公開日:2017年05月11日

薬の用法ってなんだろう?

あっという間に1日が過ぎてしまいますね・・・

 

こんにちは、在宅で患者さんを近い距離でみていると”薬の用法ってなんだろう?”って思うこと、幾度もあります。血中濃度などの薬理動態を考えると1日3回の投与が適正の薬物でも、実際の臨床では1日1回の投与でも患者さん本人も家族も”満足できる効果”をもたらすこと、よくあります。自分はそんなときは正規の使用方法を無視して実際の患者さんの満足度の高い薬の投与方法を重視するのですが・・・・・はたして病院や一般外来勤務の先生はそんな薬の使い方、よしとするでしょうか?

おそらく通常の医師であれば”薬の薬物動態的に1日3回投与がベストとなっている薬であれば、1日3回絶対服用しないといけない!!”って思うはずです・・・・・・一方自分は”1日3回の内服がベストの薬でもコンプライアンスや満足度を考えると1回でもいいんしゃないかな、うん、そうしようか!”って考えます。

この差異・・・・えぇ一般的な薬理動態の理解の範疇を超えた範囲ですが、ベネフィットが患者さんにあるのならば、自分は躊躇なく理論を無視して患者さんに良い方を決断します。が、皆さんはどう考えますか?

一般的な医師は理論的なものを大事にします。もちろん自分もそれは大事だと思いますし、それを否定することは絶対ないですが、在宅医(臨床医)にとって重要なことは”患者さんにとって大事なことは何か”を臨床的に突き詰めること・・・・・・こんな考え方の違いがもしかしたら在宅医療が一般的な医師にとってハードルが高い一因となるのかもしれませんね。

 

とある患者さんが転移癌による神経障害性疼痛に対しリリカを服用していました。

LYR_C25_PC10_PHC

25mg1錠1日1回の服用でもリリカに対して過敏なのか眠気がとれず・・・・・ご家族がそれをみてリリカを脱カプセルして分割して投与してくださっていました。(さらに味が今一つなのでさらに脱カプセルした細粒をオブラートカプセルで投与していました。すごいです)25mgを3回に分割投与してみると、痛みも眠気もちょうどいい感じでコントロールできています。こんな使用方法、絶対薬剤師さんがすすめませんが、自分は自信をもって「すごいいいですね。ご家族の愛情分も薬の効果になっていますよ」ってお伝えしました・・・・

こんな感じで薬の用法は人によって変える必要があると自分は信じていますが、たまにそんな患者さんを病院に紹介すると「こんな薬の使いかたするなんて開業医は使い方わかってないな」って感じで手紙に書いて返事もらうことがあります・・・・・これはしかたないですね・・・・・

 

明日は本州から見学の先生がこられます。在宅医療の魅力、できるだけ精一杯お伝えしたいと思います!!