札幌の在宅緩和ケアの現状について~2017年版

そろそろ冬に向けた診療の準備を早めに考えていこうと思っています・・・・・

 

こんにちは、当院では何も予定のない金曜日の12時30分から看取った患者さんや診療が終了した患者さん(施設入所、長期療養病院への入院、他医フォロー、転居などの理由)の振り返りカンファレンスを行っています。今週18日は若くしてなくなった患者さんやご両親が看取った患者さんについて、診療医、同行看護師、SW、ステーション看護師などなど多職種で各々の立場から良かった点、学びとなった点を話をし全員で事例を再度共有しました。またそうすることがスタッフ同士のグリーフケアともなりますね。ところで札幌での在宅緩和ケアの普及状況ですが自分が在宅を始めた6、7年前と比較し現状はどうなっているでしょうか?改善した点、変わらない点、課題など思うままに簡単に書いていってみたいと思います。

札幌の在宅緩和ケアの現状について 2017年版

札幌の在宅緩和ケアをとりまく状況ですが2011年に開業したときと比べ緩やかですが変化は見られつつあります。1番の変化はやはり在宅緩和ケアが必要な患者さんを診ていく在宅医が徐々にですが増えつつある点です。中央区は2011年当時より既に積極的にみていく医療機関はありましたが、現在では西区、手稲区、東区などなど各地域で在宅緩和ケアに従事する、もしくは専門に行う診療医がでてきているため各区である程度在宅緩和ケアのニーズに対応することが在宅医としてはできるようになってきていると思われます。(対応が難しい区もありますが)訪問看護も同様です。ステーションンも人数の多寡はあれど在宅緩和を使命と考え動いているステーションや、その他でも特に断ることなく訪問してくれる看護師さんが2011年と比べると増えた印象です。2017年の現状であれば在宅医療サイドでは在宅緩和ケアへのニーズに答える体制は既に出来上がっている状態であり、ある程度需要が予想より増えたとしても特に問題なく受けれる体制はとれるのではないかと思われます。

さて一方で在宅緩和ケアにつなげる病院サイドはどうでしょうか。この点は2011年と比べると徐々にですが変化はみられつつありますが、在宅医療サイドの変化と比べると比較的ゆっくりとした変化と言えるのではないかなと個人的には思っています。いくつかの病院は退院支援、調整担当者を大幅に増やしている所もあります。ただその結果として在宅緩和につながっている症例数が大きく増えているか、と言われるとそこまでとは言えないのかなぁと思います。外来での一コマや退院調整の場において在宅という選択肢の提示はされるようになってきているのではないかと思いますが、患者さんが在宅を選択しない理由がなんなのか・・・これまで当院に紹介されてきた在宅緩和の患者さんの傾向をみてみると「医療的にやはり在宅で対応できるかどうかが不安」「介護の体制をどうしたらいいか」「看取りまで考えられない」「独居だから」等々がその理由としては考えられるかと思われます。ここの点って在宅サイドからみたら対応できること多々あるんですが、その紹介の前に他の選択になってしまってしまうともうどうしようもないですよね・・・・

長くなりましたが結論として何を言いたいかというと「在宅緩和ケアをとりまく医療資源は充足しつつあるが、患者さんと病院サイドの在宅緩和ケアへの認識や社会トレンドがまだそこを必要とする段階まで到達していない」ということが、ひとまずの2017年現在の札幌の在宅緩和ケアを取り巻く現状ということができるのではないでしょうか・・・・

簡単に自分なりにまとめてみましたが皆さんは何か意見があるでしょうか?何か他の意見あれば教えて下さいね。

当院は在宅緩和ケアが必要な患者さんの支援を医師、看護師、MSW、リハビリセラピストなどで積極的に行っています。必要な方いましたらまずはご相談くださいね。

 

 

さて本日の医療ニュースはこちらです。在宅緩和ケアに関するちょびっとした記事ですが参考になればと思います。参照してみてください。

ニフティニュースより 「病院で最期」が8割の中で、最期まで自宅で暮らす方法 https://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-599441/

小林麻央さんが最後に選んだ「在宅医療」。「私も最期まで家で過ごしたい」と思う人が多い一方、現実には8割の人が病院で最期を迎えている。自宅で最期まで暮らすためにはどうすればいいのか。訪問看護師として在宅医療に取り組み、「市ヶ谷のマザーテレサ」と呼ばれる秋山正子さんと、新著『なんとめでたいご臨終』が発売早々重版した日本在宅ホスピス協会会長の小笠原文雄さんが語り合った。

秋山:小笠原先生のようなかたがいる地域といない地域、まだまだ地域格差はありますが、私が(41才で亡くなった)姉を病院から家に連れて帰ったのは1989年です。当時は在宅医療の仕組みはありませんでした。それでも、あるもの、使えるものを組み合わせてチームを組みました。ですから、自分の地域は体制が整っていないからと、諦めないでほしいんです。

小笠原:まだあまり知られていませんが、遠く離れていても、テレビ電話を使って遠隔診療もできるんですよ。ぼくは15年前から小笠原内科で導入していて、とても有用だと感じています。

他には、教育的在宅緩和ケアといって、患者さんの近隣に在宅医療を行う医師がいなくても在宅医療が受けられるように、地元の医師と連携する仕組みを作って実践しています。そういう意味で、地域格差は徐々になくなっていると思いますよ。

秋山:大事なのは、暮らしの中で看取ることです。ですから自宅に限らず、グループホーム、サービス付き高齢者住宅、シェアハウスなど、家と同じような環境で、生活の延長線上にその人の最期があればいいと私は思っているんです。

小笠原:そのためには、元気なうちに家族と話し合って、どこで誰にどのように看取られたいかをきちんと話しておいた方がいいですね。

秋山:そうですね。地域の医師、看護師、介護サービスや、ご近所さんやボランティアの力などを組み合わせれば、一人暮らしの人でも、自宅で最期を迎えることは可能です。「周りに迷惑がかかるから病院でいい」と遠慮しないで、ちゃんと声を大にして、「家に帰りたい」「家で死にたい」と言ってほしいんです。そうしたら私たちは全力で支えます。

小笠原:ぼくなんかは、ご本人が「家に帰りたい」、ご家族が「帰らせてあげたい」と言えば、『緊急退院』といって、その日のうちにも退院できるように病院側と連携しています。

秋山:今は、大きな病院には退院後の医療をアレンジする地域連携室という部門があって、そこが相談窓口になります。後は各地域にある、地域包括支援センターが相談にのってくれます。介護や訪問看護の事業所がどこにあるのか、在宅診療をやってくれるお医者さんがどこにいるのかなど、地域の事情がわかる情報誌やマップも作られていますから、自分で調べてみるのもいいと思います。

◆看取りの文化を広げていきたい

小笠原:長く続く訪問看護ステーションには医師や看護師をコーディネートできる人が大抵1人はいます。どのお医者さんが合うのかも訪問看護師さんはよく知っています。

秋山:小笠原先生はもともと僧侶でいらっしゃるし、生きる、死ぬということについては独自の哲学をお持ちです。でも、先生のようなカリスマではない、地域の開業医のかたで在宅の看取りを体験されるかたが全国で少しずつ増えています。私たちのような訪問看護師やベテランのケアマネジャーが、医師、訪問看護師、介護の人のチームを作ればできるんです。

小笠原:患者さんやご家族のことも理解しているのが、地域のかかりつけ医です。「家で最期を迎えたい」という患者さんの願いを叶えるために、モルヒネなどの使い方に困った時には、訪問看護師、薬剤師、あるいはほかの医師に教えてもらえばいいんです。患者さんや家族の願いが、かかりつけ医を育てるんですよ。

秋山:ある看取りの現場で、ろくに挨拶もしなかった中学生の男の子が、おじいちゃんを見送ったあと、それを手伝った私たち看護師に「お世話になりました」とお礼を言ってくれたことがありました。やっぱり人の死は何かを変える力を持っています。おじいちゃんはこんなふうに家で亡くなったということを次の世代に伝えて、看取りの文化が引き継がれていくといいなと思っているんです。

小笠原:そうですね、特に子供は人の死を知ると大きく変わっていきます。それから、人の生き方・死に方をいちばん間近で見ている看護師の言葉は重い。『なんとめでたいご臨終』を読んで死が怖くなくなったという人もいらっしゃいます。「朗らかに生きる、笑顔で死ねる」、そんな看取りの文化を、同志としてともに広げていきたいですね(笑い)。

 

皆さんは最後に過ごす場所、どこがいいですか?それを考える時期はいつかは誰にもわかりません。自分も含めそう先ではないかも知れませんので、この記事が少しでも考えるきっかけになればと思います・・・・・

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