公開日:2017年09月22日

在宅における抗生剤の使用について

明日は久しぶりの外来です・・・・

 

こんにちは、久しぶりの外来診療に向けてちょびっと不安もあったため、今回明日札幌市の夜間急病センターにて準夜間帯に診療することと致しました。外来診療もできるしアルバイト代も頂けるし地域医療にも貢献できるし・・・・・正直いいことばかりじゃないか?って思っています。明日楽しく外来診療頑張ってきたいと思います。

さて本日ですが在宅における抗生剤の使用について少し述べてみたいと思います。

在宅医療の現場では抗生剤を使用する頻度、結構多いと思います。膀胱炎や誤嚥性肺炎、癌による閉塞性肺炎や蜂窩織炎などなど・・・・・炎症の原因の診断がつけられる場合もありますし、身体所見のみでは判断がつかないけれど採血結果でWBCやCRPが上がり熱発している場合など、確定診断をつけることがなくとも使用することもあります。

治療の目標としては病院では採血上の数値の正常化でしょうが、在宅では治療終了後に採血で確認しないこともあります。なので”元気になったこと”、”熱がでないこと”、”水分や食事がとれるようなったこと”などが達成できることを目標にしていくことが多いです。

使用する抗生剤は経口で行ける場合はもちろん通常の外来診療と同様の選択をしていきますが、実際認知症で服薬困難であったり、動けなくて誰かが見に行ったほうがいい場合があったりもするので特別訪問看護指示書だして看護師さんに点滴での抗生剤加療をお願いすること結構あります。点滴では主に1日1回投与で済む、半減期が比較的長い3世代セフェムのセフトリアキソン、もしくはクラビットなどを使用することが多いです。ただ難治性であったり緑膿菌感染を繰り返したり重症化した場合はメロペンなども使用します。通常メロペンなどは1日3回とかの投与ですが・・・・・えぇもちろん在宅では基本は1日1回投与です。(もしくは多くても2回です)

病院では1日3回投与が基本の薬剤、抗生剤であっても状況により在宅では1回投与などもあることは是非皆さんに知っておいてほしいですね。多剤耐性の原因になる?たしかにきちんとした使い方をするのが本来の使い方であることは否定はしませんが現実的に1回投与でも他の抗生剤で改善しなかった患者さん、改善した症例って結構あります。ぎりぎりの選択の中で自宅で何ができるのか、何をしてあげられるのか、抗生剤一つとっても病院と在宅では考え方、使い方は違うと個人的には思っています・・・・・まあ病院の先生にはまずこんな使い方していたら怒られるかも知れませんが、そういう使い方、考え方もあるんだなぁって皆さんも頭の片隅に記憶しておいてもらえればと思います。原則は緩和も治療もそうですが病院での治療≠在宅での治療ですので・・・・・

 

さて本日の医療ニュースはこちらです。この話題、個人的には大注目しています。面白い記事ですので是非お読みください。

遠隔医療の普及が及ぼす医療機関・調剤薬局への影響~遠隔診療・遠隔服薬指導が示す「新たな医療機関・調剤薬局の在り方」:Mizuho Short Industry Focus https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/pdf/msif_160.pdf

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最初のまとめ文、引用すると↓

「 遠隔診療の普及により、医療機関は対面診療と遠隔診療を組み合わせた新たな医療サービスを実現す ることが可能になる。但し、対面診療と比較し、患者の情報量が限られる遠隔診療には、医療の質を担保 する体制整備が必要であろう。また、患者が通院することなく処方せんを受け取ることが可能となるため、 調剤薬局は、医療機関の近隣から患者が処方せんを持込みやすい生活動線上へと店舗の立地戦略を 見直す必要もある。更に遠隔服薬指導が実現すれば、従来以上に調剤薬局は「立地から機能へ」の転 換を図り、かかりつけ機能を発揮することで患者に選ばれる存在になることが求められる。」

・・・・・・今後の医療情勢をみていくのにすごい重要な事が書いてあるとおもいませんか?皆さんはどう考えますか?