMSWに介入してもらうこととしました。

 

この元婦長さんとの話の中で、改めて自分が気になったことを書き出すと

「認知症の方にとって良すぎる病院はかえって良くないわ」

「病院が追求するいい医療ってものは、必ずしも患者さんにとっていい医療ではないってよくわかりました」

「看護師は技術や知識も大事だけれど、もっと大事なものがあるのではないかって思います」

などなどでしょうか・・・・・

実際に涙を出しながら話をされているのを聞くと、あっという間に2時間近く時間が過ぎました。どうなっていくのか、できる限りの支援をしていきたいと思います。

 

さて本日の医療ニュースは・・・・またあとで更新したいと思います。



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